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11話目 職人が丹精込めて作ってます

 この作品中、トップクラスの駄目な人が登場します

 

 エセ関西弁です、注意して下さい

 読みづらいと思います、注意して下さい

〜新入生合同研修説明会でアリシアが新入生に目を付けられたのと、同じ頃・オリバー視点〜


 商業・職人学科の為に学園の地下に作られた『工房地区』・・・

 暑くむさ苦しい雰囲気のあるそこは、小さい村程の規模があり、

 そこには大小様々な小屋が建てられており、商業・職人学科・・・特に職人の方が自らの工房として利用している。

 

 この学園において、商業・職人学科は異様な学科だ

 入学と同時に、小さい馬車と、馬を2頭、そしてこの『工房地区』の小屋を一つ宛てがわれる

 

 まぁ商業系は、俺の様に外に店(購買部)持ってたり、馬車と馬を使って行商に出る者がほとんどだ

 故に使用用途としては、商品の物置か、俺もそうしているのだが、職人系の学生と年間契約で小屋を貸し与える場合がある


 職人系の学生も外に工房を持っている場合もあるが

 学園の地下にある『工房地区』を利用する者が多い

 

 理由としては、学園の大広間や人がいっぱい集まる所で露天を開けば、生徒達が買って行ってくれるというのが大きいな・・・

 購買部と取引して、防具や武器などを卸してくれている奴も居る

 購買部ではオーダーメイドも引き受けており、職人系の奴らに頼む事もしばしばあった


 一際大きな小屋

 元々、二つあった小屋を壁をぶち抜いて繋げたため他より大きい

 片方は俺が貸し与えてるものなので、家主に許可無く潜入する

 

 むっとする、暑さが肌を撫でた

 異様な匂いが鼻に突く

 何事だこの惨状は!!!


 武器職人が使う工房なのと、奴が使っているということで、奇麗に使っているなどと期待はしてなかったが

 これは酷いだろう・・・

 部屋に散乱するゴミ袋の数々、食べ散らかされた食器類、腐った残飯・・・

 想像していたのと違うベクトルの汚さに吐き気を催した


 物音に気がついたのか、ゴミ山の向こうから男の声が響く


「ーーー何やねんこんな時間に、・・・どちら様ぁ?

 いま、ちょっと手ぇー放せへんのやけど・・・」


 独特の喋り方をするこの男の名はサミュエル

 商業・職人学科3年、ジョブ・ブラックスミス(鍛冶屋)のダークエルフである


「五月蝿いサミュエル、いいから出てこい」

「・・・何やねん、オリバーかいな

 この間、家賃は払うたやろ? 何の用やねん・・・」

「うじうじ言ってないで出てこい

 出て来ないと追い出すぞ!!!」

「ちょっと待ったてぇーな、今、素裸やねん・・・」

「・・・はぁ?」


 なんでコイツ裸なんだ?

 裸で寝る習性でもあるのか?


 しかしその答えはサミュエルの次の言葉で回答を得た


「悪いなぁ、ハンナちゃん

 ちょっと邪魔が入ってもうたから続きはまた今度、な?」


 服を着る音が二人分・・・

 俺は怒って良いのだろうか?

 それとも俺が悪いのだろうか?


 しばらくして出て来た龍人族の女に凄い睨まれた・・・

 俺が悪いのか?

 昼間から学園の敷地内で盛ってるお前等もどうかと思うぞ?


 そしてゴミ溜めの奥から不機嫌そうなダークエルフ

 褐色の肌に、銀髪、緑の瞳に、白い眼鏡を掛けた男・・・コイツがサミュエルだ・・・

 今は、最低限の下着姿だ


「よくこんなゴミ溜めに女を連れ込めるな」


 サミュエルは口を歪めて笑う


「女はな場所なんて二の次やねん、重要なのは誰とソコにおるかやで

 恋愛マスターたるワイのありがたいお言葉や、よぉ〜覚えとき」

「五月蝿い、『性欲の魔人』

 お前、男子の間でなんて呼ばれているのか知ってるか?」


 サミュエルは少し考える素振りを見せた後


「勿論、男子共からは嫉妬や憧れの眼差し受け取るに違いあらへんな!

 あぁ〜、ワイってなんでこんなにも罪な男なんやろう・・・」

「若干違うな、『歩く短小子作りマシーン』・・・だ」

「どこが若干やねん!

 それにワイは短小違うわ!

 そりゃあもう立派な息子がおってやな・・・」


 下着を脱ごうとしたのでサーベルに手を掛けた


「切り落としてやろうか?」

「オリバーも男やったら、そないなこと冗談でも言ったらアカンでぇ!!!」


 えっ!

 結構、本気だったぞ?

 コイツの性欲は切らないと治らんだろうし・・・

 第一、他人にアレを見せようとするコイツが悪い

 男の見ても、性癖ノーマルな俺には不快でしかないからな・・・


 サミュエルは一端奥に戻って作業着に着替えて出て来た

 

「念の為に股間ガードも装着済みや

 見てみぃ、ワイの自信作!」


 ズボンの上から付けられたそれは、確かに頑丈そうではあったが・・・

 かなり無様な姿になってるぞ、お前?


