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同担拒否のガチ恋です!

そしてその日は大人しく家であろう場所に帰ることにした。

 咲良ちゃんとLimeを交換し連絡を取り合う。

 

 『咲良ちゃん今日はありがとう。ちゃんと送れてるかな?』

 

 ピコンッ!

 返信が秒で帰ってきた。

 

 『はい!ちゃんと届いてますよ!蒼くんが私宛に送ってくれたメッセージ!私の事考えてメッセージ送ってくれたんですよね!?ありがとうございます!蒼くんはLimeのアイコン犬なんですね!蒼くん本人のみならずアイコンのセンスまでかわいいです!まあ私のLimeのアイコンの方がかわいいですけどね!』

 

 ちなみに咲良ちゃんのLimeのアイコンは俺だ。

 アイコンには触れないで返信するとしよう。

 

『届いてるか!良かった!そういえば今日学校無断で休んじゃったけど俺ら大丈夫か·····?』

 

 『大丈夫です!私が学校に連絡しときました!それはそうと明日は蒼くん初登校日ですね·····!ちゃんと制服は着崩して来てくださいね!明日も早いんでもう寝ましょう!』

 

 『おう。心配してくれてありがと。また明日な。おやすみ』

 

 

 「さてと」

 

 俺はスマホを充電し布団の中に潜った。

 

 なんで俺はこの世界に来てしまったのか。俺は二次元の住人なのか。こんな漫画みたいな話有り得るのか。

 

 俺は窓の外の満月を見て咲良ちゃんと話したことを思い出した。

 

 莉々と俺は付き合えない運命。それは最初から決まっていたこと。

 

 莉々と付き合う為にこんなに努力したのに·····。ずっとずっと莉々のことが好きなのは俺なのに·····。振られた上にこんなよく分からない世界に放り出されて·····。

 

 「だめだ。もう寝よう」

 

 俺は考えるのをやめて目をつぶりそのまま眠りについた。

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 「んっ·····ん〜·····。」

 

 朝になり俺は大きく伸びをした。

 

 「元の世界に戻ってるってことは·····ないな」

 

 寝て起きたらわんちゃん元の世界に戻ってるんじゃないかと思ったがそんなことはもちろんなかった。

 

 俺は起き上がり慣れない手つきで髪の毛のセットをし制服に着替えた。

 

 「こんな格好完全にDQNじゃねえか·····」

 

 自分の格好にちょっと恥ずかしさを感じつつも咲良ちゃんにあんなに忠告されたのでこの格好で学校に向かうことにした。

 

 今日こそスマホを起動して地図アプリで美空学園を目指す。

 

 住宅街を抜けて信号を渡り大通りに出る。

 

 すると大通りに大きな電光掲示板が見えた。

 

 『私。隼くんのことが大好き。』

 

 「莉々·····!?」

 

 電光掲示板に莉々がでかでかと表示されたもんだから思わず声に出してしまった。

 そんな俺の横で女子中学生らしき2人組が喋る声が聞こえる。

 

 「うわ〜!おれおもの莉々ちゃんだ!かわい〜」

 「ほんとだ!やっぱおれおもCPと言ったら莉々ちゃんと隼くんでしょー!」

 

 うっ·····。これが世間の反応か·····。莉々と大野が付き合うことが世間の求めてる事なのか·····!

 それにしても本当に人気なんだな。俺らが出てくるこの作品。俺もアニメ見てみようかな。いや·····俺が振られるシーンとか出てくるって考えるとキツいものがあるからやめておこう。

 

 そんなこんなで学校についた俺は先生に案内されて2年D組に連れてこられた。

 

 教室から担任の先生であろう声が聞こえてくる。

 

 「今日は転校生が来ています!みんな仲良くしてあげてね!」

 

 そして担任が俺にアイコンタクトを送った。

 教室に入ってこいってことか。俺は転校なんて初めてするから緊張する。

 

 「じゃあ·····自己紹介お願いできる?」

 

 「あ、はい。えっと·····柊木·····じゃなくて長瀬蒼です。よろしくお願いします」

 

 「ありがとう長瀬くん。それじゃあ長瀬くんの席は1番後ろの窓側の·····あそこ!九ノ瀬さんの隣だから」

 

 ん?先生今九ノ瀬って言いました?もしかして、いやもしかしなくてもあの九ノ瀬·····?

