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第69話 第1次ナルヴェク沖海戦

 帝国歴1793年9月5日早朝、旗艦マリブール以下4隻のフリゲートによる第1戦隊を先頭に、レ・ソル以下4隻の重武装のハルク船の第2戦隊、軽武装のハルク船4隻による輸送隊4隻が単縦陣でナルヴェクを目指して航行していた。第2戦隊のハルク船が最も足が遅いため、第1戦隊と輸送隊は帆を全ては張っていない。

 海流は北西、風向は西北西。決して順風とは言えなかった。そのため船団は南に大回りして南から北向きにナルヴェクを目指していた。


 ナルヴェクまであと半日もかからないだろう海域で見張り員が報告する。


 「不明船見ゆ!方位321(北西やや北より)、距離1万!」


 「総員戦闘配置!合戦準備!輸送隊は避退せよ!」


 隼人はすぐに戦闘準備を下令する。マリブールのマストに信号旗がスルスルと上る。


 それからほとんど間を置かずに追加の報告が入る。


 「不明船、北西に向け本船から離れつつあり!」


 この報告に隼人はやはりか、という思いを噛みしめる。こちらはにわか養成の船員、相手は長らくスカンジナビア地方を制してきた歴戦の海賊。攻略船団が大型船であり、相手が小型船主体だという事を加味すると、間違いなく相手の方が先に発見していただろう。あれはおそらく主力の目となる哨戒艦だ。

 輸送隊は北東方向に避退させ、第1戦隊は第2戦隊に歩調を合わせつつ敵の哨戒艦を追跡する。




 3時間ほど追跡を続けると、新たな報告が入った。


 「不明船およそ30を視認!方位295(西北西)!距離1万5千!接近しつつあり!」


 「敵さんは準備万端のようだな」


 エーリカがにやりと隼人を見やる。

 敵は小型船が主体であるという事は事前情報から得ていたが、さすがに数が4倍近く上となると緊張する。しかも敵も全力出撃をしてきたという事は少なくとも、こちらがナルヴェクを攻略する意図を持っている、という事を敵は知っていたわけだ。もし平時体制であれば、もっとナルヴェクの近くで戦いになっていたはずだし、何隻かの船は整備のために動かせなかったはずだ。

 マリブールの防諜体制に不備があったのか、それともガリア王国の対立貴族からのリークでもあったのかは分からないが、ともかく理想の戦略的奇襲は失敗したわけだ。ともあれ憶測で断定するわけにもいかない。


 「まあ、派手に準備していたからな。警戒されるのも無理はないな。ともかく、今回は大砲の威力と、新戦法・・・の試金石だ。上手くいけば、これからの海戦を変える事になる」


 隼人は自分に言い聞かせるように口にする。だがその言葉は緊張のため、親しい者にしかわからない程度ではあるが、震えていた。それを察してエーリカが隼人を軽く抱きしめ、背中を叩く。お互い軽鎧着ているため、肌の感触は味わえないが、エーリカの長い金髪と首筋からの香りが隼人を心なしか安心させる。


 「何、俺と隼人がいるんだ。負けはしないさ。だから自信を持て。兵は指揮官の動揺に敏感なんだぞ。しっかりするんだ」


 エーリカとの短い抱擁を終えると、隼人は気を取り直した。今度の隼人は誰から見ても自信満々に見える。心なしか、兵員達からも浮ついた雰囲気が消え去る。それを見て取り、エーリカは満足げにうなずくのだった。だがその中に1人、白けたような、あるいは憧れを持った視線を注ぐ女性がいる事には気づかなかった。




 「頭、いよいよ来なすったですね」


 ナルヴェク海賊団の旗艦であるガレアス船のオーディンの船上で中年の海賊が妙齢の美女に話しかける。


 「ああ。大型船とはいえ、たったの8杯とは舐められたものだな。俺たちの恐ろしさを知らんらしい」


 美女は自信満々に、だが真に親しい者であれば虚勢を張っているように見える風情で答える。彼女は短い美しい銀髪を頭の上で束ねており、その黒い瞳は町中を歩けば見る者をはっとさせる。今は軽鎧の下に窮屈に隠れているが、彼女の持つ母性の象徴はかなりのものだとナルヴェクの多くの者が知っている。だが彼女はそれをいらぬ男の目線を引き付けるだけの邪魔なものとしか思っていない。

