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20話目 大きな音を出すと集まります

〜新入生合同研修当日、夕方、フンババの森・アリシア視点〜



 周囲を土煙が覆い尽くす

 姿を確認することは叶わないが、会長は声で生存をアピールする

 本当に小賢しい男だと思う


 サンド・フィールド・・・

 地属性の『場』を作る下級魔法

 雷属性は地属性との相性が最悪のため

 周囲の雷属性への耐性を上げ、地属性の魔法に補正を付ける効果がある


 今回の場合、私の雷封じか・・・


 ためしにサンダー・ボールを発動してみる

 火花が散っただけで掻き消えた

 

 下級の魔法とはいえ、使い手によっては上級魔法に等しい威力を発揮する

 会長が発動させたサンド・フィールドは、どう考えても下級以上の効果を発揮している・・・


(面倒ですね・・・風で吹き飛ばしますか?・・・)


 そこまで考えて頭を振る

 それは出来ないと・・・


 なぜなら、今ココで忌まわしい土煙を風で飛ばせば

 それに乗じて花粉も飛ばしてしまうこととなる

 花粉が飛べば、とんだ先で植物がトレントになってしまう恐れがある


 そんな傍迷惑なこと、私はしたく無い


 私の思考を会長がそこまで読んで

 サンド・フィールドを発動させたのだとすれば・・・


 いや、そこまで読んでいるだろう、コレは確実と言える


 本当に小賢しい男だ


 アリシア自身気がついていないが、口元には笑みを浮かべていた

 小賢しいと言っていながら、彼女はオリバーの戦術を尊敬している

 なぜなら、自分では絶対に考えつかないであろう戦術だからだ


 オリバーは強い

 正攻法で戦ったとしても十分に強者の部類に入る実力者である

 

 しかし、彼はソコに搦め手を付け加える

 十分に強いのに、狡猾で強かな顔を覗かせる戦闘スタイル

 ジョブ・商人なんてやっていなかったら、余裕で八聖に選ばれることだろう


 雷属性の効果が弱まった今、

 サンダー・ウエポンの効果も薄い

 発動したばかりだが解除する


 まぁ、目的はライジング・ブレードの威力を底上げする為のものだったので十分だろう


 属性付与系の魔法で、武器に属性付与した後に

 その属性の魔法を使うと、威力を増すことが出来る

 さらに魔法自体を武器に纏わせることで、威力は何倍にも膨れ上がる


 ジョブ・魔法剣士はその効果を如実に表現したジョブである


 雷が駄目で、風も封じられたとなれば、水属性しか私には無い


 魔方陣を展開してもいいが

 オリバーが何して来るか予想出来ない

 まぁ、それを予想して展開するのが魔方陣の真骨頂なのだが・・・


 アリシアの苦手とする所であった


 ガサ・・・


 ん?

 変な音がしたな・・・


〜新入生合同研修当日、夕方、フンババの森・オリバー視点〜


 この世界における魔法の扱い方は大きく4つ


・詠唱魔法

・無詠唱魔法

・魔法陣

・魔導具


 以上の4つである

 

 詠唱魔法は普段俺達がやっている魔法

 詠唱を覚え、魔力を乗せてソレを唱える

 簡単そうだが魔法理解の優劣で威力が決まる、奥深い技術だな


 無詠唱魔法は、ある程度魔法理解を深めた魔法を詠唱無しで発動させる技術

 詠唱魔法に比べ威力のコントロールが難しいという難点があり、魔法の難易度が上がればより難しくなるが

 コントロールが難しい魔法は無詠唱にしなけばいい話で、下級の魔法を連発して撃てるメリットがある


 魔法陣

 俺がアリシアとの戦闘で一番気を付けている魔法だ

 まぁ、アリシアは俺がそこまで警戒しているとは知らないだろうが


 魔法陣とは、指に集めた魔力を使い、その軌跡で陣を描き魔法を発動させる術だ

 詠唱魔法、無詠唱魔法とは違い魔法を深く理解しなくても、魔法陣の書き方さえ覚えてしまえば

 誰でも同じ威力の魔法を扱うことができる便利な魔法である

 さらに、一定空間内(普通の場合、魔法陣の中)での威力が極めて高く、また、魔法によっては魔法陣の中に居る生物の行動に制約を掛けることも出来

 呪いの様な魔法も掛けることが可能だ・・・


 厄介な魔法なのだ

 魔法剣士が片腕をフリーにするのは、片手で魔法陣を描く為だ

 魔力の軌跡で描くので紙などは不要

 接近戦の最中に、自分の身体に魔法陣を描かれたらソコで敗北が決まるといっていい

 ・・・そこまで、書かせる様なヘマはしないが・・・


 如何せん俺は、この手の魔法が苦手だ

 去年の購買部運営委員の会長だったハルカに、その恐ろしさは身をもって教えてもらっている

 警戒して損は無い


 因みに、魔導具とは

 魔法陣を応用した魔法システムのことだ

 俺も深くは知らない、専門ではないからな・・・


 さて、俺は今、土煙に隠れてレイチェルの元に移動中である

 レイチェルと合流し、この場から退散する計画だ

 アリシアと戦うには準備不足すぎる

 せめて、愛用のサーベルが欲しい所だ


 えっ?

