2/4
第0.5話
私が手をかざしている子猫から、淡い青い光が放たれている。
少し前に命を落としてしまって、動かなくなってしまった子猫。
私の家の前でぐったりとしていた。それを拾った時には、まだ少し温かかったのに。
「生き返らないよー!」
子猫にかざされた手はそのままに、脚だけでついつい、ジタバタともがいてしまう。
やっぱり、私には無理なんだろうか。
ネクロマンサーになるだなんて。
けれど、こっちにも引けない理由があるんだ。絶対ネクロマンサーになって──
「──お嬢様」
諦めそうになっていた自分を鼓舞していると、後ろから声が降ってきた。
「夕飯の支度ができましたけど………どうかなさいました?」
うちにいる執事(多分)の春崎 収が訝しげな顔をする。
私が慌てて猫を後ろに隠したからかな。
「な、なんでもないよ!」
「そうですか」
動揺して声が裏返ってしまったけど、収は特に興味もなさそうに言って、踵を返した。




