70.唇は直前に食べた物の味がするもの
帝都の秋って、けっこう暑い。
秋っていうより、年がら年中暑い気がするけど、私が雪国から来たのと無関係じゃないよね。
きっと。
この時期の南部は秋の気配が強くなって、ちょっと肌寒いくらいで、羽織る物が手放せなかった。
なのに、帝都では制服の上着がちょっと煩わしいくらい。地図で見たら親指と中指を目一杯伸ばしたくらいの距離なのに、別の世界みたいなんだ。
気候の差のせいなのか、採れる野菜も、調味料の具合も。
あと、同じ種類のハーブ――ドライならまだしも、フレッシュハーブなんかでも、香りも歯触りも全然違うからちょっとびっくりしちゃう。
ホノマくんが選んでくれた南部のお料理のお店は、味付けも料理の仕方も、塩気が強くて、香辛料も多め。
南部の味そのもので、甘味を前面に押し出してくる帝都のお料理に比べたら、下に馴染んでるんだけど。
でも、このじゃがいもがね。
食べ慣れてた南部のお芋と全然イメージが違うんだ。
冬が近づくと、南部ではキャベツとか葉物は雪の下に埋めて、根菜は氷室に入れて寝かせる。
長い冬の間、ずーっと食べれるようにっていう生活の知恵なんだと思うけど。それ以上に、寝かせてる間に少しずつ美味しくなる。
そういう種類なんだって、デアルタさんがくれた本には書いてあったっけ……。
じゃがいもなんて、寝かせるとどんどん美味しくなってくんだけど。そういう、舌の記憶っていうか、思い出が食欲を邪魔してる。
目の前のお皿にはウィンナーとたまねぎと一緒に炒めたじゃがいもが盛られてるんだけど。
このお芋。舌触りがちょっと柔らかくて。でも、すごく香りが強くて。なんていうか、炒めものにはあんまり向いてないんじゃないかな?
歯触りが弱いし、舌触りも粘つくし。
正直、美味しくなくて、さっきからお皿の上の料理をフォークでつついてばっかり。
ちらって見てみたら、テアもエウレもお料理の感想は同じみたいで、フォークの動きがすっごく鈍かった。
食事が進まないから、おしゃべりも自然に重くなっちゃって。
でも、久しぶりに会えたんだし。懐かしい南部のお料理――少なくとも、味つけは南部風なんだし。
楽しくご飯食べたいのに……。
なんて、ちょっとしぼんだ気持ちが重りみたいに気持ちにぶら下がって。重い気持ちのせいでどうしても視線を下がっちゃって。
だから、お料理だけ見つめてしょんぼりしてたら
「そういえばさ。トレには剣術大会の招請状、届いてないの?」
「いえ。士官学校には個人の郵便物なんか届きませんし……」
「ふうん」
かちゃんって小さな音がした。
テーブルの上で聞こえたら、ちょっぴりマナー違反のその音の方を見たら、お料理の事はあきらめたみたいにフォークを置いたテアが、ふわっと笑いながら話しかけてくれた。
「今年はトレにも招請状が行ってるはずだってクレアラ様は言ってたんだよ」
「私は受取ってないですね」
全然覚えのない話。
けど、教会では偉い人――でも、先生としては全然だったクレアラさんが言ってたって言われると、なんだか不安になっちゃう。
「剣術大会の期間中、一緒に遊べると思ってたのに。……残念」
「ごめんなさい、エウレ」
だって、士官学校の剣術の訓練とか、弱い方からのが早いくらいだもん。
そんな私に招請状なんか、来る訳ない。
当たり前の事なんだけど、そんな話したら、紅茶色の毛皮でふわふわの、エウレのおっきな耳がぺたーってなっちゃった。
ごめんね。
「でも、どうして私なんかに?」
「さぁ……。ふたつなの祝いでぼくが言ったのを真に受けた人がいたのかもね」
「なに言ったの?」
「剣術の試合でぼくに勝った事があるって」
「そっか」
その場で、勝負を見てたからっていうのはあると思うけど、少し疑問持とうよ……。
