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世界の果てまでどこまでも  作者: 黒蜜パンダ
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出航準備1日目 夜

長老。それはこの島において大きな力をもつ人々。島民は長老たちに食べ物をおすそ分けし、何かトラブルがあれば長老たちの手で裁かれる。そして祭りではみんなの中心となって儀式を行い、子供たちが成人する際彼らの結婚相手を決める。なぜそのようなことをするか昔聞いたことがあるが、長老いわく島民の少ないこの島で元気な赤ちゃんをたくさんこさえるためらしい。そんな大きな力をもつ長老のなかで最も偉いのが大長老だ。長老たちは島民の中でもかなり年を重ねた5,6人が選ばれるが大長老はそのなかでも最も年を重ねた人でである。年のせいかはたまた大長老としての仕事なのか普段は神殿内部の繋ぎの間にこもっていることが多い。その大長老が直々に呼んでいるというのは非常に珍しいことである。そのため僕は非常に不安だった。噂でしか聞いたことがないが、昔この島で喧嘩の末相手を殺してしまった人がいるそうだ。その人は長老たちによって処刑されたらしい。僕達もそのような扱いをされるのかもしれないと僕は非常に不安だった。

「・・・長老になんて言われるかな?」

長老に計画を取りやめるよう言われるのではないかと心配する僕をよそに

「何言われようとも俺の知ったことじゃない。無理矢理でも説得するだけだ。」

とベーカーは意気込んでいた。

「小僧ども、入れ」

中から大長老の声が聞こえた。

「失礼します」

ベーカーは揺るぎない自信と覚悟を持って大長老の家へ入っていった。僕は殺される覚悟を持ててていないのでビクビクしながら家に入った。普段はおちゃらけているアクセルも今回ばかりは腰を引いているようで僕と同じようにビクビクしながら続いていった。

「失礼、します・・・」

「失礼します・・・」

「お前らが噂に聞くイガイ、ベーカー、アクセルか。話は聞いている。」

「本日は、なんの要件でお呼びしたのですか?」

ベーカーは普段見せない敵意のようなものを見せながら大長老に聞いた。そんな失礼なことをして構わないのかと心配になったが幸い大長老は懐が深く、

「まぁまぁ、そう敵意を見せるでない。」

と言い、ベーカーの敵意を受け流した。そしてこのように告げた。

「神様に会いに行くのだ。」

「「「か、みさま?」」」」

唐突の神様発言に僕らは困惑してしまったが大長老は僕らの困惑を意に介さず話を続けた。

「普通島の者は一生この島から出ようとは考えない。しかし島を出るという変わった考えを持つ者が100年やらに一度現れる。彼らはきっと神様から何らかの天啓、いや呼び出しを受けたのだろう。だから我々長老たちは神様への奉仕者として神様の呼び出しを受けたお前らの旅を支える義務がある。よって我々はお前らを全力で支えさせてもらうぞ。」

