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Dmmerung des tiefen roten Mondes  作者: 月猫
16/23

帝会議開始

模擬戦の翌日。


今日は、年に一度の「帝会議」の為、学園は欠席。

…だが、公欠扱い。

本当は、昨日、模擬戦が終わって学園内にある闘技場(アリーナ)から転移で帰ろうとした時にヒズミに「特訓してくれないか?」と言われたのだが、明日以降は難しいと答えた。

すると、「だったら今日は?」と言われたので、それも断った。

昨日部屋に帰ってから、今日の帝会議の為の隣町にあるギルドへ行かなければいけなかったから。

とりあえず、ヒズミには時間ができたら連絡する、と言っておいた。

帝会議は、何時に終わるかさえ見当が付かない。

サージェスには、俺が創帝だとバレているようだったので念話で「会議が入っているから休みます。もし、早く終われそうなら学園に行きますが、あまり期待はしないでください。それから、体調不良ということにしておいてください。すいませんが、宜しくお願いしますね」と言っておいた。

帝会議とは、全国にいる帝が年に一度ギルド内にある会議室に集まり、情報の交換や議題があればそれについて話し合う会議の総称だ。各帝を統べるのが創帝、つまりはブラッドだ。

今年の会議の場所はウィンズリー地方のリースという村でやる。

リースにはギルドの仕事や息抜きに幾度となく訪れている。もちろん、リース村は、ブラッドが住まう街、リーズの隣の村だ。


朝。


起きると準備を30分で終わらせると、紅色のローブを目深に被る。

「転移」と呟くと、光の粒子がブラッドを包み込み、ブラッドが寮の自室から消える。

降り立った場所は、ウィザースの森近くだ。ウィザースの森を通った方が近い。

…が、間違った道を抜けると、棄てた故郷に繋がってしまう可能性もある。

未だ、ブラッドはそんな試しは一度もない。

リース村まで後数十メートルのところでローブのフードを目深に被り直すと、リース村へと入っていく。

ブラッドは紅いローブをはおりフードを目深に被りリース村をギルドに向かって歩いていた。

ちなみに、帝の数は創帝を抜かせば魔帝、神帝、雷帝、氷帝、水帝、風帝、地帝、炎帝、獣帝の9名。

それぞれの帝にはローブを支給しており、そのローブの色は決まっている。

魔帝は漆黒のローブ、神帝は虹色のローブ、雷帝は黄色のローブ、氷帝は蒼色のローブ、水帝は青色のローブ、風帝は深緑色のローブ、地帝は土色のローブ、炎帝は朱色のローブ、獣帝は茶色のローブをそれぞれ羽織っている。


数分後にはリース村にあるギルドに辿り着いていた。

ギルド内には見知った顔が一人、見知らぬ顔が一人いたが、見知った顔の人物、マリア・キル・ソルリエールに声を掛けてそのまま会議室へと入る。

会議室には、獣帝のリーク・イア・ファンタジア、炎帝のクロス・カイ・クラナード、氷帝のアイス・フリード・クルール、地帝のレアル・リ・クアトロ、風帝のアイリス・エル・クロース、雷帝のクロム・リリ・クラフト、神帝のプラム・リアナ・フルール、魔帝のクラム・サザンカ・クロイツェルが既に揃っていた。


「後は、水帝だけ、か」


そうブラッドが呟きながら入った瞬間に水帝のクロック・サウス・レナードが会議室に到着し、席に座る。

水帝が席に座ったのを確認するとブラッドも席に座る。

この会議室には防音魔法サウンドレスマジック閉鎖魔法クローズダウンマジックを施してある為に会議室内の声は外部に漏れない。またその逆も然りだ。


「おはよう、みんな。フードを取ってくれないか?」


そうブラッドが言うと自ら先にフードを取る。

すると、他の帝たちも次々にフードを外していく。全員がフードを外し終えたのを確認する。


「これから、帝会議を始める」


そう凛とした声で言い放った。

ブラッドがそういうと、ざわついていたのが一瞬にして静まった。


「最近、何か変わったことはおきていないか?」


雷帝が手を挙げる。


「クロム、なんだ?」

「変わったこと、と言えば、俺が見ているウェルディオン地方にあるリリーという田舎町が最近何者かによって滅ぼされました」


雷帝がそう言ったのを皮切りに、他の帝たちも口々に報告していく。

次に手を挙げたのは氷帝だ。

氷帝に顔を向け頷く。


「……水の都、イリアナもダメね」

「そう、か…、他の者たちはどうだ?」


そう皆の顔を見回しながら言うと、他の帝たちはただ黙って首を振る。


「分かった。これ以上被害を出さない為にも早急に手を打つ必要があるな…」


各帝たちの使い魔はそれぞれ2匹おり、その2匹が仲がいいのは勿論の事だが、それぞれの使い魔同士仲が良い。

そんな時に魔帝のクロイツェルがブラッドに案を出す


「創帝、各帝たちの使い魔を1匹ずつ出し、その者たちに手を打たせるのはどうでしょうか?」

「…、そうだな。これ以上被害を増やさない為にもそうするほかはなさそうだ。各帝に告ぐ。それぞれの使い魔を一匹ずつ出し合って滅ぼされたイリアナとリリーに行かせる事にする」


その提案に全員の帝が賛成する。


「では、この会議が終了次第、滅ぼされた都市に行かせようか」


そうブラッドが言うと、各帝たちが賛成の意を示す。


「では、会議を続ける。」

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