あれ、完全にまぐれだったよ。
「久しぶりにトレと手合せできると思ったのになあ」
「だから、あんなのまぐれだったんですってば!」
でも、テアはそう思ってないのかな。物凄く真剣な顔してる。
そういう顔で見つめられるのって、腰の後ろ辺りがぞわぞわするから、ちょっと苦手なんだよ。
なんか、吸い込まれちゃいそうなんだもん。
視線がちくちくって刺さってくるけど、眼は合わせない。もう、この話はおしまいにしてって意思表示。
それが伝わったのか、テアもそれ以上は踏み込んでこなかった。
話題が切れちゃった私とテアの間に横たわった沈黙は、なんだか気まずくって。だから、エウレに「南部はいまどんな感じですか?」なんて。
もう無理やりな話題の変え方だけど。でも、テアはなんにも言わなかった。
少しだけ目を細くして、ただじっと見つめてきただけ。
視線が胸の奥まで刺さってきそうで、胸の辺りがちくちく。
私が南部を発ってから、塩以外の物もクリーネ王国から運び込まれるようになって、南部全体がちょっとずつ豊かになって――少なくとも、デアルタさんが作ってた、口が曲がりそうな味のふすまのパンを食べなきゃいけないっていう地域はどんどん少なくなったんだって。
新しい司令のおじさん――ソンナ・サルカタっていう、マレ僧正よりは若そうだったけど。
でも、きっとどっちかって言えばおじいちゃんっていう雰囲気のその人も、そういうのになんにも口を出さないみたい。
なにも言わない司令を飛び越して、父さんとクレアラさんが色々話し合いをしたおかげで、教会でも軍隊の車がつかえるようになって。
だから、教会の施しもずいぶん遠くに行けるようになって
「今まで行けなかった山奥に物を届けに行ったとき、村の子に「女神さまが来たのかと思った!」って言われたんだよ!」
にこにこして、すごく楽しそうなエウレの話をきいてたら、私も嬉しくなってくる。
そのままの勢いで、学校の様子を話そうとするエウレの耳がぱたぱたって動くのがすっごく可愛くて。ずっと見てたいなって思ってんだけど
「主賓がすみっこでなにしてんのよ、もう!」
「あ、いえ。あの……」
気がついたら、期間限定でおっぱいばいーんのアールネさんがテーブルの前で仁王立ちしてて
「こっち来なさい!テア様も!さっきのキスの話、詳しくきかせてもらうから!」
それ、終わった話だと思ってたのに!
もうやめてええぇぇー!
初ちゅー話を根掘り葉掘り聞かれて。それだけで、ほっぺとか耳とか、ものすごく熱くなってきちゃってたのに
「二回目はね……」
ルビーみたいに透き通る真っ赤な瞳で私をきろって見ると、テアは口の端だけ上げた、意地の悪そうな笑みを顔にはりつけてさ。
そんな話始めようとして
「二回目!?」
周りの皆がざわってして。
もうそういうのほんとに終わりにしてほしいのに。まごまごしてる内に、エウレがどんどんお話を山盛にしてく。
ほんとは、テアに平手打ちしたはずで、エウレだって見てたはずなのに
「ちゅーされて、トレもほーってなっちゃってたんですよ!」
とか、ものすごいフィクションが!
ほんとは、なんだか無理やりだったし。腰の辺りがぞわぞわして気持ち悪くて。そういうの、すっごい恐かったのにさ。
うあー!
もう、ほんとにやめて!
あの時のテアの顔とか。
あと、唇とか。それから口の中に。舌に、感触が少しずつこみあげてきちゃう。
そんな話と、皆のきゃいきゃいした甲高い声が私の頭の中をぐっちゃぐちゃにかき回して。
それで
「トレ、鼻血!鼻血出てる!」
「あ、え!?」
気がついたら、私の羞恥心は限界振り切っちゃって。そのままお店の休憩室に運び込まれるっていう大失態。
鼻血出して倒れるとか、いつぶりだろう。
ほんと、恥ずかしい!
