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聖院世界シリーズ R15

へんたいしんしのひみつへいき「すけあくろう編」

作者: すずめのおやど

クリス「それはそうと一部方面から解説の依頼がありましたスケアクロウなんですが」


ジーナ「何でまたあんな変なもんに注目を…」


クリス「天の声曰く、最初はチョイ役だったそうです」


ジーナ「ちょい役の筈がいつの間にか出番多数。この話にはありがち展開やな…」


クリス「まず全長ですがだいたい50m近くあります。荷室サイズは概ね、米軍輸送機のC-17グローブマスターより少し長いくらいというアバウトな想像をお願いしたいと」


ジーナ「本編では最大積載量50トンとか書いとったな」


クリス「標準輸送型のC型だと80トンは積める模様。本編に出てくるM型や、今後出てくるG型は特殊攻撃能力付与型なので翼を全て伸ばすと50トンとお考えください。だいたい標準ボディの25tトラック、旧10トン車を2台まで積み込めます」


ジーナ「結構積めるんやな。輸送機型なら戦車1台はいけると」


クリス「座席を配置した兵員輸送時だと200名は輸送可能ですね。本編では壁面のジャンプシートを使っていましたが」


ジーナ「M型の武装はどんなもんがあるん」


クリス「主翼付け根にぺったり張り付く形のコンフォーマルポッドの内容で変わります。作中では高機動高速対地・対空ミサイルのテリブルの長射程型を積んで木材腐食半生体ナノマシンや人化還元細胞ウィルス結晶体を散布していましたが、他に蓮コラージュな見た目の短射程ミサイルランチャーに差し替えることも可能です。あとランチャー後部から可動アームにマウントされた電子レーザー・荷電粒子砲やレールガン、通常機関砲が出てきます。複葉構造なので翼が邪魔にならない場所に移動して砲撃する他、前下方に向けて発射もできますよ」


ジーナ「まぁ、AC-130(ガンシップ)よりは射撃攻撃の自由度はあると」


クリス「本編では対水中目標用の爆雷やソノブイランチャーを貨物室内に装備する話が出て来ましたが、同様に爆装ラックを搭載して後方投射で爆弾や対地ミサイルを撃ち出す簡易爆撃機用途にも用いる事ができます。ちなみに爆弾は高精度誘導爆弾の他、有効爆発圏が重ならないように相互調整して落下するタイプもあります。もちろんクラスター弾頭型も」


ジーナ「で、推進装置は」


クリス「M型とC型で大きく変わります。動力炉が熱核融合反応型なのが通常タイプのC型系統で、本編に出てきたM型が高価な理由の半分くらいが多重空間対消滅外燃機関、早い話がMIDIと同じ推進システムを採用したせいです」


クリス「で、M型もC型も推進機はフルICD/Gと言いたいところですが、本編でジーナさんが言っていた境界層制御装置を滑空時や揚力確保が必要な時は補助的に使用しています。基本的に発熱量が低いので冷却システムは小さくて済んでいます。これを主翼付け根付近にマウント。境界層制御エンジンのインテークは上側主翼付け根部上面についています。真正面から見るとハンドレページ・ビクターに見えなくもない模様。境界層制御は上側主翼のみで下側主翼には効かないそうです。で…」


ジーナ「そうなんよ。この機材最大の変態要素が複葉機。何でこうなったんや…」


クリス「天の声の趣味か、NB設計者が英国面に堕ちたかは不明ですが、空母から飛び立つ複葉機がやりたかったそうです…ま、真面目に言いますとアークロイヤルに積む際に片幅50m近いグライダーまがいの主翼が邪魔になるから上手く畳み、かつ空中展開しやすい方法はないか検討した結果、ああなったと…」


ジーナ「主翼の展開方法、ふた通りあると聞いたが」


クリス「一つめは、そのまままっすぐ横に滑らせて、最後に根元のアームで引き上げる方法。飛行中は外側主翼が上を向きすぎないように大気の希薄な場所でやる必要がありますね」


ジーナ「もう一つは、確かあたしがやった方法か」


クリス「多分そうです。大気圏内で展開する場合、付け根を基準にして下側主翼を45度くらい下に倒します。で、XB-70バルキリーの主翼折り曲げに近い感じの位置まで付け根部を上側主翼下面のスライドレールに這わせて移動。続いて機首下げして大気圧も利用しながら正規位置まで下側主翼を引き上げます。そして上側主翼先端部の内部補強桁材兼連結器を下側主翼内部に向かって差し込んで連結して完了ですね」


ジーナ「なんか聞くだけで失速要素が最低でも2つはあるんやけどな…主翼面積が大幅に変わるとか垂直尾翼要素が加わるとか」


クリス「だから大気が安定していて晴天乱流の危険の低い成層圏でないと、主翼を出すのも引きこむのも無理なのです…まぁ最後の手段として高度100メートルくらいでICD/Gを使って無理やり静止して収納や展開を行う方法もありますが、風速5m以下だったかな、とにかく無風に近い状態で行うべしとマニュアルに…」


ジーナ「何でこうなったあああ」


クリス「実は宇宙空間で翼を出すの前提なんですよ、これ。旧ソビエト連邦方式のポーポイジングを多用する方法を使うのでかなり時間をかけないとだめなんですが、一応大気圏突入機能あります。あとバックシェル…オプションで胴体上面に付ける膨らみの中から高高度まで上昇するための巨大風船を展開することで楽に大気圏離脱できますので」


