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片足立ち

作者: 迷子 なつ
掲載日:2016/12/09

ぽたり、ぽたりと

Tシャツに染みが広がっていきます


私は本当にダメなやつだと思いました


異性からの好意が大きくなっていくたび

私はその分嫌いになっていってしまいます


涙で歪んだ世界で私は紅茶を淹れました

ゆらゆらと湯気が視界を揺らします


好き同士で一緒にいても

相手の好きだ、大切にしたい、という

気持ちが大きくなっていくたび

それに触れるたび煩わしくなっていきます


真夏の太陽の下で食べるアイスのように

ドロドロに溶けて、形が崩れていってしまうのです


私はシルバーリングに落ちた雫を

指で拭いました


知らぬ間に黒くなっていることに気付いて

私は揺れる視界の中、

シルバーリングを磨きはじめました


涙がこぼれるたびにそれが私を

ダメなやつだと責め立てます


一心不乱に磨いていると

Tシャツの染みも涙も消えていることに

気が付きました


ピカピカになったシルバーリングを見つめながら

私もシルバーリングだったらいいのにな、

と思いました


そうしたら誰かが磨いてくれて

ピカピカになるはずだからです


すっかり冷めてしまった紅茶に口をつけて

私はぼんやりと考え出しました


どうしたら異性からの好意が

煩わしくならないのだろうかと


男友達の好意が友達としてのそれと

変わっていくのを見るたびに

煩わしくなって私は離れていきました


自分と同等の想いであってほしいと思う私は

本当にダメなやつなんだと思います


私がシルバーリングだとしたら

黒くて汚くて触ってもらえないでしょう


こんな私を誰か救ってください

叱ってやってください


引っ張られたらすぐにバランスを

崩してしまいそうな心を自分で叱って

なんとかやり過ごしていこうと思います


私は磨きたてのシルバーリングを指にはめて

飲み干した紅茶のカップを

シンクに置きに行きました


このもやもやが晴れたら

この磨きたてのシルバーリングのように

綺麗になれるのでしょうか、

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