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1. プロローグ
黄金。
それは宝石のように研磨する必要が無く
高品位な偽物を作る事も出来ない優れた逸品。
未だに知られざる宝は世界に溢れ
人々を虜にして止まぬが…
これ程までに人々の欲望を呼び寄せ
時に狂わせさえする瑞宝は他にあるまい。
災いを呼び、争いを引き起こす妖しき輝きを
それでも求める者は尽きぬ。
ましてや、産出国の王ともなれば
理不尽な災難が付きものである。
商業都市国家コルトシュタイン。
中央大陸で随一と言われる金鉱山で栄えた小国。
そこの黄金の冠を引き継いだアルフレッド新国王は
早速、治世の難しさを知る事になる。
