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交渉

『てめぇら!コイツを袋にしちまえ!』


店に入ると鈍器で武装した男共が私を囲んできた、ご丁寧に退路もしっかりと塞いでいるようだ

しかし熱烈歓迎とは有り難いね、こんなオヤツが付いてくるなんて気が効いてるじゃない。楽しませて貰おうかな?まあ一応警告はしておくけど


『これはこれは…本当にやるんですか?』

『はっ!ビビッてんじゃねーよ!!ウチに喧嘩売っといてタダで帰れるとは思うなよ!』

『なら仕方ないですね…ふふ、本当に仕方ない!』


私は魔法を発動させずに集団に突っ込んだ、敵もまさか無手で来るとは思っていなかったのか反応が遅れている、それじゃあダメだよ?


『ほらっ!』

『くぺっ…』

『なっ!?クロウランス!!』


遅れた動きの初動を抑え首を捻り折る、するとゴキュっと小気味良い音がした後に男は数度ビクッと痙攣し倒れ伏せた。殺人の実感に私の頭が快感で痺れる、うーん気持ちがいいなぁ。


そうこうしていると、クロウランス君に駆け寄ってきて私の目の前で膝立ちになった男が一人いたのでその頭をボールのように蹴り飛ばす、分かってないなぁ…そういう行動は冷めるからやめて欲しい


『はあっ…やるんじゃなかったの?なのに戦闘中に敵の前で味方の看護?バカでしょ?それに鈍器って私を奴隷にしようとかヌルいこと考えてたの?だから死ぬのよ?』

『『くっ…このクソ野郎がぁぁあぁぁ!!』』


思わず口調が戻ってしまったがもうすぐ死ぬ人達だし良いだろう、それに殺る気も出てきたようでなによりだ。そうこなくっちゃ!


同時に武器で殴りかかってきたけど連携もへったくれもないわねぇ、私が少し立ち位置を変えるだけで味方同士の武器が交錯し動きが止まっている。よし二人目っと!


武器を振り下ろしている手を狙いハイキックを決める、男は武器を落とし怯むがそんな隙を私が見逃すはずがない、喉に貫手をして致命傷を負わせた。もう彼は長くはないだろう


『おらぁあぁぁぁ!!』

『おしいっ!!』


後ろからの攻撃を半身になりながら躱す、そして捻り蹴りを顎に決めて首をへし折った。

あぁ!気持ち良すぎて顔が火照ってきたよ。


その勢いのままテーブルクロスを敵に向かって投げつけ目眩ましをする、室内戦で大きな布っていうのはかなり役に立つんだよね。目眩ましにもなるし、布が敵を包んだらその時点で包まれた人は詰みになるからね


『くそっ!どこにいやがる!出てこい!』

『後ろだよー?』

目眩ましは《影歩》を発動する時間稼ぎだ、背後を取った私はそのまま残る2人の首をへし折り敵を全滅させた


うーん、思わぬ余興だったなぁ。室内戦での多人数戦は久しぶりだったからかなり楽しめたよ、あぁでも下着が濡れたし替えないと風邪引いちゃうなぁ


『どうした!何かあったのか!?』


っとそろそろ二階が騒がしくなってきたね、増援が来るのかな?お代わりがあるとは本当にサービスが行き届いているねぇ、でも殺しすぎると店が成り立たなくなるしこれぐらいにしとこうか


『そこのお前!生きてかえさねぇぞ!!』

『ボス!こいつかなり強いですよ!慎重にいきましょう!』


なんかキャンキャン吠えているけど面倒くさいからサッサと用事を済まそう、よし、相手のトラウマを抉ってどちらが上かをハッキリさせてあげようじゃないか?

私は大きく息を吸って威圧しながら一言叱りつけるように言い放った


『犬の分際で五月蝿いわよ!返事はワンでしょこの駄犬!!』

『『!?』』 『ワ、ワン!』


場が静寂に包まれる、あろうことか店のボスが突然ワンと言ったのだ。思考停止するのも仕方がないだろう、ここで畳み掛けてしまおう


『ずいぶん偉くなったのねぇ?昔は私の靴を喜んで舐めてた犬っころだったのに…』

『お、お前達!この人はお客人だ!二人でちょっと話をするからここで待っていろ!』


『分かってるじゃない?ジャーキー欲しいの?』

『い、いえ…お腹いっぱいなので…』


店主に案内され二階の応接室に向かう、手足がプルプル震えているのが可愛いなぁ、そんなに虐めないから安心しなよ?


^^^^^^^^^^^^


応接室は小綺麗で置いてある家具も高級といっても差し支えないくらいの質を持っていた。やはり儲かってるようね?


『さて、まずは久しぶりというべきかな?顔は知らないと思うけど私は貴方の考えている人と思っていいわよ?』

『…お久しぶりです、その節はお世話になりましたロアナ様』


この人はまだサーバル奴隷商が小さい頃に私達から安値で奴隷を卸してもらいたいが為に土下座をしながら必死に懇願してきた人なのだ、私自身そういった必死な行動が嫌いではないのでそのお願いを聞いたのだけどね


そしてロアナとは私が盗賊時代に使っていた名前だ、仲間内では【殺人狂のロアナ】という大層な名前を頂いていたけど間違ってないから何も言えなかった


『ふふ、そんなに固くならなくて良いのよ?今日はちょっと特殊な店の場所を聞きに来ただけだから』

『…ロアナ様、分かってるかと思いますがそういった事を言うのはリスクを伴ってしまいます、しかし言わなかったら…言うつもりなんですよね?』

『ふふふ、ゴメンねぇ』


私がここまで強気になれる理由は武力で勝っているからだけではない、先程いったとおりここサーバル奴隷商は《夜鷹》が捕まえた人達を卸していた違法店だったのだ、それを暴露されれば忽ちお縄になってしまう


『ほんとに昔は私の靴を舐めながら懇願していた人とは思えないわね?頑張ったのね、撫でてあげようか?』

『はっ、有難い申し出ですが今回は遠慮しておきます』


そう言うと店主は手早く紙に地図を描き場所を教えてくれた。こういった脅し方は団の信用を貶める行為となるのだけどもう《夜鷹》は存在しないから今回は存分に使わせてもらおう


『でもゴメンね、下の連中が突っかかってきたからつい殺しちゃったよ。悪いから迷惑料を受けてとってもらえる?』

『遠慮したいところですが、正直有難いです。今回の騒動のもみ消しもしないといけないので…』

『情報ありがとう、じゃあね』


テーブルに1000万ゼニーほど置くと困ったような顔をされたけど、これは店が大きくなったお祝いも兼ねてるから遠慮なく受け取ってほしい。従業員を殺しといて言えた口ではないけど無いよりは有る方が良いだろう


さてと、場所もわかったし手早く掘り出し物を探しに行きますか!



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