魔王の策略
「まぁ彼奴も、充分な戦闘狂よな。じゃが、四英雄の残りは武闘派。近接戦は避けられまい。ならば、ワシが骨を折ってやる必要があるよのう・・・。」
少し離れた場所で、蒼犬がブツブツ言っている。
漠然だが、こちらにも彼女の不安は伝わってくる。特にこれからは、これまでと同じという訳にはいかないだろう。
まぁ、日頃の忠誠にはこたえてやるべき、というのもあるが・・・。
「さて・・・。もう一手間・・・か。カイゼル、クルーゼ。我が前に馳せ参じよ!」
程なく魔王の前に二人の魔族が現れる。一言でいうと、赤鬼・青鬼だ。それ以上でも、それ以下でもない。まぁ強いて付け加えるとしたら、あまりに品がない!・・・と思う。
「おい魔王さんよ!もう、お前に仕えている訳じゃねぇんだぞ。」
「まぁ慰謝料を積むなら、考えてやらんでもないがのぉ・・・。」
予想通り、馬鹿丸出しの答え。何のひねりもなし!
久々に魔王の血が騒ぐわ!
「・・・。雑魚の分際で強気じゃのう。もと死天王ども・・・。」
蒼犬の身体から、激しい魔気が吹き上がる。
腐っても、元魔王。覇気はそこらの魔物とは段違いである。
それとは対照的に二人の弱気はあえなく霧散する。
「どうも、すいやせんでした。ボス!」
「今なら半額セールで構いませんので!」
「・・・。ただでやれや!愚か者どもが!」
怒りの鉄槌!雷撃が二人に直撃する。
「へへ~!」
二人は震えながら平服する。
「・・・。はぁ~。」
やっと話が纏まる。我ながら、なんでこんなのを選んだのか。血迷ったわ~。
「という訳で、リーナよ。」
「はい。魔王様。」
「華やかな虐殺の舞台に彩りは必要じゃ。不本意じゃろうが、一つ誘拐されてやってくれ!」
「嫌です。」
速攻拒否。
「私のプライドが許せません。このクソ馬鹿どもに捕まるなんて。」
顔は笑っているが、背後に青白い炎が燃え上がっている。
まぁこちらも予想通りの答えだな。
「分かる!すごぉぉぉぉく分かるぞぉぉぉぉ!しかし・・・。アイツの為じゃ!」
そう、リーナを落とすにはこれが鉄板。
恋の力は偉大なり!
「・・・。仕方ないですね。仰せの通りにいたします。ただし、一つだけ・・・。そこの馬鹿二匹!」
「はひ!」
「私に一ミリたりとも触れる事は許しませぬ。私に触れてよいのはカルラのみ。良いですか!」
「はっはひ!」
大迫力のリーナは魔王の覇気すら凌駕する。
「・・・。ワシの存在って一体・・・。」
目が点になる魔王(犬)であった。
「まぁよい!二人は手筈通りに暴れよ。魔竜の制御も忘れるなよ。それから、怒り狂ったカルラに殺されても、ワシは責任を取らぬからな。」
「まぁこの馬鹿どもに捕まるのは癪ですが、カルラに救われるのもよいですね。ちょっと楽しみかも。」
「・・・。何か、ワシらの存在って一体・・・。」
三者三葉、阿鼻叫喚?の夜は更けていく・・・。
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