2夢 悪夢の謎
隣の紙にはこう書いてあった。
☆悪夢のゲームについて☆
★これよりAゲームと称する。
★ノルマ1人、殺すこと。
★制限時間は無い。
★Aゲームをクリアするにはいくつか方法がある。
・殺した数がある一定数に達する。
・目覚めた時、=========。
★ゲームオーバーも存在する。
★ここ掲示板前はセーフティゾーンとする。
「Aゲーム・・・か・・・」
俺はこのAゲームで何をすればいいのか、だいたいわかってきた。
おそらくゲームをクリアしない限りこの夢は続く。
「とりあえずここにいれば安全か」
「安全ってなんでわかるんだ?」
「ここはセーフティゾーンだ。ほら書いてあるだろ」
「ほんとだ」
和希も理解してきたみたいだ。
このゲームにはいったい何人参加してるんだ?
参加人数がわからないと危険度がわからない。
「なあ和希」
「なんだ?」
「このゲームって何人ぐらい参加してるんだろな」
わからないと思うが和希に聞いてみた。
「20人・・・いや、50人ぐらいじゃないかな?」
「人数が多い方が死ぬ確率が高くなる」
「そうだな」
和希は20人と言ったとき少し焦ったか?
気のせいかもしれないが。
「ノルマ1人か・・・」
突然和希がつぶやいた。
「どうしたんだ?」
「人を殺すのは・・・ちょっと気が引ける」
「ああ・・・」
確かに人を殺すなんて俺にはできない。
でもここでは殺さなきゃ始まらないしな・・・
少し考えていると、後ろから誰かが駆け寄ってきた。
「ふぅー。あぶなーい」
女性のようだが・・・誰だろう。
「お?君は初めて見る顔だねー」
女性が話しかけてきた。
「はあ・・・あの、誰ですか?」
和希が女性に聞いた。
「え?私?私は川崎ひなって名前。19歳だよ。君は?」
「俺は、上野和希って言います。17歳です」
「ん?・・・っまいっか。君は?」
「加賀悠介です。同じく17歳」
なりゆきが掴めないまま自己紹介をしてしまった。
「もしかして・・・Aゲーム初めて?」
ひなって人が聞いてきた。
「はい。なにがなんだかよくわからないままここにいます」
とりあえず俺は現状を説明した。
「んー、ここの張り紙は見た?」
「一応見ました。でも理解が難しいですね」
「簡単に言うと、人殺しゲームかな」
予想通りか。この人いろいろ知ってそうだな。
「ルールは簡単!殺るか殺られるかだよー」
「・・・ですよね。あの、いつからAゲームを?」
「えっとー、3週間ぐらい前かな?」
「そんなにやっててクリアできないんですか?」
「なかなかだねー。まず一定数がわかんないし」
「わからないんですか?」
「うん。あとゲームオーバーの仕組みもわかんない」
「そうなんですか・・・」
俺は疑問に思ったことを聞いてみたが情報として役立つものはなかった。
「じゃ私そろそろ行くね!」
「はい。気をつけて」
「ありがと!あー、アドバイスとして、あんまり死なない方がいいよー。じゃ!!」
ひなさんは元来た方行に走って行った。
あんまり死なない方がいい?それは当たり前だとは思うけど・・・何か意味があるのか?
「悠介」
「ん?」
やけに真剣な顔で和希が話しかけてきた。
「とりあえず誰でもいいから殺しに行こう」
さっきとは和希の雰囲気が全然違う。
どうしたんだろう。
「悠介は行かないのか?行かないなら俺は1人で行く」
「ちょっと待てよ」
「なに?」
「殺しに行くって・・・俺にはまだそんな勇気ない」
「ああそう。じゃ俺だけで行く」
「お前冷たいぞ。どうしたんだ」
「どうもしてないぞ?行かないなら、おいてくぞ」
「行くからちょっと待て!」
和希がまるで別人格になったようだ・・・
俺はまだ謎が多すぎるこのゲームでムヤミに動きたくない。
和希は何か考えがあるのか?
「じゃあ行こうか」
「ああ・・・」
結局俺は和希について行くことにした。




