テスト勉強は必要ですよ
そうして俺らは成瀬先輩を下駄箱で待つことにした。
しばらくして成瀬先輩が重い足取りでこちらに来た。
「あう·····あう·····」
見た感じ先生にそうとう言われたのだろう。
「な、成瀬先輩!?大丈夫ですかっ!?」
「う〜·····さくちゃんどうしよぉ·····私このままだと大学どころか卒業も危ういって·····」
成瀬先輩は咲良ちゃんに泣きつく。パッと見どっちが先輩かわからない構図になっている。
「2年から3年に進級するのもギリギリだったからそりゃそうっすよね〜」
「うわーん!上澤くんのいじわるっ!」
「でもテストまであと1週間っすよ。どうするんすか」
おい。ちょっと待て。テストまであと1週間·····?
「上澤くん·····テストまであと1週間って言ったか·····?」
「そうっすよ〜。でも長瀬先輩転校してきたばっかっすもんね。最初のテストぐらい考慮してくれるんじゃないっすか?」
「いや。そんな甘えた考えは駄目だ!俺は絶対学年上位になるっ!そうだ。美術部のみなさん。この1週間は放課後美術室で毎日勉強するのはどうだ!?みんなでやれば勉強もはかどると思うぞ!」
「負けず嫌いなところまでおれおもの蒼くんそっくりっすね·····自分は賛成っすよ。僕も成績いい方じゃないっすから」
「おぉ!良いですね!ナイスアイデアです!私もお供しますよ〜!」
成瀬先輩に視線が集まる。
「わ、私は大丈夫かな〜·····家に帰ってやることいっぱいあるし〜·····」
「どうせやることってアニメ鑑賞とゲームっすよね」
「うっ·····」
「成瀬先輩が来てない間に3人で絆深めちゃいますよ!」
「うぅ·····」
上澤くんと咲良ちゃんは完全に成瀬先輩の扱いをわかっている。
「決まりだな!よし。美術部みんなで好成績を目指すぞ!」
■
次の日の放課後、俺らは早速勉強をはじめた。
「わからない·····どうしよう·····本当になにもわからない·····このままいっその事記憶喪失になってくれないかな·····」
「成瀬先輩完全に壊れてるな·····」
「でも成瀬先輩が机に向かってるだけですごいっすよ」
「ちなみにだがこの美術部の学力はどんな感じなんだ?」
「九ノ瀬先輩が1番頭良いっすよ」
かなり以外な返事だった。正直咲良ちゃんもおバカだと思っていたから驚いてしまった。
咲良ちゃんを見ると俺と上澤くんの会話を聞いていたのかドヤ顔でこっちを見ている。
「はっはっは!そうなんです!実は私賢いんです!蒼くんと渡り合えるぐらいの女になるため日々精進してました!蒼くんが頭いいなら私も頭良くならないとですよね!」
俺ガチ勢すぎてびっくりだわ!でもそこまで言われるとすごいプレッシャーだぞ!?来週のテストの成績悪かったら幻滅されちゃうかもしれないじゃん!
ブックマークが10件行きました!夢の10件!すごい嬉しいです。いつもありがとうございます。これからも描きますよ!とりあえずブックマーク100件を目標で!良ければ評価、レビュー、☆5よろしくお願いします。