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名も無い英雄たちの物語  作者: 綺鳴 麗音
3/8

ちびっことの出会い

私は今ある街の酒場に来ている。何よりも今は情報が足りない。少年の仇を取るにも情報が必要だからな。

「ねーシオンー。何か聞けたー?」

そんなふうに陽気に話しかけてきたのは、

「私のストーカーである少年だ。」

「心の声が漏れてるしストーカーじゃないし。」

「実際勝手についてきているのだからストーカーも同然では?」

「うっ……」

「まぁ、情報を集めるには人手が必要だからな。期待しているぞ、少年。」

なぜか顔を赤くしている少年を放っておいて、情報収集を再開する。

なにかと情報を集めるのが便利なのは酒場だ。一日暇をしている奴から、仕事の癒しを求めて来るやつまで様々だからな。



だが、そこでも大した成果は得られなかった。

「うーん……やはり人探しは難しいな。」

「ねぇおねぇちゃん!」

「どうした? ちびっこ」

話しかけてきたのは見知らぬちびっこだった。

「どんな人を探してるの?」

このちびっこ、私たちの会話を聞いていたのか。まぁ、正直に答えよう。

「あぁ。私が殺すべき━━━」

「このおねぇちゃんはとても大事な人を探しているんだよ!!!」

急に少年が入り込んできた。さすがに驚いて少年を見ていると、

「さすがにこんな小さい子にそんな生々しいこと言っちゃだめだよ……」

と、小声で忠告してきた。

そういうものなのかと思って黙っていると、ちびっこが口を開いた。

「ふーん。そうなんだ。ところでおじさん誰?俺このおねぇちゃんと話してるんだけど。」

「おじさ……ぼ、僕一応このおねぇちゃんと同い年なんだけどなぁ……」

涙を浮かべ、笑いをこらえていたら、

「このおじさんがにらんでくるー! たすけて!」

と、ちびっこがわかりやすく少年を悪者にしていたので、さすがに怒ろうかと思ったら、

「こんの……エロガキが……羨ましいっ!」

と、ずれたことを言い始めたので、怒る気も失せた。

「して、ちびっこよ。話しかけてきたのは理由があるんだろう?」

「あ、うん。俺、旅をしたいんだ! で、人探しを手伝うから、俺も旅に連れてってほしいなって。」

「だめだ。」

即答だった。

「なんでさ!」

「当たり前だろう。すでに少年という足手まといを守るだけでも、少年よりも非力なちびっこを連れていけるわけがないだろう。」

少年が足手まといじゃないやいと叫んでいた気がするが、気のせいだろう。

「まぁ、守るという保証ができないが、勝手についてくるだけなら良しとしよう。」

「ほんと!?」

「まぁ、君な安全は保証できないがな。」

「え!?」

「勝手についてくるのだろう? 私がちびっこの面倒を見る必要が無い。さっきも言ったが、この少年だけで精一杯だからな。」

それでもいいかと、念を押して聞くが、少年からは元気のいい返事が帰ってきた。

どうやら本気で旅に出たいみたいだ。

「ということで、少年。このちびっこを頼んだぞ。」

少年が嫌がっていたが、勝手に私についてくるストーカー同士、仲良くやってほしいものだ。


そうして、私のストーカーにちびっこが加わった。

ちょっとというか、かなり不自然ですが、一応続きです。

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