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8話目 観客席に、流れナイフが飛んで来る恐れがあります

戦闘描写が苦手なくせに

難しいこと書いちった・・・


心の目で見て下さい

〜一年前・決闘場、オリバー視点〜


 エドガーは、カマイタチを纏ったトンデモ兵器をぶら下げて不適に笑う

 俺はその化け物との間にある、十数メートルの間合いを保っていた


 まぁ、その程度の間合い、コイツには関係ないけどね・・・


「なぁ、オリバー、一つ聞いてもいいか・・・

 お前何か忘れてない?」


 ・・・いらん事を言いやがる

 俺は不機嫌な顔で答えてやった、言うまでもない事だ

 あえて、「なんのことだ?」と、とぼけるまでもない・・・

 エドガーは、俺のそんな態度に何故か笑みを見せ、地面を蹴りだした


 後方に砂が舞い上がり、土煙が立ちこめる程の走り出し

 その超スピードは俺との間合いを簡単に縮めてみせた


 俺が反応出来たのは、奴が俺の数歩手前でハルバートを振り上げた瞬間・・・

 咄嗟にショートソードを構えようとして、押しとどめた

 変わりに後方への跳躍・・・

 間一髪、振り下ろされたハルバートは空を切ったが、風の魔力が地面を盛大に抉ってくれた

 ショートソードでどうにか出来る威力ではないな・・・


 奴の追撃は止まない

 ハルバートを振り上げる時間が惜しかったのか

 地面に刺さったハルバートを片手で掴み、無理矢理、身体を前方に引っ張り、捨て身で跳躍・・・

 つまり、俺の居る方向に、丸腰の状態で突っ込んで来た訳だが・・・


 滅茶苦茶なスピードでのタックルだ、喰らえば只では済みそうに無い

 まぁ、避けられないんだけどね・・・


 地面に絶賛着地前だった俺は、無防備なんだよな

 そこにエドガーのタックルがクリーンヒット!

 その後は流れる様な動作で俺はショートソードを奪い取られ

 完璧に、寝技で組み伏せられた

 ご丁寧に脚も動かせない様、起用に脚を絡ませてやがる

 首筋に感じる痛みは、取られたショートソードが首の皮を切った痛みか・・・

 首には剣が突きつけられていた・・・


 それにしても、と感心する

 ここまでするには、俺が最初の一撃を避けれる前提で動かなければなるまい

 ・・・長年の付き合いで、俺の動きが大体解るのもあるだろうが・・・流石の一言に尽きる動きだ


「とぼけるんじゃねぇよ

 『神の遺物』の話、忘れたとは言わせねぇぜ?

 ハルカさんに、ここで俺が勝ったらお前になんでも言う事聞かせる権利貰えるんだが・・・

 わるいが、『神の遺物』は俺に譲れ」


 あの、クソ牝狐

 勝手に変な約束してんじゃねえよ、

 最悪、「負けてもいいか」とか思ってたのに、負けれなくなったじゃないか!!!

 第一、何のために決闘してると思ってるんだ!

 アリシアとか言うエルフの気を逸らすためにやってるんだぞ!

 無理矢理、無かった事にしようとしたんだぞ!

 なのに、コイツとそんな約束されちまったら台無しじゃねぇか!!!


『エドガー選手の怒濤の追撃に、オリバー選手は組み伏せられたぁ!」


「さぁ、ステラさん

 俺の勝利を宣言してくれ!」


『はい!

 それではカウント取りま〜す

 1・2・3・4・・・・・』

 

 観客席から歓声が聞こえる

 意気揚々と勝利宣言をするエドガー


 その時、一瞬だけ俺から視線が外れたのを見逃す俺ではない

 背筋を大きく動かし跳ね上がる、昔からコイツは寝技が苦手なのだ

 押さえつけが甘く簡単に脱出できる

 焦って、上半身に全力で押さえ込もうとする癖も抜けてない・・・

 完全に自由となった脚を大きく振り上げ、エドガーの後頭部に蹴りを入れる

 その隙に、寝技から脱出を果たした俺は、もう一つの剣を抜く


 サーベル・・・

 騎士学科時代から愛用する武器だ

 俺は槍より剣派の騎士だった


『エドガー選手、あの状態から起き上がりました!!!」


 観客席からの歓声が、また響き渡る

 後頭部を摩りながら立ち上がったエドガーは、清々しい程に笑顔だった


 ・・・この戦闘狂め・・・


「やってくれるな、オリバー・・・

 お前はやっぱりそうじゃないとな!」


 そう言いながら、ちらりとハルバートの方に目をやっていた

 俺がコイツに槍で勝てないのと同じ理屈で、コイツは俺に剣では勝てない

 それは、どんなにコイツが早かろうが同じことで

 圧倒的に剣技で俺より劣るのが要因だ

 コイツは槍意外の武器は、どれを取っても並なのだ


 しかも、こいつの使える魔法は少ない

 武器に風の魔力を付与させる、『ウィンド・ウエポン』

 自身の速さを強化する、『スピード・ブースト』

 戦闘力を上昇させる魔法、『ウォークライ』・・・


 どれも基本魔法だ、俺だって使える(まぁ、威力は格段に劣るが・・・)

