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少年から見た世界
「おい。起きろ少年。」
いつも朝はそんなイラついたような声に起こされる。
「うん……おはよう……」
「なにがおはようだ。もう昼だ。」
まぁ僕は朝も弱いしそんな日もあるかぁ……
「ってえ!? 昨日朝早く出発しなきゃ間に合わないってシオン言ってたじゃん!」
「ああ。何度か置いていこうかと迷ったが、少年が野犬に喰われるのは、私もあまり気分がよくないからな。起きるまで待った。」
「無理やり起こしてくれてもよかったのに……」
「ある程度は試したさ。木の上から落とす程度にはな。」
あぁ、どうりで全身が痛いわけだ。
「無理やりにも限度があるでしょうよ……」
「まあそういうな。少年のせいで遅れているのだから。全力で走ればまだ間に合うかもしれん。」
シオンういてるじゃんっていうツッコミはしないでおこう。普通に怒られそうだ。
さぁ。出発だ。少年の仇を取りに行くとしよう。
そんなこんなで、僕とシオンの旅が始まったのだった。
前回の終わりからちょっと少年目線で書いてみました。