ばたんきゅーだった私が席に戻るのを待ってお開きになった同窓会。
お店の人に迷惑をかけてごめんなさいって、お詫びして、扉を潜ったら、その頃にはもう西の空が赤くなってた。
消灯時間にはまだ早いけど。でも、外出許可の時間はもうすぐ終わりだし、早く寮に帰って休みたいなって思ったんだけど
「学校の前まで送るよ」
なんて言ってくる、恥かし原因物質第一号。
なんだか穏やかに笑ってるけど、鼻血の半分はテアのせいだからね!
もう、どきどきしたり恥かしかったりなって耐えられないもん。
だから、お腹に息を吸い込んで、なるべくはっきり
「ホノマくんも一緒だし、大丈夫ですよ」
ちゃんと断った。
断ろうとした。
そのはずなんだけど
「私も、トレが通ってる学校見たいな」
「エウレがそう言うなら……」
きゅーって手を握るエウレのおっきな耳がぺたーってなってるのを見たら、すぐほだされちゃった。
……私、意思弱すぎ。
バスを何度も乗り継いできただけあって、学校まで戻る道はちょっぴり遠くて。でも、その長い距離のおかげで、エウレとゆっくり話せたのはほんとに嬉しくて。
だから、学校までの道なんかあっという間。
少し前を歩いてたホノマくんとテアも、歩き始めた時はなんだかぴりついてたけど。一言二言話し始めたら、その内にこにこになって。
そんな楽しい気持ちのまま、今日が終わるんだって思ったのに
「やぁ」
もう少しで学校っていうところで、不意に後ろからかけられた聞き覚えのある声に、そんな気持ちはきゅーって縮んじゃった。
声の主は身に着けたその服と同じ色の髪が、夕方の赤い光に照らされて、うっすら赤く染まってる。
閉じてるのか開いてるのかわからないくらい細い、少し笑ってるみたいに見える眼。
眼と同じようにゆるく弧を描く口元は、柔らかい表情に見えるけど。でも、薄っぺらで冷たい。
歩いてきたのは学校の外側を囲む柵沿いの一本道で、誰ともすれ違わなかった。
だから、後ろに人なんかいるはずない。
でも、その声は後ろからかけられて。現に、声の主はそこにいる。
「クイナ、さん」
「なんで貴方がここに?」
立ち止まった私とクイナの間に、少し先を歩いてたテアが。その隣には、ホノマくんがいて。二人が立ちふさがってくれたから、クイナは見えなくなった。
怖くて、気持ち悪くて、少しずつ冷たくなって、力が抜けてく私を二人の背中と、つないだ手から伝わってくるエウレのぬくもりだけが支えてくれる。
一人じゃない。
大丈夫!
皆がいてくれるんだもん。
あの日みたいに、ひどい事なんかされない。
腰に佩いた剣に手をかけたままテアは、少しだけ体制を低くして身構えてる。
背中越しにだってわかる、胸が押しつぶされそうなくらいの威圧感。
こんなに攻撃的なテアを見るのは、きっと三回目。
けむりさんと向き合った時と、デアルタさんのお屋敷でぼろぼろだった私を助けてくれた時。
それから、今。
いつだって穏やかで。だけど、怒ったらほんとに怖い。
それがテアの本質なんだ。
でも、そんなテアを前にしても、クイナの気配は少しも変わらなかった。
空気ごと凍りついたみたいに誰も話さない。ただ、自分の心臓の音だけが耳元で大きくなってくのがわかるだけの時間。
「あいつ、知り合いなのか?」
けど、そんな耳が痛くなるくらいの沈黙の中、ホノマくんがぽしょってつぶやくみたいにきいてくる。
「少し前に会った人です。知り合いって程じゃ……」
答えようと思って開いた唇が、ぴって切れちゃった。
なんでこんなに乾いてるんだろう?
緊張してるから?
でも、それだけじゃないよね?
