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ハルの恋は蕾のままで  作者: 白黒 兎
1/1

~君の知らない恋のお話~

私の世界観で書いてしまいましたが……

兄妹愛というのは時に残酷で悲しいものなんですよね

今回はそんな“愛”をテーマにしたお話です。

好きな人ができたら、何を思う?


その人の事を知りたいと思う?

その人を支えたいと思う?

その人を応援したいと思う?

その人が、この想いに気づいてくれるように努力する?


きっと、大抵の人はそうするだろう。

俺だって…そうしたい。


この関係が…終わるなら…



「ねーはる、このスカートどうかなぁ」

葉瑠はるは茶色似合わない、可愛くない」



「はぁ!?別にいいじゃん!可愛くないのは元々だわっ」

「だから、……その被害妄想どうにかしてよ葉瑠、んー、あ、これなら似合うじゃん」


「えぇ…?緑?」

「うん、こっちの方が断然可愛い…」

「……あ、ありが…」

「服が」


「――は?…もう知らない!美の馬鹿!」


またやってしまった。

葉瑠が怒り気味でメイクショップへ向かうのを見送りながら後悔する。


浅見あざみ 葉瑠はるは俺の好きな人。

でも、それを伝えてしまったら…この関係は終わってしまう。

だから、俺は俺であることをいつも恨んでいる。


名前なんか要らない。

俺が誰か別の人間だったのなら、……どれほどそう願っただろうか。


だが、俺は…美なのだ、浅見あざみ はる、その事実は変わらない…。

だから、俺の恋は…叶わない。



「美ーー!見てこれっ、すっごく可愛いの!」


可愛いのは葉瑠なのに…言えないのが…苦しい。

「おー!どれどれー??本当だ~!葉瑠の趣味じゃないのにねー!」


「黙れ、何故それを知っている…!?」

「仕方ないじゃん、葉瑠のメイク道具、俺の部屋にあるんだもん」


嘘、本当は使ってるの見たからだけど。

俺がいない間にやるって決めてるらしいから…間近では見たことない。

だから、寝てるふりして見てるのは……俺の秘密。


「葉瑠、明日の宿題は??」

「終わったけど……」

「ふーん、流石だね」


ちぇ、教えたかったのに…

葉瑠は勉強が好きだから…終わらせるのも早い。

実に迷惑だ、ってか勉強が好きとかどうかしてる。

……でも、その性格でさえ好きな俺はもっとおかしいのかもしれない。


「葉瑠、アイス食べようか、お腹すいたでしょ?」

「えっ?すごいー!丁度そう思ってた!なんで分かったの??」


「俺を甘く見ちゃいけないぞ、葉瑠。

葉瑠のことならなんでも知ってるよ」

「んなわけないじゃん!変態!」


「ぐぁ!ば、バレた…」

「うわー!嘘つきだ!」


本当なのになぁ、言いたいな……。

なんでも知ってるよ、葉瑠のこと。

だって、好きだから…




「もっとお腹すいた……」

「んじゃ、他のもの食べようか」

「アイス…食べたいなぁ…」


「お店で食べなよ、それだけだと体に悪いよ」

「うー、うん、そうするー」


あー、可愛い可愛い可愛い可愛い…

言いたい、小さい頃から変わらない関係は…いつか終わりを告げる。

それが分かっているからこそ…今を…大切にしたいんだ。

ねぇ、葉瑠。

俺の願いを…叶えてよ…

一生に一度の願いを。



「美?なにしてるの??」

「ん?いや、ネイル変えたの??」


「え!?気づいたの!?うわー、嬉しいっそーゆーとこ大好きだよ!!」


「……っ、もっと淡い色の方が良いけどなぁ」

「そーゆーとこはキラーい」


本当に……困らせてくれる。

心臓が持たないよ。

そんなに無邪気に笑う君を今すぐ奪いたいけど、それは許されない。

どうして、どうして俺は俺なんだろう…

こんなにも葉瑠を想っているのに…。


「美?大丈夫?」

「平気だよ、お腹すいた、早く行こ」

「うん!」


もう少し……もう少しだけ…君を好きでいてもいいですか?



「……好き」

「え?好き?何が??」

「葉瑠が」


「あー、わかる!私も春好き!花粉ヤバイけど…」

「ブサイクになるよな」

「今すぐここでくたばれ」

「はいはい、可愛い可愛い」

「なんかムカつく!」



ほら、俺はどう頑張っても恋愛対象外。

俺は…葉瑠の一番にはなれないんだ。

どんなに嫌いになっても…好きになっても…苦しいだけ。

それが家族、それが俺達。


「美に傷つけられたからステーキね!奢りで」

「は!?なんで!?」

「うそうそ!冗談だよ、自分で払うよ!」

「……はぁ、いいよ、奢りで」

「本当!?やった!愛してるぜ!」


「俺もだよ」

「おう!どんどん愛しなさい!」


愛なんかじゃ足りないわ馬鹿。

「もちろん、あ、袋持つから貸して」


「手が空いちゃった…、あ!手ぇ繋いでもいい?」

「え!?」

「え、そんなに嫌がらなくても…」

「いいよ、ハイ」


「言うと思った!ありがとうっ」



このハニートラップには甘えておこう…


―――――――「ふぁ…」


あー、バスよ、感謝するぞ…

二人席がなければ大嫌いだがな。



「葉瑠、眠い?」

「うん、ちょっとだけ…」

「膝かそうか?」

「……肩がいい」


「いいよ」

「ん、おやすみ」


ふわりと香る匂いにつられて…俺も目を閉じる。

「愛してるよ、葉瑠…誰よりも」


頬にキスしたのは…俺だけの秘密。

秘密増えてきた…まぁいいか…おやすみ葉瑠。




――――――――


(バタン)

「ただーいまー!」


「ただいまー」


二人での買い物も楽しかったのになぁ…

もっとしていても良いくらい。


「あ、おかえりなさい」


「おぉ、二人ともスゴい荷物の量だな…父さんも持とうか?」

「え、いいの?じゃーよろしく!そうだ、コレ!二人にお土産!」


お土産?そんなの買ってたのか?

…………俺にはないのに…


「葉瑠ってば気を使わなくていいのに~」

「そうだぞ?葉瑠」


「いいのいいの!もうすぐクリスマスじゃん!二人で温泉にでも行っておいでよ~!」


あぁ、温泉のチケット渡したのか…。

確か、9月の頭くらいに予約してたハズ。


人気があるらしい、とかどうすればいいか、って相談に来たのはこのためかよ…

↑(一緒に行くのかと思ってた)



近くして2話を書きますので

続きを気になさってくださるかたはお待ちくださいね(^ー^)


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