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準備

依頼を受けた僕はアルメキア国へ___行く前に旅の準備ということでリィと一緒に街で必要なものを買うために街を歩いていた。


実はリィが俺に付いていくと言った時のボノムは生気の抜けたような表情をしていたのだがリィは気にしていない様子。

ひょっとして、ボノムの片思いなのか……??親バカすぎてリィはどうでもいいのかもしれない。

それにしても街は色々なもので溢れかえっていて、歩いてるだけでも目を奪われるものばかりだ。


「ハルカ、ハルカ‼ねぇ、聞いてるの?」

「ああ、ごめん聞いてなかった」

なんか前にもあったような。

「ハルカはいつも、私の話を……私そんなに魅力ないかしら…。」と呟いていたがハルカの耳には一切合切聞こえてなかった。


「旅の準備なら、ロックベルの雑貨屋がいいわ。こっちよ、付いてきて。」

リィはこの辺の店に詳しいようでドンドン道を進んでいく。

賑わう露店を抜け路地裏に入り……

「ここがロックベルの雑貨屋よ」

そこでハルカが目にしたのは壁。

「壁なんだけど」と、シンプルな感想が出た。それもそのはず、だって壁だもの。

「ロックベルは重度の人見知りだから簡単にお店に入れないように魔法で出口を隠してるの。」

それ、店として成立してるのか?

「どうやって入るんだ?」

「普通に入れるわよ。」

そう言うと、リィは壁の片側を押した。どうやら壁は回転ドアのような構造らしく簡単に入れた。


てっきり魔法とかで……とかかと思ってたけど割と普通だったな。扉をくぐると壁の中とは思えないほどの綺麗な店に着いた。

RPGゲーム等に出てきそうな家具の配置に、階段、武具なども扱っているらしい。触ったことすらない武器がたくさん飾ってある。


「いらっしゃい!……ってああ、ボノムさんとこの嬢ちゃん!と……ボーイフレンドかい?」

出てきたのは30前半……いや、20後半?若い人が出てきた。

「こんにちは、店主さん。」

店主らしい。若いのに凄いな…。てか、ボーイフレンドにはノータッチか……。ちょっと悲しいなぁ。

「また、悪巧みかい?」

と、店主。

「いいえ、今回は違うわ」

と、リィ。

なんだ、今回はって……。後で聞いてみよう。

「ボ、ボーイフレンドとアルメキア国に行くからその準備をしに来たのよ。」

お、触れてきた。顔赤らめるぐらいなら言わなくていいのに。


「あら、2人でアルメキアまで?ははーん……そうゆうことね…大船に乗ったつもりでいなさい。絶対に捕まるんじゃないよ!」


絶対勘違いしてるな。


勘違いで気合いの入った店主さんの誤解を解きながら旅に必要なものを買い、店を後にした。

ちなみにお金はローレン家に奢ってもらったりする。

貴族から払ってもらうとか何様だよ、俺。


「さぁ、ハルカ‼早く帰って買ったもの詰め込んでアルメキア国まで行くわよー‼」

「ああ、依頼だしな、それに旅なんて初めてで楽しみだ。」

と、浮き足で俺達はローレン家に帰って行った。







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