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頑張って大魔法が撃てるようになりましたので、魔王軍にスカウトされて、異世界勇者どもをシバキ倒します。  作者: 坂田 燐


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神槍の審判

私は全力で魔法を唱える。


「空に輝く星々よ。その力、剣に宿れ!」


ヴァァァァン・・・


紅の剣に星の力が宿っていく。


「フゥ・・・。ハァァァ・・・。」


一歩間違えば世界すら滅ぼしかねない力。


「でも・・・。勝つにはこれしかない。」


「フフフ・・・。よいな。ならば俺の奥義と勝負だ。」


ゲイボルグは再び槍を構える。


「ハァァァァァ!」


その槍の周囲には竜巻の様なものが生まれ、槍がドリルの様に回転している。


「お互い準備はよし。勝つか消えるか、勝負だ!」


私と彼の間の僅かな空気が震えている。


お互いの気持ちが最高潮に高まり、ヒリヒリした瞬間が現れる。


「行くぞ!」


「行きます!」


「秘奥義!トルネード・コンヴィクション!」


激しいドリルと化した衝撃波が、私を襲う!


「受けてみよ!星すら砕く深紅の輝き!ルブラ・グラデュース・ヴェラム!」


半身で下に構えた私の剣を、上空に向けて素早く旋回!


紅白のエネルギーが中央で激しく激突する。


「ヌォォォォォ!」


「ハァァァァ!」


やや、ゲイボルグの威力が上回る・・・か?


「いや!まだだ!」


「何ィィィィ!」


私は一閃した刀を返し、再び一閃!


「ウヮァァァァ!」


今度は過たず、槍の衝撃波を打消し、その勢いもろともゲイボルグを吹き飛ばす!


「グフッ!」


後ろの壁に吹き飛ばされ、血を吐くゲイボルグ。


「フ・・・。フフフ・・・。フフフハハハハ!」


アーマーは砕け、槍も輝きを失っているが、ゲイボルグは何故か大笑いしていた。


私はそっと手を差し出す。


「フッ。」


その手を取り、立ち上がるゲイボルグ。


「いやぁ、参った。俺の負けだ。約束通り進むがよい。だが・・・、いきなり良いのか?後先考えずこれ程の力を使って。」


「でも、そうしなければ貴方は倒せませんでした。悔いはありませぬ。」


私も立っているのがやっとだった。


人の姿に戻ったリーナに抱えられながら、それでも満足であった。


「フフフ・・・。世界は広いな。まさか、キミの様な者がいるとはな。異世界転移の力は絶対・・・ではないのか。それはそれで面白い。」


ゲイボルグは爽やかな笑みを見せている。彼は根っからの戦士なのだろう。後ろめたい部分は何もない。


「カルラよ。この戦いが終われば、また戦おうぞ!」


彼は静かに退場する。敗者は黙って去るのみ。実に潔い男だ。


「・・・。そうですね。また・・・。」


私は心地よい疲れを感じている。


『また』と言える嬉しさを嚙み締めて・・・。



「少し休め。」


蒼犬がぶっきらぼうに話す。


「魔王様も随分人間っぽくなりましたね。」


リーナが可笑しそうに笑う。


「そうじゃな。ワシは聖魔大戦に身を置いていたとはいえ、どこか他人事、いや魔王事じゃったという事が嫌というほど分かった。この旅でお前を追って、その戦いを目にして、初めて理解したのじゃ。」


「・・・。」


「以前のワシなら、歯牙にもかけなかったじゃろう。そういう意味ではお主には感謝しておる。」


「魔王様も人が出来ましたな~。」


そんなリーナと魔王の会話を聞きながら、私は束の間の休みをとった。



一方・・・。


「待って!ゲイボルグ。」


「クレハか・・・。どうした?」


去っていくゲイボルグを追いかけたクレハは、彼の前で口ごもる。

言葉が出ない。何を伝えてよいのか・・・分からない。


「お前は、あの少女・カルラに惹かれたのではないか?」


「!」


「フフフ。何も驚く事はあるまい。あの少女はまさしく勇者。俺たちが憧れたかつての勇者そのものだ。」


「・・・。」


ゲイボルグは面白そうに笑う。


「俺はな。クレハ。かつてのあいつの屈託のない笑顔が大好きだったのだ。もしかしたら、あの少女は、アイツの魂に輝きを取り戻させるきっかけになるかもしれない。」


「・・・。」


「クレハよ。あの子を確実に勇者の元まで送り届けよ。そして、アイツの目を覚まさせてやってくれ。少々シバキ倒しても問題はなかろうよ。じゃぁな!」


「・・・。貴女はどこまでも貴女ですね。・・・。」


クレハも静かに笑う。何故か最近涙もろくなった。


「・・・。分かりました。彼女を守りつつ、勇者様の元に進みます。」


クレハは改めて決意するのであった。








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