幕間:死天王と四英雄
聖都エレンティア。
光溢れた美しい都というが、近頃はその周囲を黒霧が覆っているとも聞く。
「勇者が闇に染まった証拠じゃ!」
「ワシのせいとは言え、この世界の人々の為、戦わねばならぬ!」
下の方で、2匹の犬が深刻そうに話しこんでいる。・・・。どうみても、奇妙としかいい様がない光景であるが・・・。
「さぁ王様方。ご飯の時間ですよぉ。」
リーナが母性溢れる美しすぎる笑顔で、世話を焼いている。
「ワン、ワン」
しかも二匹の犬といえば、楽しそうにしっぽをふっているではないか!良い眺めだぁ~。でなくて
「そうじゃないでしょ!」
私は叫ばずにはいられない。
「正体を明かしたくないのは分かります。魔法で姿を変えたまではよしとしましょう。しかし、プライドはないのですか!」
「ない!」
清々しいまでの即答!
「プライドで飯は食えん!」
「・・・。」
私はこれ以上、ツッコめなかった。
「・・・。別に魔都でゆっくりしててもらってもいいのだけれど・・・。」
「すみません。カルラ。」
「まぁリーナのせいではないし・・・。」
「お優しいですね。大好きです。」
リーナはニコッ。本当にこの人、魔族だったんだろうか・・・。
まぁあんなこんなで、私達二人と二匹は聖都へ向けて歩を進めている。
「そう言えば、お主は四英雄を知っているのか?」
歩き筋、二匹の内の蒼犬が尋ねてくる。
「勿論。勇者と共に戦い、魔王軍死天王を倒した者達でしょう。」
そう・・・。彼等もまた勇者と共に讃えられし者。
「ん?でも何故魔族は四天王じゃなくて死天王なんですか?」
「ふっふっふ!よくぞそこに気づいたな。そのココロは!」
「そのココロは!」
「死ぬほど役にたたなかったからだああああ!」
「・・・。」
予想通りだった。大方、勇者一行に瞬殺され、あっという間に壊滅、文字通り過去の遺物となったのであろう。まぁリーナも実際、戦闘向きじゃないって言ってたし。
「だが、しかあし!四英雄はレベルが違う。奴等は戦いしか知らん。ワシらの如く、余裕ぶる事を知らんのじゃ!」
『・・・。だから、あっさり負けたのでは。』
私は心の中だけでツッコむ。
「コホン。まぁ、彼等が強敵なのは分かりました。心して臨みます。」
「ウム!信じておるぞ。何、我等がついておる。恐れるものなど、なにもないそ!」
「・・・。」
「何故黙る?」
「いえ!有難うございます。」
私は呟く。
『・・・。まぁある意味、魔王だよ、この人・・・。』
もう一周回って、笑うしかない。
それにしても、四英雄とは・・・。まさに伝説の戦士。とんでもない強敵だが、まさか戦う事になろうとは・・・。相手にとって不足なし。
『一人残らず、ぶっ倒す!』
私は空を見上げ、来たるべき戦いに想いを馳せた。
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