試験合否
ブラッドは、取っていたフードを目深に被り直すと転移でギルド前まで行く。
ブラッドがギルド前に着くと、ランクSとSSの者が入り混じってしゃべっていた。
ブラッドは一つ息を吐いた
「静かに。受験生の皆さん、昇級試験お疲れ様でした。合否の有無を確認したいので、ランクSの試験を受けた人はギルドマスターのところにランクSSの試験を受けた人は、俺の前に集まってください」
ブラッドがそう言うと、急に静まり返り、その言葉に従う、受験生たち
ブラッドは、ランクSSの試験を受けた一人一人の前まで行き、そのものに手をかざして合否を確認する
―――数分後。
全員の合否確認が終わると、ランクSの合否確認も終えたようだ。
「これから、ランクS、ランクSSの合否を発表する。但し、不合格者しか呼ばないから、注意するように」
そうブラッドが言うと、ランクSから順次不合格者の名前を読み上げていく。
「……以上ランクS、30名中20前が不合格。次にランクSSの不合格者を発表する」
ランクSSの不合格者を順々に言っていく。何故不合格者の名前を読み上げるのかといえば、諦めないでまた挑戦してほしい、というブラッドの願いだったからだ。
単純にそれだけの理由だ。
「……以上ランクSS50名中、35名が不合格だ。不合格者はまた来月の試験で会おう。合格者はちょっと付いてきてくれ」
ブラッドはそれだけ言うとギルドの中に入っていく。不合格者のほとんどは帰ったが、ランクSの不合格者の一部はいまだに残っていた。
それだけ、ブラッドの素顔が見たいのだろう。事実、そういう奴が多数いるのはブラッド本人も知っている。…が、ブラッドはそういう輩を非常に嫌う。
ギルドに入る前に、ギルドマスターが事前にチェックする。そうして、合格者だけが入れたギルドでは、ブラッドが目深に被っていたフードを取っていた。
合格者の中にヒズミもいたので、ヒズミは驚きを隠せないようだった。
そんなヒズミを尻目に、ブラッドは挨拶をする。
「初めましての者、そうでない者がいると思うが、俺が創帝だ。二つ名は紅月の宵闇。俺の名前を知っているものも中に入ると思うが、この格好の時は、宵闇もしくは、創帝と呼んでくれ。それ以外の格好をしているときは、普段通りの呼び方で良い。これ以外の格好をしている時は間違っても、創帝とか宵闇とかいうなよ?俺はスルーするからな?それと、ギルドマスターから話があるらしい」
苦笑しながらそう一気に言い放てば、いつの間にか入って来ていたギルドマスターにバトンタッチする。
「今現在持っているギルドカードを私に今渡してください、明日以降になりますが、それぞれのランクのギルドカードがギルドから郵送で順次送られます。では、創帝のお話を最後までお聞きくださいね」
にこやかに言うと、ギルド内にいる受験生たちは、持っているギルドカードをギルドマスターに渡しに行く、全員渡し終えたところで、ギルドマスターは奥に消えていった
「それから、ランクSより下の者に俺の素顔を見たと話すのは別にかまわない。より上を目指してほしいからな。だが…俺を見て、『こいつが創帝だぜ?』とか俺の素性を調べあげて売買したり教えたりするのは禁止だ。勿論、ランクSの不合格者で俺の素顔を見ようとするやつはもってのほかだけどな」
此処まで一気に言うと、なにやら思い出したのかブラッドは怒りのオーラを纏っていた。
「ま、そんな事はしないと信じているが、実際に以前いたからな。まぁ、そいつはギルドカードを剥奪し、10年はギルドから仕事を受けられないようにしたが。10年後、またギルドの昇級試験を受ける時はどんなに実力があっても、一番下のランクEからやり直さないといけないから大変だぜ。そんなことになりたくなければやらないこと。俺に嫌われるのは損だぜ?」
少し気持ちを落ち着け息を吐きだした後、また一気に言い上げた。
そんなことがあったのは、今から約40年前のこと。そのころのギルドマスターは、未だイヅミではなかった。
イヅミは、40年前のギルドマスターの娘。今は、そのギルドマスターも亡くなってしまった。
話が終わったと思ったのか、帰ろうとする人が結構いた。そんな人にブラッドは声を掛ける。
「まだ、帰んなよ?次は、模擬戦するからな!」
ニヤリとした笑みを浮かべて言い放つブラッド。