空気そのものが、なんだかぴりぴりしてる。
それに、乾いてぴりついてるのは空気だけじゃなくて、同じデザインの。でも、その色合いの明るさは対照的な服を身に着けた二人――にらみあってるテアとクイナの気配がぴりぴりって肌をさしてくる。
「僧兵に睨まれるような心当たりなんか、毛ほどもないけど」
「君達全員、心当たりくらいあるだろう? それに、彼女とは手を握った事もある仲だよ。知らない仲じゃない」
心当たりがないっていうのは嘘。
だって、私もホノマくんもクリーネ王国と浅くない関係があるもん。
それに、教会でテアがなにしてるかなんて知らないけど。でも、私がオーシニアの言葉をしゃべれるのは知ってる。
同じ理由なら、エウレだって僧兵に眼をつけられちゃう可能性もゼロじゃない。
少なくとも、心当たりがあるっていうクイナの言葉の方が真実に近い。
……のは確かなんだけど。この人、どうして私と手を繋いだとか言い出してんの!?
あれは、繋いだんじゃなくて掴んだ。だよ!
手首はぎしぎしなっちゃったし、痕がついて酷かったんだから!
真面目な話をしてるんだと思ってたのに、なんなのこれ……。
「無理強いしたんじゃない?
トレが手を握らせる男なんて、それこそ限られてる。貴方はお呼びじゃないと思うけど」
「それは、お互い様だろ。今だって、男二人で歩いてたじゃないか」
無理強いは、された。
されたけどもさ。
なんか、おかしくない?
この話の流れ、なんだかおかしくないかな?
二人とも。ねぇ。
その上ね。
隣でふるえてたエウレが急にふいって息を吸い込んで
「お呼びじゃなくなんかないよ!テアはトレとちゅーしたことだってあるんだから!」
ばかー!
「へぇ……」
「なんでいまそんな話するんですか!?」
「だって、あいつ、なんか、ひどい!」
前に立ちふさがってる二人の背中越しに、クイナを指さしてるけどね。
きっと、酷いのはエウレだよ!
エウレの頭蓋骨の中の、ぷにぷにのなにかの方だよ!
「じゃあ、ぼくもキスさせてもらおう。このぼくが、若い司祭様に負けているというのは面白くない」
勝ち負けの問題じゃない!
なんて、思う私もずれてるんだろうけど。
声が言葉毎に近くなって。
だから、クイナが近づいてくるのはテアとホノマくんの背中越しにもわかって。その声に向かって、テアが一歩。二歩って踏み出してくのを見送る。
だあんって大きく踏み込むのと、しゃりんって音とがぎんっていう音。その全部が同時に聞こえて。
それから一瞬あと、ぱたぱたぱたって、水っぽいなにかが地面に落ちる音がした。
鞘から抜き放たれたテアの剣は、クイナの首の辺りに向かって伸びて。でも、その剣をクイナの左手が握りしめてる。
なにがおきたのかわからないくらい速いテアの剣。
それを受け止めたクイナの手からはぼたぼたと赤い雫が落ちた。
手で剣を受け止めるなんて、鉄の手甲をつけてたって無理なのに。でも、刃を握るクイナは表情一つ変えていない。
「さらに速くなった、かな?この間の大会の時は、止められたのに……」
「それなりに鍛錬してるからね」
「そう」
「貴方も、相変わらずの剛力だ」
「生まれつき、ね」
言い終わるよりも早く、みしみしって音がして。クイナはテアの剣をそのまま握りつぶした。
焼きを入れて鍛えてあった剣の先端。一番硬かったはずの部分が、銀色の粉みたいになってぱらぱらと地面に落ちてく。
傷口からぼたぼたと流れる血をぱんぱんって服の裾で払うと、クイナは ちょっと熱い物を触っちゃったくらいの気軽さで、ふっと傷口に息を吹きかけた。
吐息で吹き飛ばされるみたいに剣のかけらがふわっと舞う。
血の量だけでひどい傷だってわかるのに、クイナの表情は変わらない。
「得物がなくなったけど、まだやるかい?」
ただ、テアに向かって笑うだけ。
「単純な力比べじゃ、こっちに勝ち目なんかないよ」
「わかってるじゃないか」
「でも、トレに触れようとするなら、話は別だね」
