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23話目 人の話は最後まで聞きましょう

 昨日は予定通りに出来なくてスミマセン


 寝落ちしました・・・

〜新入生合同研修当日、夜、フンババの森・オリバー視点〜


 時刻が夜となった、といって良い時刻だな。

 当たり前か、俺達が森に入ってから数時間が経過している・・・


 辺りにひしめくトレント共は、未だ俺達を諦めていないらしい。

 レイチェルは怖々と怯えた表情で俺の右腕を掴む。

 まぁ、レイチェルが怯えて俺を掴むのは解らなくも無い、だが、しかしな・・・


「なんで、お前等も俺の身体を掴む?」


 俺に聞かれた両名は、それぞれの反応を示す


 まず、俺の左腕に自分の腕を絡ませるジュリアから・・・


「スキンシップですわ♪」


 はい、満面の笑みだ。

 なにがそんなに楽しいのだろうか?


 次に、俺とジュリアとの間に手を挟み、ジュリアが俺に抱きつこうとするのを牽制するアリシアは・・・


「ジュリアさんが暴走しない様に見張っているだけです」


 と、言い張った。

 

 なんなのだろう?

 かれこれ10分はこの状況なのだが・・・

 そろそろ、結界が切れるから、ここから逃げる策をだな・・・


 そうこうしていると、

 アリシアとジュリアが俺から離れた、

 そして各々が俺へと言葉を掛ける、

 

 何をするつもりだ?


「それでは、私の活躍を見ていて下さいまし♪」


 軽やかに口にするジュリア。


「会長は武器持ってないですから、レイチェルさんを守って後方に待機していて下さい

 私達で片付けますから・・・」


 俺に背中を向けたまま、素っ気なく言うアリシア・・・


 二人はトレントの群れに走って行った・・・




 結果だけ言おう、

 無双である・・・


 普通に戦えばトレントなんて物の数ではない二人が戦っているのだ、当たり前である。

 

 特にジュリアの戦績は目紛しい。


 ジュリアは、魔導系学科の主席だ。

 ジョブは確か、ハイウィザード・・・だったか?


『光の剣』と、広範囲系火属性魔法の前にトレントは消し炭となった。


 俺達が、簡単に逃げれなかったのは、ジュリアの様に集団殲滅型の魔法を扱える物が居なかったからと、レイチェルと言う下級生が居たからだ・・・



 それにしても流石ジュリアだ・・・

 今もまた、広範囲の火属性魔法でトレントを焼き払った

 付近の木々に引火したりしないだろうか?

 まぁ、アイツに限ってそんなミスは犯さないだろうが・・・


 アリシアでもせいぜい一度に倒せるのは10匹、20匹が限度。


 レイチェルの矢は強力だが、流石の俺とアリシアもアレに被弾したら只ではすまんだろうな・・・

 至近距離では撃って欲しく無い、今回の様に混沌とした場では尚更である・・・


 俺は論外、

 1〜5匹までしか相手に出来ないな。


 しかし、ジュリアは違う。

 流石は主席、上級魔法も簡単に扱ってみせる。

 この学園で、メテオ・ストライクを撃てる人間は、学園長を含めジュリアと二人だけだ・・・


 因みに、メテオ・ストライクは、

 広範囲系魔法とか生易しいカテゴリの魔法ではない。

 魔軍との戦争時は、敵城を破壊する魔法として使われたものだ・・・

 それを小規模にした物とは言え、トレント風情に使うのだ、オーバーキルにも程がある・・・


 学園長と違う所は詠唱を必要とすることぐらいだろうな・・・

 学園長は無詠唱でメテオ・ストライクを使うからな。


 その、ジュリアの詠唱の隙を守るアリシアの活躍も素晴らしい。

 

 メテオ・ストライクの詠唱など、どう早口で詠唱しても3分程の時間が必要だ。

 さらに上級魔法だけあって、魔力消費量も馬鹿にならない。

 現に、俺より遥かに魔力量を持つジュリアでさえ、8発目から肩で息をし始めた。


 ジュリアが気を抜いた隙に、トレントの一匹が背後に迫る。

 反応が遅れたらしく、『光の剣』を向ける余裕が無かったようだ。

 しかし、顔に焦りの表情は無い・・・


 ジュリアに迫っていたトレントは、横から振り下ろされたクレイモアにより、縦に両断された。

 使い手はアリシア・・・

 エドガー程ではないが、スピード・ブーストと、風属性の魔法『エアレイド』を併用し、加速した状態で低空飛行する様に飛び回りトレントの群れを切り裂いている・・・


 そう、アリシアの真骨頂は『飛べる』ことにある。

 無論、羽がある訳では無い。


『エアレイド』とは、

 身体(特に脚)に風の魔力を纏わせ、周辺に特殊な気流を発生させることにより空を飛び回る魔法。利点は、簡単に言えば魔力を纏うだけなので、詠唱を必要としないこと。難点は、高度なバランス感覚、魔力制御能力が必要であると言うことか。