 しかし、コイツはこれだけしか魔法が使えない

 魔法を覚えるには、適正や魔力制御能力、後、ある程度の実戦経験が必要ではあるが

 それ以上に筆記による魔法理解と、単純に術式や詠唱を覚えるという作業に重点が置かれている


 コイツは筆記が壊滅的だ

 3つ覚えられただけでも奇跡としか言いようが無い


 しかも全て補助魔法

 そこがコイツの致命的弱点でもあった


 目を瞑り詠唱を思い出す


『大いなる大天使よ、その翼をもって悪しき虚勢を吹き飛ばせ』

「アンチスペル・フェザー・ウインド」


 俺が詠唱を唱えだした途中から、エドガーは全速力でハルバートに跳躍

 しかし、悲しいかな一歩俺の方が速かったらしい


 吹き抜ける優しい風(生暖かいとも言えるが・・・)

 その風が吹いた瞬間、自身の速さを失ったエドガーは慣性の法則に則りコロッセオの壁に激突した

 土ぼこりが舞い上がり状態は確認出来ないが、大砲で撃った後の様な穴が開いているのは解る


 俺が唱えたのは所謂、補助効果無効魔法・・・

 俺が唱えたのはその中でも中級と呼ばれる魔法だ

 光属性の魔法で、魔物によっては攻撃魔法にもなり得る術である

 騎士学科時代の名残で覚えてた魔法だった


 一転、静まり返る観客席・・・


『お〜と、これは・・・

 エドガー選手の安否が心配ですねぇ〜』


 まぁ、この程度で死にはせんだろ

 どこからか現れた決闘委員会(もう略す)のメイド服を着た(この委員会の制服はメイド服か!)委員がエドガーの安否確認を取る

 その後、直に担架によって、目を回して気絶したエドガーは運ばれて行った

 奴の身体は頑丈だ、遠目からでも目立った外傷は見当たらなかったしな

 普通なら死んでる、運が良くても重症だ、ソレをコイツは切り傷や擦り傷だけとは・・・

 化け物以外の何者でもないな!!!


『それでは皆様方、ただいまエドガー選手の戦闘不能が確認されましたので

 オリバー選手の逆転勝利を宣言致します!!!」


 観客席からもの凄い歓声や喝采と、俺への暴言が飛んで来た


 そう言えば、投げナイフ使わなかったな・・・

 俺は暴言を吐いた観客に向けて投げた

 ナイフは観客の顔面すれすれで突き刺さった


〜一年前・決闘場、アリシア視点〜


 最初にエドガーが出て来たとき、驚きと憤りを感じていたが・・・

 もうどうでも良くなった、凄い物を見せてもらったからだ


 普通なら、途中で出場選手が代われば、怒りだす観客は多いと思う

 しかし、皆、口を揃えて


「あいつらの戦いを見てみたいよな・・・」


 といい、賭けに興じていた

 私は持ち合わせが無かったからやらなかったが


 大多数の観客はエドガーが勝つと思っていたらしく

 私の周りではエドガーを応援する声が多かった

 

 それでも、オリバーに賭けた観客は少数ながら目についた

 大声で応援する訳でもなく、黙って戦闘を見守る人間が数人・・・

 洗練された顔付の者が多く、歴戦の猛者を彷彿とさせていた


(4年生だ・・・)


 後で知った事だが

 オリバーに賭けた生徒の多くは4年生であった

 逆にエドガーには、誰一人として4年生は賭けていなかったらしい


 4年生に一目置かれている、お前は何者なんだ?


 アリシアは興味を惹かれて行った

 何よりも剣士として、

 サーベルを抜いた瞬間、オリバーから感じられた覇気を見過ごせなかったのだ


(手合わせしたい・・・)


 アリシアは密かにそう呟いていた・・・


 

 

今回出て来た魔法の名前は結構適当です

英語の成績最下位の作者は、これまでも、そしてこれからも


『単語の意味、オカシクね?』


などの突っ込みを基本スルーします(指摘して頂けるとありがたいのですが、多分、これから無数に出てきます)


あしからず

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