「どのような支援を受けられるのですか?」

ベーカーが大長老に問うと大長老は

「詳しい話はまた明日する。今日の話はおしまいじゃ」

と言って家に帰るよう追い出された。

「思ったより大事になってしまったな。」

僕がそういうと、ベーカーは少し顔をしかめながらも笑った。

それから僕たちは別れてそれぞれの家に帰った。

僕の場合、僕が帰ってくるなり家族が飛んできて、

「イガイ!話は聞いたよ!島を出るなんて何考えてるの!」

「お前はうちの大事な後継ぎなんだ。変なこと考えるな!」

「お兄ちゃんと会えなくなるのはいやだ!」

「喧嘩は多いけどもう二度と兄と会えないなんてやめてくれ。」

父母兄妹からこの島において大きな力をもつ人々。島民は長老たちに食べ物をおすそ分けし、何かトラブルがあれば長老たちの手で裁かれる。そして祭りではみんなの中心となって儀式を行い、子供たちが成人する際彼らの結婚相手を決める。なぜそのようなことをするか昔聞いたことがあるが、長老いわく島民の少ないこの島で元気な赤ちゃんをたくさんこさえるためらしい。そんな大きな力をもつ長老のなかで最も偉いのが大長老だ。長老たちは島民の中でもかなり年を重ねた5,6人が選ばれるが大長老はそのなかでも最も年を重ねた人でである。年のせいかはたまた大長老としての仕事なのか普段は神殿内部の繋ぎの間にこもっていることが多い。その大長老が直々に呼んでいるというのは非常に珍しいことである。そのため僕は非常に不安だった。噂でしか聞いたことがないが、昔この島で喧嘩の末相手を殺してしまった人がいるそうだ。その人は長老たちによって処刑されたらしい。僕達もそのような扱いをされるのかもしれないと僕は非常に不安だった。

「・・・長老になんて言われるかな?」

長老に計画を取りやめるよう言われるのではないかと心配する僕をよそに

「何言われようとも俺の知ったことじゃない。無理矢理でも説得するだけだ。」

とベーカーは意気込んでいた。

「小僧ども、入れ」

中から大長老の声が聞こえた。

「失礼します」

ベーカーは揺るぎない自信と覚悟を持って大長老の家へ入っていった。僕は殺される覚悟を持ててていないのでビクビクしながら家に入った。普段はおちゃらけているアクセルも今回ばかりは腰を引いているようで僕と同じようにビクビクしながら続いていった。

「失礼、します・・・」

「失礼します・・・」

「お前らが噂に聞くイガイ、ベーカー、アクセルか。話は聞いている。」

「本日は、なんの要件でお呼びしたのですか?」

ベーカーは普段見せない敵意のようなものを見せながら大長老に聞いた。そんな失礼なことをして構わないのかと心配になったが幸い大長老は懐が深く、

「まぁまぁ、そう敵意を見せるでない。」

と言い、ベーカーの敵意を受け流した。そしてこのように告げた。

「神様に会いに行くのだ。」

「「「か、みさま?」」」」

唐突の神様発言に僕らは困惑してしまったが大長老は僕らの困惑を意に介さず話を続けた。

「普通島の者は一生この島から出ようとは考えない。しかし島を出るという変わった考えを持つ者が100年やらに一度現れる。彼らはきっと神様から何らかの天啓、いや呼び出しを受けたのだろう。だから我々長老たちは神様への奉仕者として神様の呼び出しを受けたお前らの旅を支える義務がある。よって我々はお前らを全力で支えさせてもらうぞ。」

「どのような支援を受けられるのですか?」

ベーカーが大長老に問うと大長老は

「詳しい話はまた明日する。今日の話はおしまいじゃ」

と言って家に帰るよう追い出された。

「思ったより大事になってしまったな。」

僕がそういうと、ベーカーは少し顔をしかめながらも笑った。

それから僕たちは別れてそれぞれの家に帰った。

僕の場合、僕が帰ってくるなり家族が飛んできて、

「イガイ!話は聞いたよ!島を出るなんて何考えてるの!」

「お前はうちの大事な後継ぎなんだ。変なこと考えるな!」

「お兄ちゃんと会えなくなるのはいやだ!」

「喧嘩は多いがもう二度と兄と会えないなんてやめてくれ。」

父母兄妹から旅に出ないでくれと言われたが、もう大長老に神の使いとして行くよう言われているため今更拒否することはできない。そのことを伝えると、父母はあり得ないという顔をし、妹は涙を浮かべ、弟はどこかやりきれない顔をしていた。

「・・・うそだ。大長老がそんなこと言うわけがない。」

「そんな嘘をつかないでいいから旅に出るのはやめなさい。」

父母は僕が嘘をついていると思っているようだが事実である。なので僕は、

「明日、大長老のところに行って話をしよう。話はそれからさ。」

と言って寝床に就こうとした。父母もとりあえず大長老と一緒に話すのがよいと考えたのか床につき、弟妹もそれに倣った。



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