表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

強行の門

一歩一歩が重い。

この重さはきっと心と繋がっているんだ。

でも僕は歩みを止めない。


勇気を出して僕は関所の男に話しかけた。


一見して、彫りの深い顔と黒髪に少し茶色の混じっているその男はまさしく、外人であった。


ゲルマン系か………?英語が通じれば良いのだが………。


震える手を一生懸命フレンドリーに振りながらたどたどしい英語を口にする。


「…………へ、へぇい」


男はあきれているような警戒しているような顔だ。

英語が通じないのか?それとも僕に警戒しているだけか……?


「なんだ、そこのお前、今なんと言った?」


意外、それは日本語であった。

なんだ?日本語が話せるのか?

不幸中の幸い。僕は安堵した。


「ぁ………あの、僕、に……日本人なんですけど大使館に行きたいのですが………」


「は?日本人?大使館?知らないな………。お前、何処の出身だ。」


思考が停止する。こいつ、日本語を話しているくせに日本人を知らないだって?なんだこいつは。

「………ぇ?だ、だから日本ですよ…………」


「ニホン?………帝都発行の許可証を持っているか?」


「へ?も、持ってません………。」


「じゃあ駄目だな。大人しく故郷に帰るんだな。」


はぁ?ふざけるなよぅ………だいたい帝都って何処だよ………僕はよくも解らないのにこんなところに来ちゃったんだぞ。


「な、なんで………。故郷って、僕はここが何処かもわかってないのにそんな言い方無いだろ!!!」


「決まりだ。許可証がなければ通行は出来ない。」


「と、通せよ!!!」


無理やり通ろうと半ば突進のような形で突破しようとした。


瞬間。男の腰に凶器が見えた。

それは紛れもなく剣で。

二度目の瞬きの間にその剣は僕の喉元に。


血の気が失せる。ビビって声もでなかった。


「………そんなに通りたくば。監獄に通してやろう。特別に許可証も書いてやるぞ。」


「ふっ…………ふふ、ふざけるなよぉ!!!通せよぉ!!!」


「ならば、望み通りに。」


首筋に衝撃。僕は呆気なく意識を失ったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