 木刀はどうしたかって?

 ライジング・ブレードを喰らった際、炭になって消えたよ

 流石に木刀で雷を逸らせようするのは間違いだったか・・・

 愛剣ならできたんだけどな・・・


 そんな無茶をしたからか

 右腕の感覚が麻痺している

 状態異常麻痺になっているな、面倒なことこの上ない


 アリシアが攻撃系のスキルを放って来なくて良かったと思う

 木刀を持っていたから、手加減されたのか?・・・


 いや、無いな

 手加減するなら中級の攻撃魔法は撃たない

 しかも威力、滅茶苦茶高かったし・・・殺す気だった・・・


 攻撃系スキルを使わなかったのは、単に気分じゃなかった可能性が高い

 勘弁して欲しい、雷で俺を殺したい気分とかマジ勘弁して欲しい


 俺はレイチェルに近付き耳打ちする

 砂を起こしすぎたらしく、影しか見えないけどな


「レイチャル、ココから退散するぞ

 付いてこい・・・」


「キキィ・・・」


 はっ?

 ききぃ・・・?

 何言ってんだレイチェル・・・


 俺が不振に思っていると、遠くの方で俺を呼ぶ声がする


「師匠〜、生きてて・・・グス・・・良がっだです〜〜」


 レイチェルの声だ・・・

 なら、先程、俺が話しかけたレイチェルは何なのだ?

 後ろに気配がする、咄嗟に振り向くと、ソコには焦った表情のアリシアが居た


「面倒なことになりました、一次休戦にしましょう

 あの一年生を救出して撤退した方が良いです」


 コイツから、休戦を申し出るとは珍しいな


「なにがあった?」


 未だ現状を把握出来ていない俺に、アリシアは大きな溜め息を付く

 アレ? 何だか鼻がむず痒く


「ハックション!!・・・」


 なんだ?!

 なんか、花粉の量、多く無いか

 さっきより濃い気がするのだが・・・


 レイチェルの悲鳴が響き渡る


「師匠・・・た、助けて下さい・・・トレントに囲まれてます!!」


「!!」


 近くに居た影をよーく見ると


「キキィ!」


 トレントでした

 ダガーを抜き二撃で沈める


「アリシア・・・何体居る?」


「砂埃を解除して、自分の目で見て下さい」


 サンド・フィールドを解除

 徐々に見えて来る、トレント、トレント、トレント、トレント・・・・


 あれ?

 100匹、200匹どころじゃなくね?

 

 俺達の周りを取り囲む無数のトレント

 レイチェルに至っては、トレントから逃げる為、木に登ってる


 しまった・・・

 元々、トレントが群れている場所の近くだったのだ

 そこでこんな騒ぎを起こせばどうなるか?

 トレント・・・集まって来るね・・・


 流石の俺もアリシアも

 この数を何の準備も無しに相手するのは荷が重い


 逃げるしか選択肢は無いのだが


「た、たすけてくださ〜い!!・・・」


 可愛い後輩は、トレントが群れている中央の大きな木の上だ

 助けるなら戦闘は避けられない・・・


 後輩に声を掛ける


「レイチェル!

 今直ぐ助けに行くから、ソコから矢を放ってくれ

 トレントが邪魔で動けない」


「ううぇえええええん

 そんなの無理ですよ〜〜・・・」


「大丈夫だ、お前の爆撃能力に期待する」

「そんなことしたら・・・師匠達も危ないと・・・」

「大丈夫だ、俺もアリシアもそんなコトでは死なない、安心して矢を放て」


 アリシアを見ると、凄く嫌そうな顔をしている

 レイチェルの渾名は知っているのだろう


 だが、他に手が無いことも理解しているらしい

 溜め息混じりに声を出す


「私は大丈夫です、気にせず矢を放って下さい」


 その声で決意を固めたのか、レイチェルは大きな枝の上に立ち弓を構える


 ああ、ソコまでは良かったんだ

 まさかソコで枝が折れるなんて・・・


 そんなお約束、誰が期待したのだろう?

 

 



 なんだかんだで20話到来

 現在の作者は物語をコンパクトに纏めるスキルが低いので

 

 現在、

 新入生合同研修の話を30話までに纏めるという

 極めて低い目標を定めています


 ちゃんと纏まるか不安ですが

 これからも応援よろしくお願いします

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