事情②
「この近くにガルシアっていう城下町があるんだけど_____」
この近くに町なんてあるのか。
今まで食って寝て狩りしての本能の赴くままに森に引きこもっていたから全然知らなかったな。……町か。どうしよう。めちゃくちゃ興味ある。
この森ライフも楽しかったけど、町で生活するのも便利かもなぁ…。あー、てか昨日寝るの遅くなったから少し眠いや。
「ちょっと、聞いてるの!?」
「うわ、ちょっ、近」
「大事な話なんだから聞いてなさいよね‼」
考え事してる時に急に近づかないでくれ…驚くし、何よりその前屈みは胸元が危ないし。
「ご、ごめんごめん。で、何の話だっけ?」
「ハルカが、ガルシア城に乗り込んで今の王を位から落とすことでしょ?」
「聞いてない!なんだその話!?」
いや、数分でどんな展開になってんだよ!もはや笑うわ!
「え?だってさっき頷いてたじゃない?」
船漕いじゃってただけなんだけどな~それは…。
「もう一回説明してくれる?」
「えっとね、まず、ガルシアには王を貴族や王族から選出する 優れた血 って意味の優血派と民から投票を募って代表を決めて王を選出する平等派があるの」
そういう時代なのかこっちの世界は、王族とか本の中でしか聞いたことないわ。いや、現実にもいたっけ??
「で、5年に一回王選挙があるんだけど、今の王が王族から選出されているせいで優血派が権力を使って民を脅しているの!これは許される行為ではないわ…」
ほうほう、つまり?
「だからとっても強いハルカに今の王ごと潰してもらおうと思って!」
「思っちゃったんかい!」
「思っちゃったわ!」
まさか、亜空間から抜け出して最初のイベントが王潰しなんて…
「お、お礼は…その…何でもするわ。兎にも角にもハルカみたいな強い人じゃないと頼めないの」
ん?今何でもするってry
.....................どうやら僕はテロリストになるらしいです。