ジーナ「完璧に制空権押さえて使う飛行機やな」


クリス「ええ。もちろんです。普通なら的ですから。あと、水上機まがいの使い方はもちろん、長時間滞空機能を活かして対地偵察・観測や、逆に大気の希薄な高空から宇宙空間観測を行うタイプもあります」


ジーナ「クリスくん。あたし思ったのだが、まさかこれ、聖院世界での使用前提で考えて開発してないよな?よな」


クリス「いや、まさかそんな、一機五千億円は言い過ぎとしても四千億円はする筈なんで…」


ジーナ「ちなみに21世紀の皆様。フォード級空母が1兆4500億円ですが、これは新技術の開発費を含んでいます。量産されている艦の場合、CVN-76ロナルド・レーガンが艦載機抜きで3600億円くらいですね。」


クリス「あ、C型の場合はM型より安いですよ…と言ってもフルICD/G推進システムや、境界層制御装置などを採用していますので、実は本編に出たVIP用超音速機より高価だったりします」


ジーナ「A380辺りなら3機は買えそうな…」


クリス「あと裏話。元素単位で生み出したら原材料コストって発生するでしょうか(笑み)」


ジーナ「まーさーかー」


クリス「それに多重空間対消滅外燃機関、MIDIと同じタイプの動力源ですね…()()出来れば、費用は発生するのでしょうか…」


ジーナ「…そうと分かればもっと気楽に飛ばしたかったわ!あれ飛ばす緊張感は壮絶なもんがあんねんで!」


クリス「まぁ、バンシーやババヤガーと違ってエンジン推力やICD推進力で強引にねじ伏せたり大機動をする訳に行きませんからねぇ」


ジーナ「M型で主翼伸ばした時が特にヤバい。複葉時の許容ロール角度は45度近くあるが、単葉モード時は30度未満。推奨値20度未満。最大仰角積載状況によりますが、プラス20度マイナス10度未満とかクソふざけた数字が並びまくってます。正直モーターグライダーを操縦する方がまだマシです」


クリス「恐ろしい話を。水上に着水する場合、ボーポイジング防止のために失速ぎりぎりまで速度を落としてVTOLモードで降ろす事が推奨。更に波高2m未満を強く推奨」


ジーナ「この数字はM型のですよー。C型は陸上運用機ですからねー」


クリス「そうです、M型とG型は水上機運用が可能なんですよ」


ジーナ「あと、カリブ海編から登場しますがG型について。そもそもスケアクロウ自体がかなり大型の機体なので、いくら全長700メートル、最大幅150mを超えるアークロイヤル級でも、スケアクロウを積むのはめんどくさいのです。スケアクロウ運用能力重視艦として改修された後のレパルスでも6機を格納庫積載するのが精一杯です。いわんや、大体アメリカ合衆国の原子力空母サイズ…マラッカマックスを基準に考えられているテンプレス級だと飛行甲板係留搭載推奨だったりします」


クリス「そして、スケアクロウは超音速飛行できません。この足の遅さや大きさのデメリットが部隊展開速度に影響があるということで、G型が開発されました」


ジーナ「具体的な改良点は、ICD/Gがスティックス・ドライブレベル4対応になります。つまり、スケアクロウ単体で連邦地球やNBと、痴女皇国or聖院世界とを往来できるようになります」


クリス「その代わりに恒星間超光速航行用航宙船扱いになりますから、本当はジーナさん以外は航宙船員資格がもごもごごほげほ」


ジーナ「更に、スティックス・ドライブ機能を使う場合は正副操縦士2名に加えて航空機関士と航法士席に操作履修者を搭乗させる事が必須になっちゃうんですよ。飛ばすだけなら最悪1名だけでもなんとか出来なくなはないのですが、最低でも2名は乗って飛ばすように出来ていますので…」


クリス「そんなスケアクロウですが、多くの人数や貨物を積めたり、ある程度の攻撃力を持っていますので今後とも聖院世界シリーズに出てくることは多いと思います」


ジーナ(操縦が死ぬほどめんどくさいから、出来たら出して欲しくな…げほっげほっ!)

ジーナ「ちなみに機体諸元詳細は細かく定めていないが、ものすごく乱暴に言うと全長50m前後、全幅が複葉モード時で50m、問題の単葉モード時に100m近くまで広がる模様。ふざけんな」


クリス「ものすごく大きいロッキードU-2偵察機まんまの操縦性らしいです。いや、あれよりもっと悪いか…」


ジーナ「そんな変態飛行機ですが、聖院世界シリーズではR18版も含めて登場シーンは結構多いです」

https://novel18.syosetu.com/xs7167a/


クリス「なんだかんだ言って、かなり積載量多いですし、それに水上離着陸能力があるのは、まさに聖院湖での運用を考えた模様」


ジーナ「もっとも、日本の変態飛行艇ほど荒い波での運用はできませんけどね…」


クリス「とりあえず今後の本編では、恒星間超光速…というより瞬間移動も可能なG型が多く運用されていきます。聖院の13号機同様、痴女皇国の11号機はNBに送られてM型からG型に改造されますよ」


ジーナ「では聖院世界シリーズ本編でまた、お会いしましょう!」

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