 彼女の名前はマンネルヘイム・シーラ。2年前に急死した父親の後を継ぎ、ナルヴェク海賊団の頭領になった女だ。最初は神輿に過ぎなかった彼女も、己の才覚で火事場泥棒を狙った周囲の海賊団から勢力圏を守り、海賊と領民、いずれにも公明正大に接してきた事でいまやほとんどの者から頭領として誇りを持って尊敬されている。だが22歳の彼女は海賊団のために精一杯虚勢を張っている事を知る者はほとんどいない。


 「まあ、今に思い知る事になるさ。全船に戦闘準備と戦闘隊形を下令しろ!」


 「へい、直ちに」


 オーディンのマストに信号旗が上がる。海賊船団は、海賊とは思えないほどの規律で戦闘準備を整える。オーディンともう1隻のガレアスを先頭にし、そのすぐ後ろを2段櫂船12隻が横隊に並ぶ。そして2段櫂船の間やすぐ後ろに、1段櫂船と呼ぶのもおこがましい、だがそれでいて快速なヴァイキング船19隻が並ぶ。

 ガレアス船の大砲に支援された2段櫂船やヴァイキング船が衝角戦や白兵戦を挑む、ナルヴェク海賊団伝統の、そして必勝の布陣だ。両軍の距離は急速に縮まっていった。




 両軍の距離が4000を切った瞬間、隼人は声を張り上げて命じた。


 「全艦、逐次回頭、面舵5点(75度回頭)、新進路075(東北東)!」


 真北を猛進していた艦隊が逐次回頭し、単縦陣のまま左舷を敵に見せる態勢となる。

 第2戦隊の最後の船が回頭を終えた時、彼我の距離は1000を切っていた。隼人艦隊は第2戦隊の最大速度で、ナルヴェク海賊団は各々の船がもてる最大の速度で敢然と突撃を敢行する。

 隼人も、エーリカも、セレーヌも、見張り員も、望遠鏡を構え、敵を凝視する。全乗員に張り詰めた空気が流れる。隼人は伝声管に顔を近づけたまま時期を計る。


 エーリカが隼人に声をかけようとしたところで、隼人は伝声管に叫んだ。


 「目標!9時方向艦首側のガレアス!距離500!撃ち方よーい!」


 撃ち方用意の信号旗がマリブールのマストに登り、全艦隊に緊張が走る。艦隊の全乗員には距離500で交戦を始める事、旗艦の発砲で撃ち方始めとする事が周知されている。全ての船が今頃、左舷砲に砲弾を込め、照準を合わせ、決戦の時を待っている。


 エーリカが隼人の肩を叩く。それと同時に隼人は叫んだ。


 「テッー!」


 マリブールの左舷で轟然と爆発が起こり、煙がマリブールの姿を一瞬隠す。そしてマリブールに続航する艦隊が次々と一斉に発砲していった。




 シーラには敵艦隊の動きが奇妙に思えた。全艦横隊になって乱戦に持ち込む。これがこの時代の海戦の常識だからだ。だが聡い彼女は相手が白兵戦ではなく砲戦で勝負に挑もうとしていることは理解できた。少数の大型船で戦うにはその程度しか戦う術がないのだろう。だが大砲の威力も、命中精度も大したものではない。仮に大きな大砲を積んで威力を増していたとしても、当たらなければどうにもならない。最後の決を決めるのは白兵力のはず。

 だが敵は不利な状態で攻め込んでいる。確かにそんな馬鹿もいた。だが今回の敵、マリブール領主中島家は相当な戦上手と聞いている。だからこそシーラには敵が不気味に思えた。


 一抹の不安を拭えないで、それでも虚勢を張って敵艦隊を眺めていると、突然爆発が起こり、煙が次々と敵艦隊を覆っていった。シーラはキョトンとした顔になる。この距離で発砲したところで命中するはずがなかったからだ。


