新たなる力
「まぁ、予想通りではあるが・・・。」
蒼犬は唸る。
盗賊と遭遇。
「インペル・メトーバ!(流星雨)」
はい!あっさり終了~。
「弱ぁぁぁぁぁすぎるわぁぁぁぁ!」
何故か、私の働き?より、敵の弱さにお怒りの犬王。
「何故?」
「むむむむ・・・!おおっ!」
「あれは・・・。」
「噂の魔竜か!」
『多少、歯ごたえはあるんだろーな!あの大馬鹿コンビ。』
そんな魔王の心配など、知った事ではなく・・・。
私は魔竜と対峙する。
「漆黒・・・。何よりも、デカい・・・。」
私の身体の何百倍もある生き物。
「お~い。」
後ろから声がする。
「なっ!リーナ!」
みれば怪しげな二人組に、リーナが捕らえられている。
どうやら盗賊団の親玉の様だ。
「ハッハッハ。この娘は頂いたぞ!」
赤鬼の様な男が叫ぶ。
「返してほしくば、その魔竜を倒して見せよ。どの道、無理だろうがなぁぁぁ!」
もう一人。青鬼も煽ってくる。
「カルラ、すみませぬ。でも、貴女への愛は不変!見事、竜を倒してください!」
「・・・。うん。」
あ~、そういう事か。察し。
「ならば遠慮はしない。行くぞ!魔竜!」
私は再び魔竜に向き合う。
「風の刃!ヴェントス・グレーテス!」
無数の風の刃が魔竜に襲い掛かる。
ウギャァァァァ!
「効いたか!」
「あっ!それフラグ!」
聖犬の一言。
「・・・。やはり薄皮一枚と言った所か・・・。」
魔竜の瞳が怪しく光る。
「・・・。通用するかは分からない。だが、数々の敵を葬ってきた大技!」
もはや出し惜しみする理由もない。
「魔竜よ!私の全力を受けよ!インペル・メトーバ!」
一瞬、夜になった空から無数の矢と化した流星が魔竜を襲う。
ギャァァァァァ!
魔竜の雄たけびが聞こえる。
「ヤァァァァァ!」
私は後先考えず、ありったけの魔力を注ぎ込む!
「・・・。な・・・ん・・・だ・・・と・・・。」
無傷!とは言わぬが、左程、竜はダメージを受けていない!
「何という硬度・・・。」
私は戦慄する。
しかも、私の全力の力に耐えかねて、杖が粉々に砕け散ってしまった・・・。
「よし!」
何故か、背後から頷く声!
「これは・・・参った・・・。」
「これしきで挫けるか!カルラ!」
後ろで声がする。クレハが弓で応戦している。
「私が少しだけ、時間を稼ぐ。・・・。貴女は知っている筈だ。さらに強くなる方法を。」
「強くなる方法?」
「そう・・・。貴女は確かに強い。だが、一人では限界がある。これからの戦いは、決して一人では勝てない!」
「その通りです。カルラ。」
「・・・。リーナ?」
いつの間にか、リーナが私の前に立っている。
「もう茶番は終わりです。魔の巫女として、貴女に力を授けましょう・・・。」
「!」
不意に唇を奪われる。
「我が身を剣と化せ!我が唯一愛した人に!」
「これは!」
私の手に、深紅の輝きを放つ魔剣が現れる。
「・・・。すごい!力が湧き上がってくる・・・。」
「貴女と私の愛は最強!この世界で切れぬものはありません。」
「・・・。君は平気か・・・。」
「フフフ。私は今、死ぬほど幸せですわ!」
「・・・。分かった。」
私は両手で剣を天に翳す。
「クレハ。離れて!」
クレハが素早く後ろに下がる。
「いくぞ魔竜!紅の剣!ルブラ・グラデュース!」
まさに紅の一閃!
ギュァァァァァァァァァ!
竜は見事に真っ二つに切り裂かれ、絶命した・・・。
「・・・新たなる力・・・。」
「そう・・・。これが貴女の力。」
「そういう事・・・か・・・。」
私はグラッと後ろに倒れる。
「これからは私がいます・・・。」
それを優しく受け止めるリーナ。
「私もまた、貴女に会えて、生きる意味を得たのです・・・。」
リーナの瞳には、光るものがあった・・・。
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