表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
頑張って大魔法が撃てるようになりましたので、魔王軍にスカウトされて、異世界勇者どもをシバキ倒します。  作者: 坂田 燐


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/20

彼女の処遇

戦いは終わった・・・。



「クレハよ。・・・。済まなかったな・・・。」


聖王(犬)が優しく語りかける。


「・・・。何?この犬?」


クレハの心底不思議そうな顔に、私は思わず、吹き出してしまう。


「笑うな!」


聖犬は抗議しているが、側からみても、犬が彼女の前で芸をみせているようにしかみえない。本当は感動の場面なのだが・・・。


「・・・。まぁ、それはそれとしてだ。実際、こやつ、どうするのだ。・・・」


こちらも全く空気を読まず、蒼犬が真剣な顔で尋ねてくる。彼にとっては自分の国を滅ぼした一人ということになるのだろう。もしかしたら、厳しい処置を望むのもやむを得ないかもしれないが・・・。


フゥゥゥゥゥ・・・。


二匹の犬が人間らしい大きな溜息をついている。全然忘れているが、やんごとなき王だったわ・・・。


「何か失礼なことを思っていないか?」


「・・・。まさか。」


「・・・。まぁよい。処遇はカルラ、お主に任せる。」


「・・・?意外です。良いのですか。」


「ああ。あの様な戦いをみせられてはな。もはや、我等のレベルでは対応は出来ぬ。それに・・・、我が配下達も、あの様な戦いを繰り広げておったのじゃな。ワシは安全な所でしか、推移を眺めておらんかった・・・。」


「ワシもじゃ。以下同文じゃ。」


二匹の犬は、かなりいい事をしゃべっているのだが・・・。まぁ外見があれだし・・・。すこしだけ残念・・・。


「やっぱ、失礼な事を考えてないか?」


「・・・。そんな事は。それで、お願いがございます。彼女と二人きりにしてもらえませんか?それで処遇を決めます。」


「ほう・・・。二人きりね・・・。いやらしい。」


「カルラよ。お主が淑女である事を信じておるぞ。」


「・・・。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」


私は最高の笑顔を見せる。もちろん右手には小粋な炎を作って。


本当にこの犬王様たちは・・・。一言多いんだよ。


「さぁ、王様方。お散歩の時間ですよ。」


リーナが気を利かせて、犬達を連れ出してくれる。本当に素敵です。リーナさん。

しかし・・・。餌につられてついて行ってしまう犬って・・・。何も言うまい・・・。



「まぁいいか・・・。さて、クレハ。貴女の本当の気持ちを聞きたい。」


「・・・。何故?」


「刃を交えるのは会話するのと同じことだから・・・。貴女には強い想いがあった。貴女は世界ではなく、勇者への強い思慕で戦っている。」


クレハは真っすぐ、私を見据える。


「・・・。そう・・・。私にとって、世界なんてどうでもいい。私はあの人の傍にいたい。たとえ振り向いてくれなくとも・・・。」


「・・・。そう・・・。」


「そういう貴女は何の為に戦うの?」


私はハッとする。確かに私は何の為に戦っているのだろう・・・。

でも・・・。


「・・・。はじめはあの人に認められたい・・・だったかな・・・。でも今は・・・。」


「今は・・・?」


「あの人を振り向かせたい・・・かな?」


「え?」


「私もあの人に憧れていたから・・・。会ったことはなかったけど、あの人の伝説にいつもワクワクさせられてた・・・。」


「・・・。」


「成り行きで、敵とはなってしまったけど、私はあの人に近づきたい。その想いは変わらない。今にして思えば、この選択は運命だったと思う。」


「そう・・・。どこか私達は似ているのね。でも、貴女の方が真っすぐ・・・。かつてのあの人の様に・・・。」


クレハは静かに微笑む。


「でも・・・。馬鹿な事は考えないで。私を生かせば、また貴女に盾突くわよ。」


クレハは真剣な瞳で私を見つめる。どこか、覚悟を決めた瞳。それは、とても美しい。


私も静かに微笑む。


「・・・。その時はまた私が倒すまで。だから・・・。」


そう・・・。心の中に答えはあった。私はこの人と友達になりたいのだと・・・。



「クレハ。共に行きましょう。私達の想いを叶える為に。」


私は静かに手を差し伸べる。


「完全に私の負け・・・ね・・・。いいわ。貴女の心を信じましょう。共に進みましょう。」


クレハも静かに手を握り返す。



「フン。やっぱり、そうなったか・・・。」


「まぁアイツも英雄だよな。」


「私はカルラ一筋ですぅぅ。」



外野の囁きはともかく・・・。


きっとこれで良かったのだろう。


私達の旅は、まだまだ続くのだ。









面白い! 続きを読みたい!


と思われた方は、下にある⭐︎ブックマークをお願いし


ます。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