 「連中、焦っているのか?こんな距離から撃っても当たるまいに」


 「今頃になって頭の力に怖気づいたんですかねぇ」


 「はん!それならとっとと逃げ出せば良いものを。海の戦を知らな……!」


 シーラは敵への嘲りを最後まで口にすることはできなかった。大きな衝撃がオーディンの船体を襲ったからだ。

 シーラはオーディンの船首楼が大きく破損している事を認めると、動揺から立ち直っていない部下に鋭く命じた。


 「損害報告!」


 海賊達はその声にハッとして船首へ、あるいは喫水線下へと走って行った。そして味方艦隊を見渡すと、味方船の周囲のあちこちで水柱が生じていた。


 しばらくして報告が返ってくる。


 「船首楼砲台大破!砲撃不能!」


 「船首喫水線下に浸水!現在応急修理中!損害は軽微!」


 シーラは目の前で起こっている光景が信じられなかった。この距離で砲弾を当ててくる。それも集中して。そうしている間にも敵艦隊は次々に一斉に砲弾を発射していた。




 「上手くいったな」


 エーリカが満足そうに言う。


 「俺は少し早いと思ったんだがな。でもエーリカを信じて正解だったよ」


 隼人もニヤリと笑みを返す。初弾から命中することなど、ほとんどない。それを成し遂げて全艦喜びに包まれていた。

 第1、第2戦隊が実施した砲撃は統制射撃だ。これまで各砲ごとに各個に行っていた照準を指揮所で一括して行う射撃方法だ。これは日露戦争頃から取り入れられた射撃法だ。これまでは各々の砲が各個に射撃していたため、どの水柱が、あるいはどの命中弾がどの砲によるものか分からなかったので、射撃の修正が困難だったのだ。

 だが統制射撃によって自分の撃った弾が遠弾か、あるいは近弾か、かなり分かり易くなった。搭載している艦砲も統一しているので砲を動かす角度の計算も楽になっている。今頃艦隊各艦では射距離の修正に忙しいだろう。


 「艦長、ふねの指揮を渡すよ。次は2段櫂船を中心に狙ってくれ」


 「はい、預かりました」


 今まで旗艦の行動が艦隊全体の指揮に関わってきたので、隼人がマリブールの指揮を直接執り、艦長は側に控えていたが、隼人は本来第1戦隊司令であり、マリブール攻略船団の指揮官だ。旗艦の指揮に集中して艦隊全体の指揮を軽視するわけにはいかない。ゆえにマリブールの指揮権を本来の持ち主である艦長に渡す。

 艦長は、猛然と突進してくる2段櫂船に照準を合わせる。1射目は遠弾となり帆を切り裂き、2射目には船体に命中した。3射目で目標の行足が急速に鈍る。艦長は射撃可能な、もう1隻の2段櫂船に目標を移した。




 「順調だな」


 「ああ、予想以上だ」


 エーリカと隼人が満足げに笑みを浮かべる。艦隊各艦とも、4射目以内には命中弾を得て、敵船を次々と戦闘不能に陥れている。

 敵の生き残ったガレアスや2段櫂船が散発的に砲撃を行うが、ほとんどが見当違いの場所に水柱を作り、運よく命中した砲弾もほんの少数で、損害は軽微だ。そもそもガレアスも2段櫂船も詰める大砲の数は知れている。しかも大砲を多少は集中できる側面ではなく、大砲の置き場がほとんどない正面を向いているのだから、効果をほとんど得られないのだ。


 「ねえ、確かにすごいと思うけど、ヴァイキング船がかなり近くまで来ていますけど……。そっちは大丈夫ですの?」


 セレーヌが戦況を見て懸念を伝える。ヴァイキング船はこちらの砲に狙われたら一撃で木っ端微塵となるが、その快速を活かして勇敢にも艦隊に接近しつつある。敵の士気はずいぶん高いらしい。


 「大丈夫だ。そのための海兵隊だ」


 隼人は艦長に向かってうなずく。


 「海兵隊!撃ち方始め!隊長、任せるぞ!」


 「了解。野郎ども!仕事だ!」


 海兵隊隊長の指揮の下、マスケット、弓、弩が至近に迫った敵船に撃ち下ろされる。たちまち海賊が、漕ぎ手が倒れ、接近していたヴァイキング船の船上は血の海に変わる。


 他の艦の周辺でも同じことが起きていた。乾舷の低いガレー船に対して、乾舷が高くなる帆船はこの点でも有利だ。操船する者を失った船はただただ漂流する。勝負は早くもつきつつあった。




 「頭、とりあえずこれで大丈夫です」


 「ああ、ありがとう」


 シーラは、打ち倒されたオーディンの帆柱の破片で足を負傷していた。その間も味方が次々と戦闘不能になる様子を呆然と眺めていた。


 「もう、無理だな」


 シーラは小さな声でつぶやいた。長らくスカンジナビア地方最強で鳴らしていたナルヴェク海賊団。その歴史が自分の代で終わる事を悟り、涙が出そうになる。だが自分は誇りあるナルヴェク海賊団の頭領だ。涙を見せるわけにはいかない。悲しみの感情を無理やり押さえつけ、これまでで一番凛とした声で命じる。