 

 俺は足早に自分の席に向かって隣の人の顔を確認するとデレっとした顔の咲良ちゃんがいた。

 

 「はああああああ。蒼くんと学校のみならずクラスまで一緒だなんて私は前世でどんな良い行いをしたのでしょうか·····幸せすぎて昇天しそうです·····ああ·····」

 

 「おいなんだその顔は·····!今まで見た中で1番やばい顔してるぞ!?」

 

 「えへへ·····私今幸せを噛み締めてるんです·····もう死んでもいい·····」

 

 すると突然俺と咲良ちゃんが一緒に話しているところに1人の女の子がやってきた。

 

 「九ノ瀬さ〜ぁん♡おはようっ♡なんか今日の朝からずぅっとニヤニヤしてるけどどうしたの?」

 

 「も、桃瀬(ももせ)さん·····お、おはようございます·····本日もいい天気ですね·····」

 

 桃瀬という人は小柄な子でツインテール。俺が言うのもなんだがアニメに出てきそうな萌え声。今どきでいう量産型女子みたいなやつか?

 そして何よりも咲良ちゃんがダラダラと冷や汗をかいている。この女何者だ?

 

 「まぁそれはいいとしておれおもの最新話見た?蒼くんが莉々ちゃんに振られるシーン!あ、まだ見てなかったらごめんね?ネタバレしに来た訳じゃないんだよ?」

 

 「見てますけど·····それがどうしたんですか?」

 

 「は?見てんのかよ」

 

 怖ぇ!さっきまで萌え声だったじゃねえか!なんだ今のどす黒い声は!

 咲良ちゃんは引きつった笑顔で「あはは·····」と言っている。そんな咲良ちゃんはよそに桃瀬さんは続けた。

 

 「そっかそっかぁ。だったら話は早いね♪」

 

 桃瀬さんはわざとらしく咲良ちゃんに顔を近ずけて言った。

 

 「いい加減蒼くんの担任降りてくれない?今回の話でよーくわかったでしょ?蒼くんとめるが付き合ってるって」

 

 は?なにを言ってるんだこの子は。頭でも打ったか?

 なんで俺が莉々に振られたからってこの子と付き合ってることになってんだ?だいたい俺はこの子のことはじめて知ったんだが?

 

 「え〜っと·····前も言いましたが蒼くんはみんなの蒼くんですよ·····とりあえず落ち着きましょ?はい!吸って〜吐いて〜·····」

 

 咲良ちゃんが必死に和解を求める。しかし桃瀬さんは止まらない。

 

 「え、九ノ瀬さん大丈夫?落ち着いた方がいいのは九ノ瀬さんの方でしょ?そんなんだから盲目ファンだって言われちゃうんだよ?いい加減現実見て次の推し探せば?蒼くんはめるのものだから!これ以上蒼くんのグッズ集めないでね?♡」

 

 「も、桃瀬さん授業始まりますよ。席に着きましょう!さあさあ戻ってくださいな」

 

 「ふんっ」

 

 桃瀬さんは行ってしまった。

 

 「あの〜·····咲良ちゃん。あの人はなに?」

 

 俺は恐る恐る咲良ちゃんに尋ねる。

 

 「あの方は桃瀬めるさん。桃瀬さんはいわゆる蒼くんの同担拒否でありリア恋です。簡単に説明すると蒼くんのことを推してる人が嫌な人なんですよね」

 

 俺も釣られて冷や汗をかく。

 

 「俺·····この世界ではひょっとして有名人ってだけじゃなくモテモテでもあるのか?」

 

 「ひょっとしなくてもそうですね·····」

 

 

とうとう3話目の投稿です!新しいキャラも加わり面白くなりそうですね!良ければブックマーク、評価、レビューお願いします!

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