折れて短くなった剣を、テアは両手を大きく広げて、通せん坊するみたいな型に構えた。
重心を少しだけ踏み出した右足にのせる、私が習ってる正規の剣術には存在しない。けむりさんとテアしか使わない型。
でも、それがどんな威力なのか。
長さとか距離とか、そんなの関係なく切り裂く技なんだって、私は知ってる。
それはきっと、クイナも。
「そこまで執着されると、余計ちょっかい出したくなるな」
でも、かすめただけでなんでも切り裂く斬撃を繰り出そうとするテアを目の前にして。クイナは気味の笑み深くする。
口の端から除く糸切り歯が、鮫とかライオンとか。なにか、肉食獣が獲物をもてあそぶときみたいな嫌な表情。
その表情は、まだまだ遠く――歩いて七~八歩はありそうな距離にあった。
そう、見えてたのに
「な!?」
「に!?」
すぐ近くにいたはずのホノマくんの声が先。そのすぐ後にテアの声が続いて。その声より早く、私の身体はぎゅーってなにかあったかいものに固定された。
そのあったかいものに、胸の辺りをものすごい力でしめつけられて。
あちこちからみしみしって音がして。苦しくてもがこうしたら、胸の辺りでぺきって、凝った肩が鳴るみたいな音がした。
それから、ぬるぬるしたものを塗りたくられた――きっとそれは血液だって臭いでわかったけど。
その、ぬるぬるべとべとのなにかがぎゅーって私の顎を捕まえて。そのままぐいって上を向かされる。
身体をしめつける力も、顎をつかむぬるぬるしたその手も。全部にしめつけられるのが痛くて、苦しくて。
しめつけられて肺から出ていっちゃった酸素を取り戻さなきゃって、陸に上げられた魚みたいにもがきながら、ようやく開けた唇の隙間にぬるぬるしたなにかが割り込んできた。
「んー!んんーっ!」
なにこれ?
気持ち悪い!
苦しい。
痛い!
割り込んできた、ぬるぬるしたなにかが口の中をかき混ぜてくその感触は、身体中の毛穴が逆立つくらい気持ち悪くて。
ぎゅーっと閉じてた目を開けたら、すぐそこにクイナの顔があって。だから、口の中をかきまわしてるのがクイナの舌だってわかるまで、一瞬。
「君、なんだかにんにく臭いね」
放り投げるみたいに地面に身体を投げ出された私の上に、クイナは言葉を投げてきた。
「なかなか面白かったよ。君をかどわかすのは、また今度にしよう。その方が楽しめそうだ」
貼り付けたみたいな笑い方じゃなく。歯を剥くみたいににーって笑いながら、クイナはどこかに消えてった。
それこそ、空気の中に溶けるみたいに。
エウレもホノマくんも。
もちろんテアも、それを止めるなんて出来なかったんだ。
声が聞こえなくなって、クイナの姿が消えるのと、触られたところ全部から心臓に向かって気持ち悪さが押し寄せてくるのはほとんど同時。
だから、そのまま
「ぅえぇー」
口の中のつばとか、お腹の中に残ってた南部の料理とか。今日の楽しかった気持ちとか。もう、なにもかも全部吐き出しちゃった。
汚いから倒れちゃいけないって思ったのに、意気が出来ないくらいしめつけられてた身体はどんどんかしいでく。
あの人、楽しい事があると必ず来るけど。ほんと、なんなの?
せっかく皆と会えて、楽しい一日だなって思ってたのに、ほんとに台無し。
もう二度と会いたくない!
……そう思うけど、また会っちゃうんだろうな。
そんなどうしようもない気持ちだけ、お腹の奥の方に残したまま。私の意識は暗いところに落ちてった。
今回は、無理やりちゅーを奪われるエピソードをお届けしました。
ちゅーして臭いとか言われたら、私だったらぐーで殴りますけど。主人公はその間もなかったんだなあ……。
ちょっぴりお気の毒だった気もします。
あと、この子。本命とちゅー出来るのいつなんでしょうかね?(私次第か
次回更新は2014/03/06(木)7時頃、しばらく出番のなかった幼馴染が登場するエピソードを予定しています。
更新についてなにか変更があれば、活動報告にて。