 「生き残った全ての船に撤退を命じろ!殿は本船が務める」


 「頭!それでは!」


 「言うな。自分の運命は分かっているつもりだ。だがナルヴェク海賊団の頭領は敵に背中を見せるわけにはいかんのだ」


 「頭……。どこまでもお供いたします」


 「……すまんな」


 敵はほとんど勝敗が決したと判断し、戦法を変えてくる。海兵隊による切込みだ。すでにボロボロになっていた味方の船が次々と拿捕されていく。

 オーディンは彼らを守るべく敵艦に突進していくが、帆柱を打ち倒され、漕ぎ手の多くも失ったオーディンはゆっくりと進むことしかできない。そして生き残った船に次々と追い抜かされていく。


 「おい!俺は撤退を命じたはずだぞ!なぜ皆撤退しない!?」


 「頭……、俺には分かります。みんな頭を1人残して逃げるなんてできないんです。ナルヴェク海賊団の誇りがそれを許さねえんです」


 「くっ、馬鹿者どもが……」


 シーラは今度はあふれ出る涙を抑える事ができなかった。


 そうこうしているうちにオーディンにも敵艦が迫ってきた。ハルク船だ。その姿は実物よりもはるかに大きく見えた。そのハルク船はオーディンの櫂をへし折りながら右舷船尾に緩い角度で突っ込んだ。そしてその砲門から金髪の若い男が飛び出してくる。


 「第2戦隊司令、フィッシャー・アルフレッド!敵旗艦に一番乗りー!」


 その男に続いて武器を手にした男女が飛び出してくる。

 シーラもこれが最期だからとばかりに大声で名乗り上げる。


 「俺こそはナルヴェク海賊団の頭領、マンネルヘイム・シーラ!手柄を欲しくば俺を打ち倒してみよ!」


 だが足を引きずり、頭から血を流した姿はあまりにも凄惨なものだった。そしてシーラを守るべく海賊達が武器を持ってシーラの周りを固める。そこへメイスを持ったアルフレッドが突っ込んでいく。


 「できるだけ殺すなよ!生け捕りにするんだ!」


 アルフレッドは下知を飛ばす。

 これまでの海戦で疲れ切った海賊達は最後の力を振り絞って戦うが、1人、また1人と、メイスで、あるいは銃床で、または櫂で昏倒させられていく。

 ものの数分もしないうちにアルフレッドはシーラに迫った。


 「女か……。だが敵ならば女だろうと容赦はしないぞ!」


 「かかってこい!相手になってやる!」


 シーラはカトラスを振りかざしてアルフレッドに斬りかかる。だがその一撃はアルフレッドのメイスに簡単に弾き飛ばされる。武器を振り落とされ、手がしびれたシーラは膝をつく。


 「ナルヴェク海賊団の頭領!その身柄、もらい受ける!」


 アルフレッドが勝利宣言をする。それを聞いてわずかに残った海賊達も武器を捨てる。

 アルフレッドはシーラに歩み寄り、手を差し出す。


 「立てるか?」


 「くっ、殺せ。ナルヴェク海賊団の頭領が捕虜になるわけにはいかん」


 「悪いが生け捕りにできそうな奴がいれば捕虜にするのがうちの軍の方針でね。悪いが拘束させてもらうぞ」


「くそっ。……あ」


 アルフレッドはシーラの両手を後ろ手に縛ると、彼女を担ぎ上げた。その時、女のいい香りがアルフレッドを鼻腔くすぐってドキリとさせる。シーラもアルフレッドのたくましい背中に担ぎ上げられ、顔を赤くする。その赤味は羞恥と悔しさだけではないことに彼女が気づくのは、もっと後のことである。




 「終わったな」


 隼人は敵の全ての敵船が撃沈されるか拿捕された様子を見て満足そうに言った。


 「ま、俺と隼人がいるんだ。当然の結果だろう」


 エーリカも敵船に何度か斬り込んだのでとても満足そうだ。セレーヌもその2人を頼もしげに見てうなずいた。


 「よし、輸送隊を含む全艦に集合を命じろ!このままナルヴェクを落とすぞ」


 隼人は拿捕した敵船の内、曳航可能な船以外を自沈させるように命じて、ナルヴェクを目指した。




 その日の夕刻、複雑なフィヨルド地帯を抜けてナルヴェクの港に強行上陸する。わずかな抵抗は艦砲とマスケットの射撃で制圧された。海賊のほとんどは海戦に出払っていたらしい。こうして隼人はナルヴェクを手中に収める事ができたのだった。

2017/08/01 前しょう楼の漢字が出なくて諦めていた表現を船首楼に変更。棟梁の字も頭領に変更。その他も細々と修正。

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