表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄金王の花嫁 season2  作者: かや
6/19

6. 義賊事件2



屋根の上に降り立った彼女を見つけると、蒼い影は「ちょうどいいや」と呟いた。


「皆!そして、この光景を正義の眼でご覧になっている国王陛下!今ここに宣言する!僕らは、悪を為して私腹を肥やす者達から奪う!」


盗賊が言葉を切り、後ろを取ったまま動かない伝令官を振り返った。


「僕らのしていることは誰が見ても“悪”だ」


蒼い影となって姿を隠した彼は今や、アルフィミィの耳を、目を通して、黄金要塞の王に話しかけている。

彼の意志を敏く見通した伝令官は、あえて動こうとしなかった。


「だが僕らには、僕らの信じる大義がある。僕らが動く事で、この愛すべき街に巣食う害虫共に、黄金王の正義の剣が及ぶのを願ってやまない」


王が唇を噛む。

返答を待つかのように佇む盗賊に、伝えねばならぬ。

アルフィミィが小さく頷いた。


アルフレッドはベッドサイドの抽斗から取り出した魔導具に魔力を通し、伝令官に魔法の伝言メッセージを送る。


「黄金王よりの問いを伝えましょう、蒼き影よ。諸君が諸君の信ずる大義に従って盗みを行い、そして先刻の言葉に、嘘偽りは欠片も無いか?」


王はケネス翁とともに、極度に緊張したまま映像を──盗賊の反応を注視する。


「誓って、偽りは無い」


盗賊は言った。

言葉をかみしめるように、誓って見せた。


「僕らは一度たりとも、善き人から奪う事はしない。凡百の盗賊でなく!弱きを助け強きを挫く、心ある義賊として振る舞うと誓う!黄金王よ、僕らは挑み続ける──止められるならば止めてみたまえ!」


蒼い影は宣言を終えると、集まった人々に次の約束を伝え、素早く姿を消した。


アルフィミィに急ぎ帰還するよう伝え、魔導具を置く。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