もう少し話すことあると思うけど、クレイジーなことしか話していない
30分で完成。
俺は携帯電話(かなり旧式のガラケー)を取った。
「やあ」いつもの声が聞こえる。
「・・・あんた誰?テツヤが目を覚ますと!かわいい少女がテツヤの顔を覗き込んでいたー!」
「今日も元気だね、カスが」
「君、毎回人を罵るのは人としてどうかと思うよ」
「だって馬鹿なことしか言わないんだから仕方ない」
「んまあ、失礼しちゃうわ♪」
「ところで今日さ、俺、犬にかまれたんだけど」
「ぷっ、何があったんだい♪」
「車でガソリンスタンドに寄ったら犬がいて、可愛がろうとしたら噛まれた。手を」
「あはは、美味そうと思われたんじゃないの?」
「カスが」
「どんな犬?大きい?」
「柴犬みたいな感じかな。中くらいの大きさ」
「ほほう」
「彼女にも笑われたよ」
「あはっ、よーしちょっと再現してみよう。君が車降りてスタンドを歩いたら柴犬がキューン♪と近寄ってきて、君は『おーよしよし』と撫でてやろうとした。そこで!犬が『この豚野郎!なめんじゃねえぞ!美味そうじゃねえか!噛んじゃえ♪』ガブ!君は『うぎゃー!たっ助けてくれー!』」
「ぶあっはっはっはっはっは」
「こんな感じでしょ」
「まったく君は、カスだな」
「まあ結局その犬、飼い犬?狂犬病とか大丈夫なの?」
「飼い犬で、予防注射は打ってた。慰謝料もらったよ」
「ブラパ?(インドネシア語でいくら?の意)」
「3万」
「あらまあ、ところで俺、お願いがあるんだけど」
「金はやらんぞ」
「金じゃないよ。あれだよ、食べ物や品物と交換できる非常に便利な紙が欲しいな、と思って」
「それお金のことだよ。やらないよカスが」
「じゃあ何に使うの?うーむ、あれだなブルーレイBOX買うか!魔法少女の!」
「もう買ってある」
「うっそマジ!録画もしてBOXも買うとか、ファンの中のファンだよね」
「特典映像が見たかったんだよ、カスが!」
「はっはっは、当然、店頭で男らしく正々堂々と「この魔法少女のBOX下さい」って買ってきたんだよね?」
「通販だよ」
「えー、男らしくなーい」
「この金はそうだな、彼女とご飯でも行こうかな」
「魔法少女劇場版でも見に行ったら。そろそろ本性出していこうぜ。子供のころからエースで四番!やる気と根性なら誰にも負けません!」
「あっはっはっは、カスが!まだ秘密なんだよ!」
「でもやっぱ隠し事続けていくのは無理が出てくるよ。やっぱ正直が一番楽。こんな俺でも会社では質実剛健で通っているしね」
「君ほど嘘つきで複雑な人間もなかなかいないと思うけど」
「まあ、俺もそう思うよ。飯食った?」
「今日はカレー作ってみた」
「まずかった?」
「普通に美味かったよカスが!」