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カルディの引力

作者: 奈良ひさぎ

 ご飯のお供を定期的に買い漁るのが好きな私のような人間にとって、カルディは魔境そのものである。最近何かとテレビや何やらで紹介されているのを見るが、あまりに誘惑が多すぎる。


 まず入口では紙コップにコーヒーを入れて無料で試供してくれる。私自身、コーヒーはあまり得意ではないのだが、コーヒーの香りは非常に好みで、これが店内に漂っているだけでも好印象である。ここでユニークな輸入食材や、一風変わったご飯のお供をいろいろ見て回れるなんて……と思うのだが、そもそも「カルディコーヒーファーム」なのでコーヒーが大元らしい。サブのラインナップにしてはあまりにも豊富すぎる。


 これまで私はショッピングモールや駅前に他の買い物に来ては、通りかかったカルディについ入店してしまい、コーヒー片手に真っすぐにご飯のお供コーナーへ向かってしまう、というのを散々繰り返してきた。カルディだけを愛好しているわけではないので通う頻度はそこまで高くなく、どれくらいのペースで商品の入れ替えが行われているのかは分からないが、少なくとも私は店に行くたびに全体の三分の一くらいのご飯のお供が別物になったり、それまで見たことのないものが追加されていたり、というのを感じている。これが嬉しく、ついホイホイといろんな商品を買ってしまう。


 ところが、そういったユニークなご飯のお供を選ぶ私のセンスが良好かというと、必ずしもそうではないのが悲しいところである。少なくともカルディ側がある程度人気が出そうとか、売れるだろうと思っているものを棚に並べているだろうから、やはり私が自分の舌にいまいち合わないものを選んでしまっている、ということになる。美味しいことは伝わってくるのだが、甘辛いの甘い寄りのものはご飯に合わない(と思っている)とか、野沢菜のような癖が強めの野菜は合わない味付けがあるとか、そういった私のポリシーが原因で「いまいち」という評価になってしまう。カルディで買ったご飯のお供には「これは旨い!」と思ったものも、「これはちょっと全部食べられないかも(→実家にあげて消費してもらっている)」と思ったものも同じくらい存在する。残念ながら、失敗しても学ばず懲りずに気になったものをホイホイ買っている自分がいる。これは私がカルディの醸し出す強烈な引力に負けて入店してしまう限り、解決しない問題ではないかと思う。何せ本来近くの店に服など別のものを買いに来たのに、それらをすっ飛ばしてカルディに入ってしまうのだから、それはもうネオジム磁石のような強烈さである。


 ちなみに、今はまだご飯のお供コーナーだけしか発掘していない状況だが、将来的には炊き込みご飯の素だったり、冬の時期であれば鍋スープであったり、はたまたお菓子だったり、カルディには本当にいろんな商品が置いてある。これらも見るようになってしまえば、いよいよ私はカルディから脱出できなくなってしまうかもしれない。そんなことを考えながら、今日も私はご飯のお供をホクホクした顔で買って帰ってきたのだった。

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