表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月の光と葵の乙女  作者: 三好八人衆
桶狭間の戦いの章
1/42

プロローグ

日本国は全国各地で混乱の様相を呈していた。

この国を統べるはずの室町幕府・足利将軍家は継承問題や幕府を支える有力守護大名の権力争いで権威は地に落ち、全国各地で武将たちが戦いをくりひろげていた。

「・・・ほほぅ、これはこれは・・・」

その戦国武将の家の一つである松平家の居城・三河国岡崎城を旅人の衣装をまとった一人の老人が通りがかり、満足そうな笑みを浮かべた。

「ご老人、いかがなされたのかな?」

その様子をとがめた松平家臣・大久保忠世は老人に声をかけた。

「この城には幸運の気が渦巻いておる。この城の主―――本来の主は天運を味方につけ、大業を成し遂げるであろうな、と思ったのじゃ」

この岡崎城、たしかに現在城主として治めているのは忠世が本来主として仰ぐ人物ではない。『本来の主』とは忠世―――いや、忠世『達』がただ一人の主と仰ぐあの少女(・・)のことを指しているのだろう。

「誠でござるか」

「左様。ああ、そうじゃ―――」

旅の老人は、忠世に意味深な予言をするのだった。即ち―――

―――次の満月の夜の翌朝、駿河湾に乱世を鎮める月よりの遣いが現れる―――

「・・・は?」

「ほっほっほ・・・」

ポカンとした顔の忠世を老人が笑い、次に彼が瞬きをしたとたん―――

老人の姿は、どこにもなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