一話
またもや流行りに乗ってしまいました。婚約破棄物の第二弾。拙い文章ですが、暖かい目で見ていただけたら幸いです。
私の名はカレン・メーサ。
一応、木の聖女様とやららしい。
私が生まれた小国リーザン王国は、200年くらい前に聖女様が亡くなって以降、聖女様も聖人様も生まれず、各地に瘴気溜まりが出来てしまっている。そのせいか作物の実りも悪いし、病気になる人も多い、散々な国だった。
だからなのか、孤児である私なんかが女神様に選ばれて聖女になった時も、表面上は嫌な顔せずに、国王様もお貴族様も国民の人達も盛大に喜んで、私を持ち上げてくれた。
私が聖女になった歳には、既に厳しい孤児院生活の中で、性格は擦れきっていた。だから私は、手のひらを返したように私を特別扱いした院長も、私を敬って表面上そこそこ豪華な待遇を提供してきた国王様たちやお貴族様や王都の神官達にも、表面上は喜んで従っていたが、心の中では蔑んでいた。
まあ、あちら側も同じようだったからお互いさまだろう。
聖女になった後も、結構大変だった。数年に渡って、神殿で聖女の力を自由に使えるように訓練したり、基本的なマナーや教育を受けたり……。疲れたと言っても全然休ませてくれないし、美味しいご飯が待ってなかったら、すぐに逃亡していたところだ。
そんでもって、聖女の力をちゃんと使えるようになったら、直ぐに浄化の旅に出された。
この国には長い間、聖女も聖人も居なかったから、瘴気溜まりが発生すると、その場所の周りは放棄して立ち入り禁止にし、僅かな浄化の効力がある神殿の聖水を定期的にまいて、何とか広がらないようにするしかなかったからね。どんどん人の住める場所が削られるばかりだったんだ。今では、国内に中小合わせて数十の瘴気溜まりがある始末。
だからこそ、何をおいても第一の優先事項として、浄化の旅をするよう決められていた。
……本当は、中くらいの瘴気溜まりが出来た時は、すぐに他国から聖女・聖人を呼んで浄化するの普通らしいんだけど、この国の王族って、プライドがめちゃくちゃ高いみたいなんだよね。だから、他国に頭を下げたくなくて、浄化するのを後回しにした。
そのツケがこれだよ。
まあ、聖女に選ばれたし、相応の待遇もして貰っていたから、浄化の旅に出る事に不満は無かった。3年もかかったけど、国内の瘴気溜まりは一つを除いて綺麗さっぱりだ!
残りの一つは、200年前の聖女様が命をかけても浄化しきれなくて、封印するしかなかった巨大な瘴気溜まりだったからね。流石の私も一朝一夕に浄化は出来ない。周りの浄化と封印の強化だけしてきて、時間をかけて浄化していく事で納得してもらった。
浄化の旅を終えたら、国王様から表彰されて、王都内でパレードもして、色々終わって、やっと一息つけたよ。あー、疲れたぁあああ!!




