9 熊のハンバーグ。
材料でわかったかもしれないが、今回作るのはハンバーグだ。
なので、まずは玉ねぎの微塵切りを炒めるところからやろうとおもう。
まず、玉ねぎの皮をむいて、そのあと、みじん切りにしていく。
「それ玉ねぎ?結構小さく切るんだね!大変そうだし僕が切ってあげるよ!」
俺が玉ねぎを切っていると、リトルが俺から包丁をとりそう言った。
「やめとけ。」
「ふふ、僕だって玉ねぎを切ることくらいできるさ!」
俺の忠告を無視してリトルは玉ねぎをみじん切りにしていく。
遅いし下手だけどな。
「目が!目がー!」
しばらく玉ねぎを切っていたリトルが涙を流してそう叫んだ。
言わんこっちゃない。
「はあ、後は俺がやるからそこで休んどけ。
あと、玉ねぎの汁が目に入った時は瞬きをするといいらしいぞ?」
「うう、わかった。」
リトルは素直におおじ、俺の言ったとおり瞬きをしている。
さて、切るか。
そして、俺はもう一度玉ねぎを切り始めた。
確か玉ねぎのみじん切りは縦に切れ込みを入れて横に切ると早いんだったか?
まあなんでもいいか。
俺は次々と玉ねぎをみじん切りにしていく。
「うわ!早や!」
リトルの目から涙が止まっているのでそこそこましになったのだろう。
よし、できた。
俺は使う分の玉ねぎを切り終わり、一息つく。
ちなみに俺はゴーグル(鍛治用)をしているので、損傷はない。
「レイだけずるくない!!ゴーグルなんかしてさ!」
「いや、ずるくねーだろ。しなかったお前がわるい。」
「もー!どーでもいいから、ご飯作って!」
俺とリトルの言い争い?にリリアは怒りそう言った。
「はあ、とりあえず次は玉ねぎを炒めて冷ます。」
はあ、リトルがまたもや、やりたい!と言い出したので、やらせたところ、火を強くしすぎて、危うく火事になるところだった。
そして、リトルはリリアから料理禁止令を出されていた。
さて、一応玉ねぎは炒めおわったので、冷ましているうちにひき肉とパン粉をつくろう。
ひき肉はまず、魔法で凍らした肉を半解凍にして、包丁でそれっぽくなるまで刻んでいく。
パン粉は・・まあ、パンを細かくしたらいいだろう。
そして、玉ねぎがいい感じに冷めたころ、ひき肉とパン粉が完成した。
「ねーレイ、まだー!お腹すいちゃった!」
俺がひき肉に塩を混ぜ込んでいると、リトルがそんな事を言い出した。
「お前は腹減らねえだろ!!」
俺はリトルにそう一言いい、ハンバーグ作りに戻った。
よし!じゃあ後はひき肉に玉ねぎ、パン粉、牛乳、卵、塩、胡椒を入れて、形を作っていく。
確か叩きながら、形を作っていくんだよな?
・・・まあ、こんなもんか。
少し歪なのもあるが、とりあえず形はできた。
「にぃにまだー?」
今まで、大人しく待っていたリリアは流石にお腹が空いたのか、そう俺に聞いてきた。
「後は焼くだけだがら、少し部屋でまってろ。」
そうリリアに伝えるとリリアは嬉しそうに部屋に戻っていった。
「おー!やっとできるの・・って!なにこれ!?こんなんが美味しいの?」
リトルは最初嬉しそうにきたが、俺の持っているハンバーグ(生)をみて、少し顔をしかめた。
そりゃ、焼く前はこんなもんだろ。
俺はそう思いつつハンバーグを焼いていく。
ふう、時間はかかったが、なんとか、完成した。
「うわー!!何これすごくいい匂い!!」
ハンバーグを皿に盛り付けているとリリアがそう言いながら部屋から出てきた。
「リリアか?ちょうどできたところだがら、運ぶの手伝ってくれ!」
「はーい!!」
俺の言葉を聞いたリリアは元気よくハンバーグを運んでくれた。
「じー」
そして、リトルはすごい視線で俺のハンバーグを見ている。
「・・・やらないぞ?そもそも、お前は作るの反対してたんじゃないのかよ?それと、"じー"っていうのは声に出すものじゃない。」
俺はハンバーグをリトルから遠ざけそう言った。
「その件については誠に申し訳ございませんでした!
僕にもそのハンバーグを食べさせてください!」
リトルはそう言って頭をさげた。
・・仮にも神だろ?そんなんで頭下げんなよ。
「美味しいものをを食べるためならプライドは捨てる!」
俺の心の中を読んだのか、リトルはキリっとそう言った。
・・・・。
俺はもう呆れるしかなかった。