叡智の書
叡智の書……?
僕はそれを拾い、ページを開いた。
最初のページには何やら解らない文字ばかりか書かれていた。
「読めるか!何語なのこれ!?」
もう、魔法で何とかするか……
「翻訳!」
……何も起こらない。っ!もしかして。僕は文字の上を指でなぞった。すると、日本語に変わった。ホントに便利な世界だな。
「えーと、なになに」
私の名はエンド。空間系魔法を得意とし、全ての魔法を使えし大賢者である。これを読んでいる者は選ばれし者となる。
「選ばれし者?」
まず、最初にこれを詠んでもらう。
「……[アグリメント]」
叡智の書が輝き始めた。そしてその光は徐々に終結して僕の首筋を駆けた。すると光はネックレスに実体化した。
「な、なんだこれ…取れない!」
どこからともなく声が聞こえる。
「あなたは選ばれた。エンドの後継者に。さぁ、ゲートを通って。こちらへ…」
目の前には紫と黒が混ざった。謎の空間的存在。圧倒的不審感。
しかし、僕の答えは一つだけだった。
……こんな場所にいつまでも居られるかぁ!!
目の前が真っ暗になると同時に風がざわめいた。
「なななな、あんまり風景変わんねぇ!森!川!…」
あんまり場所は変わってなかった。
「と、とりあえず…俺は何でも魔法使えるし、[建築!]」
すると、想像通りの小さな家が出来た。したいことを想像するだけで発動するとかチートにもほどがあんだろ…。
とりあえずは、休もう。
今日は疲れた。