ローレン家のおてんば娘
問をくぐりリィは大きな声で帰還の報告をする。
「リィよ!!帰ってきたわ!!」
その声に反応し門が開く。それと同時に足音もきこえてくる。
3人ほどのメイドさんが表れた三人のうちの中心に立っているメイド長さん?とでも呼ぼうか。
その人はリィに対して説教を始めた。しかし当の本人は聞く耳持たずで眠そうにあくびをしている。
「お嬢様!いったいどこに行かれていたのですか!最近は物騒になっているとあれほど言っているのに一日も姿を眩ますなんて!!本当にお嬢様には困ったものです。ついこの間は_____」
くどくど、という効果音が似合いそうに喋り続ける。
「聞いてますか!…おや?その隣にいる人は??」
メイド長は説教のことで頭がいっぱいだったようで周りに目がいかなかったらしい。
「こんにちは。僕はハルカと申します」
ニッコリと例えるなら営業スマイルで話し始める僕。
「紹介するわ!彼はハルカ。私が見込んだ男よ!」
「み、見込んだ男!?お嬢様…まさか」
あのーリィさん?その言い方は少し不味いというか何というか…
「ハルカは強いし、魔法も使えるし、料理は美味しいし、ふかふかのベッドで寝かせてくれるわ!」
最後!リィ!最後!!!
「ベッド、一日中いなかったお嬢様、連れて来た男」
ああ、メイド長が何やらぶつくさと物思いにふけっている。
その時だった。
「「「「「「「当主様のお帰りだ!!」」」」」」
大きな赤いワニ?いや象?謎の生物に引っ張られる車からいかにも身分の高そうな人が降りてきた。
雰囲気からできる男オーラがすごい。
「おお、わが娘よ!ただい__」
硬直する男、リィを娘と呼ぶということはお父さんなのだろう。
「あれがリィのお父さんか?」
「ええそうよ」
僕とリィの会話を聞いたリィパパの顔は真っ赤だった。
「リィ?呼び捨てだと?お父さん…?……」
あっ、ヤバい
「どこの誰かも知らん馬の骨に娘をやれるか!決闘だ!!!」
あーーなるほどなぁ。リィパパ親バカだぁ…。隣でリィは首をかしげているが。
............勘違いに勘違いで僕は決闘する事になりました。