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Dmmerung des tiefen roten Mondes  作者: 月猫
20/23

異変後の世界

―クロイ、こっちは片付いた。これからそこへ戻る―


そうブラッドはクロイに念話を飛ばす

数分の空白の後、クロイから返事が返ってくる。


―そうか、やはり…―


―あぁ、クロイの予想通りのアイツだ―


―そうか…―


―詳しくはそっちについてから話す。他の帝たちはまだいるか?―


―…………あぁ、いる―


―了解―


そう言えば、念話を終了させる。


「ふたりとも、まだ付き合ってもらうぞ?」


リンとトキは頷く。

いつの間にやら、フードが取れている。そのフードを目深に被り直す。念のために、会議室の中に入ると、詠唱破棄で転移と呟くと、光の粒子がブラッドを包み込み、目映い光を残してブラッドは会議室内から消えた。


リーズの街のギルド内にあるギルドマスターの部屋に転移で戻ってくる。


「…………っ!!」

「イヅミさん、ビックリさせてすいません」


それだけ言うとクロイがいるであろう会議室へと向かう。


「…ったく、後で説明してもらうからな」


ブラッドがいなくなったギルドマスター室でそう呟くイヅミであった。

会議室前まで来ると、軽くノックした後扉を開く。

すると、中にいたのは全員の帝。誰一人として欠けることなくいたのには吃驚した。


「さて、リースの街のギルドで起こった一連の事件について説明する」


そうブラッドが言うと今までざわついていたのが一気に静まり返る。皆知りたいのだ。あそこで何があったのかを


「結論からいえば、リース街のギルドを襲った犯人は犯人は、ヴェーダだ。因みに、今ヴェーダは、この中だ」


そう言って、光の魔球を出し、その中の闇の球体の中にいるヴェーダの姿を映し出す。


「俺が、闇の球体を光の球体を包んだ。…皆には黙っていたが、俺もクローネ同様、闇に生ける者(デビル)を統括できる立場にいる。もちろん、クロイとは違う立場でだがな」


そんなことをサラリと言ってのけるブラッド。

クロイは勿論、その事実を知る者はいなかったため、絶句していた。


「ま、闇に生ける者(デビル)を統括するのは世襲制だからな、俺は出来ない。まぁ、できたとしても丁重にお断りするがな」


ニヤリとした笑みを浮かべてそういうブラッド。


「それで、だ。ブラッド。そいつはどうするつもりだ?」


ヴェーダがいる球体を指差しながら言うクロイ。


「……、クローネに預けようかと思っているが。あいつなら、永遠にこの球体に閉じ込めておくことも可能だし、奴隷のようにコキ使うことも可能だからな。」

「分かった」

「それから」とブラッドは続ける。

「ギルド内は血の匂いが酷かったから、ギルド内清掃しといたからな、リーク」

「あ、あぁ。ありがとう」

「気にするな。済まんな、俺がいながらギルド内の人間全てを死なせてしまって。もう少し早く分かっていれば……」


そう申し訳なさそうに、悔しそうにいうブラッド。


「い、いえ、そんな…。確かにギルド内の人間全て失ってしまったのは辛いですが、創帝が謝られることはないです。それに、会議中は外部の音を一切遮断していたんですから、仕方ないです。それに、一度失った人間を蘇らせることは出来ないんですから…」


そう、リークは言う。

リークは分かっているのだ。その方法があることを。そしてそれをブラッドが好まないことを。理由は知らないし、聞いたこともない。リークが自ら故郷に別れを告げた理由をブラッドが聞かないように、リークも聞かないようにしているのだ。


「…ありがとう、リーク。さて、最後に質問はないか?」


手が挙がらない。


「さて、質問もないようなら、これにて帝会議を閉廷する。みんなお疲れ様!」


そうブラッドが言うと、帝たちは転移で自分たちの持ち場へ戻っていく。

皆が帰ったのを確認すると、一息つく。


「やっと終わった…、疲れた…」


そう言って会議室内にある椅子に腰かけるブラッド。

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