8 熊肉!
俺はひとまず熊を庭におき、包丁とやり方の本をもってきた。
「にぃに、かいたい?ってどうやるの?」
庭に戻るとリリアがそう俺にきいてきた。
「切る。」
俺はリリアにもわかるように簡単に説明した。
「いや、流石に簡単すぎでしょ!」
リトルがそう話に入ってきた。
さてはこいつ、俺の心をよんだな?
ったく。集中するならもっと別のことにしろよな。
「はあ、とりあえず、リリアは部屋で待ってなさい。」
「えー!リリアもお手伝いするの!」
俺の言葉にリリアが不満そうに言う。
「お前にはまだ早いから、大人しく部屋にいてなさい。」
「やーー!」
またもや俺の言葉に不満を言うリリア。
だが、ここで引き下がる訳にはいかない。
リリアに解体を見せるのは早すぎる。
俺だってできればやりたくない。
だが、肉を食べる為には仕方がないのだ。
てなわけでリリアをなんとか部屋に帰らせよう。
10分後〜
リリアとの言い争いで10分も使ってしまった。
もちろん勝者は俺だ。だが、ご飯のあと遊ぶ約束をしてしまった。
はあ、もっと強くならないといけないのにな。
とりあえず解体していくか。
俺は包丁を持って本に書いてある通りに熊を捌いていく。
「うわ、グロ。」
リトルが顔を顰めてそう言った。
しゃあねぇだろ。俺だって同じ感想だよ。
まあ、最初にしては上出来だろう。
少し時間はかかったが無事に解体することができた。
「にぃに終わった?」
俺が一息ついてるとリリアが家から出てきた。
「ああ、今終わったところだ。」
「じゃあお肉食べれる!?」
俺の言葉にリリアが目を輝かせて言った。
「うーん、そうだな。とりあえず、焼いて食べてみるか。」
「よし焼けたぞ。」
俺は肉を少し焼いてリリアとリトルに渡した。
「やった!僕ももらえた!」
リトルに肉を渡すと嬉しそうにそういった。
まあ、このくらいはいいだろう。
リトルに助けられたのは事実だし・・
・・とりあえず、食べるか。
俺はそう思い肉を口に運んだ。
うーん。まあ悪くはないが、正直まだ満足はしないな。まあすこし牛肉に近いか?
俺に続きリトルとリリアも熊の肉を食べた。
「んー!美味しい!噛んだ瞬間旨みがブワーと!」
「!!リリアお肉初めて!熊さんとっても美味しい!」
どうやらリトルとリリアには好評のようだ。
うーん、まあ、このままでもいいが、せっかくだしなー。何かないか?
俺はキッチンの材料を一通りみていく。
玉ねぎ、パン、卵、牛乳、塩、胡椒か。
ふむ。こんだけあれば、あれが作れるな。
ただ、時間も手間もかかるんだよなー。
リリアが待てるかどうか・・
「リリア、時間はかかるが、これを数倍美味しくできる。どうする?」
俺はリリアにそう聞いてみた。
「えー、僕はこのままでいいと思うけどなー!」
「うーん。数倍・・」
なぜがリトルが口出ししてきたが、リリアは難しそうに考え込んでいる。
「よし!にぃに!熊さんの肉数倍美味しくして!」
しばらく考えたあとリリアは美味しくする方を選んだようだ。
「えー、僕はそのままでいいとおもうけどなー」
「リトルは黙ってて!」
「はい!」
リトルが文句をいうとリリアがすごい形相でリトルを黙らせる。
「リリアは美味しいもの食べるの!」
リリアがそうリトルに拗ねたように言う。
「ごっごめんってー!」
そして、その言葉に謝るリトル。
「はあ、よし、それなら早速調理するか。」