 俺も一応は使えるが、出来て地上から数センチ浮くだけ。

 それ以上となると、バランスを崩し落下する。


 適正の高い術者は、この魔法を使い、高度数百メートルから魔法を放ち地上に居る敵を駆逐するという。それが所以で『エアレイド(空襲)』と呼ばれるようになったらしい。

 

 ・・・まぁ、そこまでの高度になると、他の魔法も併用しなければならんが・・・


 アリシアは、その『エアレイド』の適正が極めて高い。

 同学年で、まともに扱えるのは40人弱。

 その中で、高度100メートルを超すことが出来るのは6人。

 さらには、そこで剣を振るい、スピード・ブーストとの併用を可能にする人間はアリシアだけらしい。


 学内でも数名しか居ない空中戦のスペシャリスト・・・


 それがアリシアなのである。


 トレントを切った後、また、飛び立つ。

 巨樹の間を縫う様に飛び、群れるトレントに魔法を叩き込む・・・


 ジュリアの扱う『光の翼』も凄いが。

 空中戦をした場合、どちらが勝つかと問われればアリシアだろうな・・・


 元々、作られた目的が違う魔法の同士の使い手なのだ

『光のアンジュ・エール』は、単純な移動に特化している。

『エアレイド』は、空中戦に特化した魔法だ。


 恐らく、

 なにかしらの競争で勝負した場合、ジュリアが勝つ。

 しかし、魔法や剣を用いた空中戦を行った場合、勝つのは恐らくアリシアだろう・・・


 単純に速いだけでは勝負に勝てない。

 戦闘では小回りが利いて速い方が勝つのだ、普通の人間は、あまりに速過ぎると脳が反応出来ない。

 

 それをやってのける例外が、今ココに居ないエドガーなのだが・・・まぁ、どうでもいい話か・・・


 捕捉だが、俺との勝負では殆ど飛ぶことはない。

 舐められているのだろうか?


 俺は舐められたり、手加減されるのが大嫌いなのだが・・・


 そうこうしている内に、殆どのトレントは片付いていた。

 辺りに散乱する木片・・・

 トレント木材は大幅に仕入れれたな・・・


 呆気にとられ、立ち竦んでいるレイチェルを起こし。

 今まで戦っていた二人に駆け寄る。


 俺も、たまに逸れて来たトレントを相手にしたが。

 まぁ、10匹くらいだ・・・


 この二人は桁が違う。


 労いの言葉を掛けるべきだろう。


「二人ともお疲れ様だ、大丈夫か?」


 疲れた表情をしていたジュリアの顔に、瞬間、笑顔が咲く。


「どうでしたか、オリバー

 少しは私のことを好きになって頂けましたか?」


「別にお前のことは最初から嫌いじゃ無いぞ?

 俺はお前のことを親友だと思ってる」


 一瞬、俺の台詞を聞いたことにより、笑顔に翳りが見えた気がしたが・・・


「・・・親友・・・今は、仕方ないですよね・・・


 そうですよね!!

 私たちは掛けがえの無い仲ですものね!!

 コレからも二人で苦難を乗り越えて行きましょう!!」


 ジュリアの隣で、クレイモアに付いた血を拭うアリシアは、どこか勝ち誇った顔をしていた。

 こちらに向くと、溜め息をつきながら俺に剣を向ける。

 

「本当にお疲れです、会長


 会長の分まで私が切りました、出来ることなら今直にでも先程の再開をしたいのですが・・・

 また、トレントが集まって来ては面倒です、私はもう帰ります

 この決着はいずれ・・・」


 そう言って、立ち去ろうとするアリシアにジュリアは声を掛けた。

 珍しいな・・・


「そう言えばアリシアさん、なにか忘れていらっしゃらない?」


「・・・なんのことですか?」


「私、マリエル先生に聞いてきましたの


 確か・・・一年生がどうとか・・・」


「!!!」


 次の瞬間、アリシアは血相変えて森の奥へと飛び立った。

 一年生って・・・、レイチェルならここに居るぞ?


 アリシアが飛び立った後、ジュリアは誰にも聞こえない様に呟いた。


「・・・一年生は自力で帰宅したから速やかに帰りなさい、とね・・・」


 無論、マリエルからそんなことは聞いていない。

 怪我して戻って来た一年生の情報と、オリバーとアリシアが喧嘩中である事実を考えた結果。

 彼女が導きだした、嫌がらせであったのだが・・・


 そのことをアリシアが知るのは、彼女を捜しに来たエドガーに教えてもらってからだ。


 




 

 ジュリアさんは作者の思った以上に暴走してます

 生徒会長としてのジュリアさんは優秀なんですけどねぇ・・・


 オリバーの前でのみ、キャラが崩壊します

 理由は、オリバーのことが大好きだからです

 本当の自分を知ってもらう為に、アプローチを掛けています


 逆にオリバーは、

 普段は人に見せないジュリアの素を、自分には見せてくれている=信頼されていると思っています

 そこに恋愛感情はありません、ただ、親友として好意的に思っています。


 お気づきでしょうか?

 そう、オリバーは鈍感です

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