7 リトルの魔法!
俺が、諦めかけたとき、リトルの声が聞こえた。
「っ!アンジュチェーン!!」
そして、その言葉とともに、地面から鎖が生えてきて、熊の魔物を捉えた。
俺はあまりのことに、呆然としていた。
だが、リトルの魔法はまだ終わらなかった。
「ゴッドライ!」
そして、今度は熊の元に、大きな雷撃が落ち、熊の魔物は跡形もなく、消えてしまった。
「・・・」
「レイ!大丈夫!?」
呆然としている俺に、リトルが駆け寄ってきた。
「・・なんだあの技!」
俺はリトルにあの格の違う魔法のことをきいた。
「ふふ!僕だって一応は神だからね!ある程度の戦闘は出来るのさ!」
そう言って、リトルは自慢げに話した。
そういえばこいつ一応神だったな。忘れていた。
「ちょ!忘れてたの!?」
あ!そういえば、俺と分裂しているときでも、心読めるんだな。
「うん!まあ、結構集中しないといけないけどね!」
なるほどな。まあ、なんで、今回それを使ったのかは今は聞かないといてやる。
それよりも!あの熊一撃で倒せるなら、最初からそうしろよ!
「ギク!いやさ!一応神の立場上、無闇にこの力を使うわけにはいかないだろ!?」
「・・・」
リトルの言葉に納得いかない俺はリトルをジト目で見つめる。
「うぅ、そっ、それよりも!君一人であの魔物を倒すなんてすごいじゃないか!誇っていいよ!」
リトルは話を変えるようにそう話した。
「なーにが、"誇っていいよ!"だよ!一撃で倒したやつに言われても全く嬉しくねーよ!」
「いや、本当にすごいと思うんだけどな・・」
リトルとそんな話をしていると、リリアが元気無さそうに近寄ってきた。
「・・にぃに、リリアのせいで、怪我しちゃったごめんなさい。」
リリアがそう、申し訳なさそうにいった。
ったく、篠宮といい、なんでこいつらは俺の怪我を自分のせいだとおもうのだか・・
「はあ、なんでリリアのせいになるんだよ。
俺が勝手に戦って受けた傷だろうが。」
「・・・」
俺の言葉を聞いてもリリアはまだ、元気がなさそうだ。
「・・・まあ、お前のおかげで魔物が狩れたからな。もしかしたら、俺の欲しかった魔導書も買えるかもしれない。だからありがとな。」
「!にぃに怒ってない?」
俺の言葉に恐る恐るリリアが聞いてきた。
「ああ、怒ってない。だから元気だせ。それに!今日は熊のお肉だぞ!」
俺はリリアにそういった。
「!!お肉!リリア食べてみたい!どんな味するかな!」
俺の言葉を聞いたリリアが目をキラキラさせながら言ってきた。
そういえばこの人生でまだ肉食ったことないな。
リリアなんて、話でしか聞いたことがないだろう。
「さあな。帰ったら解体するか。」
「うん!」
さっきとは裏腹にとても上機嫌になって、お肉の歌?を歌っている
ったく単純なやつだな。
俺がそう考えていると、リトルが話しかけてきた。
「さすがレイ!当然僕の分もあるんだよね!」
「いや、お前は食べなくていいだろ?」
俺はリトルにそうかえした。
正直貴重な食料なのでできるだけ減らしたくない。
「いや!味覚はあるしさ!僕も熊一頭倒したんだし!いいだろ?」
俺の言葉にリトルがそういってきた。
お前が倒したやつは黒焦げで食えないけどな。
まあ、とはいえ、助けてもらったからな。
「・・味見だけな。」
「レイのケチ!」
俺はリトルを無視し、熊を引きずりながら、家の方向に歩き出した。