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10 分裂

これ以上言い争うのも面倒くさいので、大人しくリトルにハンバーグを分けてやった。


「えー、半分?」


「別に食べなくてもいいぞ?」


リトルが文句をいったので、睨んでそう返した。


「あ、えっとありがたくいただきます。」


リトルはすんなり諦めた。


はあ、こいつ押しに弱すぎだろ。


俺はリトルにじゃっかん呆れつつ手を合わせる。


「「いただきまーす!!」」


「いただきます。」


俺は元気のいい二人に続き、そう言った。


そして、俺はハンバーグを口にいれる。


うまいな。ハンバーグにして正解だった。


俺が自己満足していると、リトルとリリアもハンバーグを食べた。


「「!」」


「おいしー!!にぃに!これとっても美味しい!!」


リリアは食べた瞬間そう叫んだ。


「うーん!やっぱ美味しい!僕が手伝っただけあるね!」


リトルは味見をしていたからリリアほどではないが中々に反応が大げさだ。

それはそうとして、なぜコイツはそんなにに誇らしそうなんだ?


「いや、おまえ、玉ねぎで目が痛くなっただけだろ。」


俺はリトルにそう指摘する。


「何を言っているのさ!僕は味見という素晴らしい役割を果たしたではないか!味見は料理の中で一番重要なのだよ!」


「・・・・」


俺はもう諦めてハンバーグを食べた。




俺はハンバーグを食べながらある事を思い出した。


「あ、そうだ。明日は熊の素材を売りに街まで行こうと思うからリリアは一人で待っててくれ。」


「えー!リリア退屈で死んじゃう!」


「いつも一人で遊んでるだろ。」


俺の言葉にリリアは文句をいうが、一人で遊んでる事なんてよくあることなので、そう指摘する。


「確かににぃには遊んでくれないけど一人は寂しいの!」


リリアは少し怒りながらも悲しそうだ。


「・・はあ、ならリトルにいてもらったら文句ないだろ。」


「むーわかった。」


俺の言葉にリリアは少し不満そうに了承してくれた。


「ねえ!僕なんかした!?なんでそんなに不満そうなの!?」


リリアの反応が気に食わなかったのかリトルがそう言っている。


「まあ、わからなくはないが、リトルで我慢しろ。」


「え、何その反応。わからなくもないって何?」


俺はリトルの問いに目線をそらして無視する。


「ねえ!ねえ!どういう事!?」


あーうるさいな。ったくそういうとこだろ。


「・・まあ、それは後にして僕と君は遠くまでは離れられないよ?どうするつもりなの?」


リトルは急に大人しくなり、そう俺に聞いてきた。


「あー。それはな、確かこれだったか?」


俺はリトルの問いを聞いて一つの本を開いた。


「この辺に・・お!あった。」


俺はそう言ってそのページに書いてある事をやる。


えーと。まずは魔力を手にあつめて、何もないところに形をつくってそれを調節すれば・・


「よし!できた。」


少し時間はかかったが、俺の分身を作ることに成功した。


「リトル、ここに乗り移る事はできるか?」


俺はリトルにそう尋ねる。


「僕は幽霊じゃないんだけど?まあ、できるけどさ。」


できるのかよ!


俺はそう思いつつリトルが俺の中からいなくなるのを感じた。


「よいしょ!」


そうリトルが言ったあと、俺の分身はだんだんリトルの姿に変わっていった。


「おー!すごい!肉体ではないけど自分で動ける!」


リトルは自分の手や足を動かして嬉しそうにそう言った。


「よし!僕少し外に行って確かめてくる!」


リトルはそう言ってもうダッシュで外に出ていった。

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