ガルシア城下町①
俺は歩いている。久しぶりに人が賑わう、活発である町で。とても久しく感じる何せ、森に家を建てて自給自足ライフを送っていたのだから。
しかし、女の子と並んで歩くのは…なんか、その、いいな。うん、いい。なんかいい。
美少女だし、可愛いし。
「ハルカってホント不思議ね」
横を歩くリィが聞いてきた。
「ああ、さっきのプロフカード?ってやつ?」
時は小一時間程前に遡る
「あれは…?」
「検問所よ。城下町だから普通の町と違ってセキュリティが厳重なのよ」
なるほどなぁ、確かにその通りだ。
「怪しい奴とかが入らないようにするわけか」
「ええ、例えば王にあだなす不届き者とかね」
「完全に俺だねそれ…」
質問攻めになったらどうしよう。うまく切り抜けれる自信がない。
「次の者!!」
ダンディな検問管の声に呼ばれて前へ。
「プロフカードを提示しなさい。」
そう言われるとリィは手のひらを前に差し出し、[オープン]と唱えた。
すると、半透明なウィンドウが出てきた。
「ふむ、犯罪歴もないし、レッド判定もないようだね通ってよいぞ。隣のお兄さんも提示を頼むよ」
「は、はい[オープン]」
リィを真似てプロフカードを出した。
「…っ!す、すまないが、一つだけ質問してもよいか?」
ひぃ、質問攻めか!これはやばいぞ、いや、マジで。
「称号欄に エンドの後継者 とあるのだが…」
「エンド?何のことですか?久しぶりに開くから表示ミスかもしれないですね、多分、いや、絶対そうですよ!」
知らぬ存ぜぬで通すしかない!!
「まぁ、もしエンドの後継者が現れるとしたら君みたいな若い少年じゃないだろうしな。何よりエンドは大昔の伝説の魔女だからな…」
え?エンドってそんな大物なの?初知りなんだけど。確かにあの本のおかげですごい魔法を使えるようになったけども。
「犯罪歴もレッド判定もないし通す、余計なお世話かもしれないが忠告する。その表示ミスがある限りプロフカードを見せるのは控えた方が良いだろう」
「あ、はい。分かりました。それじゃあこれで」
「あれってホントに表示ミスなの?」
そんなリィの問いに
「どうだろうね??」
と濁すことしかできなかった。バレたら面倒くさくなりそうだ。
そんなこんなでリィと城下町を並んで歩く。