 深々と溜め息が出た

 コイツのペースで話をすると日が暮れる・・・


 俺は無言で一枚の紙切れを渡した


「何やねんコレ・・・設計図・・・かいな?」


「あぁ、そこに描かれている物を作ってほしい

 用途は・・・お前なら解るか


 設計図に描かれていなことも、お前が気付いたら付け足してくれ、アイデアも頼む

 後日、改めて検討したいからな


 材料は揃ってるから明日運ばせる

 期日は新入生合同研修の2日前辺りに頼む

 支払いは物が出来てからだ」


 一気に言うと、サミュエルは顎に手を当てた

 先ほどまでのふざけた感じの無い、職人の顔だ・・・


「おもろい事考えるなぁ〜、ええやないか、コレで死人減るわ

 ちーと、手ぇ加えさせて貰いたいとこ有るねんけど・・・

 参考までに予算おいくら?」

「本体の値段とそんなに変えたく無いのだが、本体の値段+500Zゼニーまでだな」


 Zゼニーはこの世界の通貨の一つだ

 その他に、ゴールド、ルピーなどのがあり、この3つが世界の三大通貨である


 サミュエルが渋い顔をした


「せめて後、500Zどうにかならへん?」

「どうしてだ?」

「簡単なサスペンション入れたいんよ・・・

 これ、乗っとる側の事も考えてみ?

 乗り心地最悪やで」


「解った、あと200Zプラスしてやる

 これでどうにかしろ」

「相変わらずこの人、ケチやわー

 どうせ作るなら金掛けてでもエエもん作ろうとは思わへんの?」


 俺は深々と溜め息を付いた

 商人の何たるかが解っていない

・・・根性を叩き直してやろう・・・


「馬鹿かお前は

 商人が第一に考えなければならんのは

 好い物を安く仕入れ、お客様に得をしたと思わせる金額で、お客様に笑顔で買ってもらう事だ!

 俺は守銭奴なんて言われているが、嫌がらせ以外でクレームが来た事など一度も無いぞ


 この程度の物・・・出来が良くても高かったら、何処で利益を出せという?」


 サミュエルは言い返せないらしい

 

 小声で、「この守銭奴に何言っても通じへんわ」と言ったのはオリバーには聞こえていない。


「わかったわ、任しとき

 その予算でどうにかしちゃるわ!」


 サミュエルは半ば自棄糞気味だった


〜続きまして・サミュエル視点〜


 サミュエルがオリバーと出逢ったのは3年前の入学式

 当時、先輩で騎士学科だったオリバーとサミュエルはエドガーを通じて知り合った


 エドガーがサミュエルの出す露天に顔を出し

 連れられて来たオリバーが現れる


 そうして彼等は意気投合しつるむ様になった

 サミュエルは後に語る


「あそこでワイの命運は尽きたんやろうな〜〜」、と

 


 はぁ!

 なんや、意識が飛んどった・・・危ない、危ない・・・


「どうしたサミュエル?

 女を泣かしすぎた罪で、お迎えが来たか?」

「・・・そうやな、来てくれるんやったら美人の天使様が良かったんやけど

 守銭奴の悪魔やしな・・・」

「悪魔である事は否定せんが、俺ならお前を死ぬまでタダ働きさせる

 ・・・仕入れ金が浮くからな・・・」

「殺生な! 生き地獄かいな!!!」

「なら、ちゃんと作れ。お前の腕ダケは信用している」

「腕、ダケか!!」


 溜め息が出て来る、ほんまにこの守銭奴は・・・


「あと、コレも手入れしといてくれ」


 出されたのはオリバー愛用のサーベル

 また、溜め息が出て来る


「あのなお客さん、この業物な・・・

 

 毎日欠かさず手入れしとって、戦闘ではここ最近一度も使っとらん剣を、どないして手入れしろっちゅうねん!! 舐めとんのか? お前の嫌いな無駄遣いやで?」


「この間、アリシアが何故か怒って出て行った、

 今回もソレが必要になるだろうから適当に研いどいてくれ・・・」

「またかい! つーか、剣の手入れ要求しとる段階で想像出来とったわい!」


 アリシアとオリバーは喧嘩すると何故かしらへんけど、剣と魔法だけを使った決闘で白黒付けたがる

 その度に、平時なら殆ど使わへん愛剣を手入れしにやってくるんやけど・・・


 ぶっちゃけ、研ぎ過ぎると碌な事にならへんのやけど・・・

 まぁ、言っても聞かへんから仕方ないんやけどな


 サミュエルはサーベルを受け取り、こそっと『手入れ終了』の紙を貼った

 刃物の研ぎ過ぎはあきまへん、毎日、ちゃんと手入しとるんなら、過度に研ぐ必要は無いんやで


 

 

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