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Dmmerung des tiefen roten Mondes  作者: 月猫
3/23

新たな任務

―――翌日。

俺は、イヅミからの念話によっておこされた。


―ブラッド、起きているか?―

―たった今起きましたが…―

―済まないが、至急私の部屋に来てくれないか?―

―分りました―


珍しく、イヅミからの呼び出し。

30分で準備を終わらし、イヅミの待つ部屋へ向かった。

部屋をノックし「失礼します」と言って部屋へ入る。


「あなたが俺を呼び出すなんて珍しいな」


そう軽口を叩くぐらい、許されることだろう。

なんせ、眠りを妨げられたのだから。


「そう言うな。新しい任務が入っている」

「新しい任務、か」


予想はできていたため、「やはりそうか」と呟く。


「で、任務の内容と依頼主は?」

「学園潜入だ。依頼主はシェリア学園の学園長だ」

「また、学園長が何故俺を?」

「犯行予告があったそうだ。『悪魔族(デーモン)の我が同胞、イリア・カーティスの解放を行わなければ学園を血の海にしてやる』というな。その犯行予告を行った者を特定し、排除することが、お前に与えられた任務だ」

「分かった。で、いつから学園に通えば良い?」

「一週間後の今日だ」

「了解」


俺はイヅミに頭を下げ、イヅミの部屋を後にした。

転移で自室に戻れば、ソファに座り俺は頭で作戦を考えた。

―――シェリア学園。

生徒数200名前後、教師数50名と言われる程有名な私立の名門校。

偏差値が異常なほど高く、それ故に人気も高い。

毎年、受験者数が1000人を超えるという人気っぷりだ。

まず、筆記試験で受験者数の三割を落とし、実技試験で残った受験者数の四割を落とし、そして最大の難関である面接で残った受験者数のほぼ半数を落とすといわれている。

筆記試験、実技試験、面接どれをとっても非常に難しい、と言われている名門校。

その名門校に一週間後に通おうというのだ。

そもそも、ブラッド自身、頭は良い方の部類に入るが、あえてそれを見せない。

本気を出すのは面倒なのだ。

普段勉強はしないし、休んだとしても少しの復習で分かる。

確か、シェリア学園には、アリエルが通っていたはずだ。

…だが、アリエルと知り合いという設定にしたら、後々俺が動きづらくなってきそうだな。


「アリエルは、人気者だからな」


そうブラッドは寂しそうに呟くものの、一瞬後には元の表情に戻っていた。

あまり、得策とは言えない作戦が頭にの中に浮かんでは消えていった。

何分か悩み、ふとある作戦が思い浮かんだ。


その作戦とは…

普段通りにすることだった。

だが、吸血鬼特有の紅い翼は隠さないといけないし、魔力も抑えなければいけない。

左手の薬指にシンプルなデザインの指輪をはめており、それが、膨大な魔力を抑えるストッパーになっている。

その指輪を外すことはここ数年の間はない。

それに、今の姿は本来の姿を隠すために作られた姿なのだ。

最上級の魔法も詠唱破棄で普通に出来るし、古代魔法も出来る。

それに、初級魔法に魔力を沢山詰め込み威力を何倍にでも膨れ上がらせることだって出来はする。

……が、そんなことを学園内でそんなことをしてみろ、即座に「帝」だとバレテしまう。

古代魔法が使えるのは、この世で帝だけなのだ。

ま、学園入学まであと一週間。適当に過ごすさ。

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