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悲しき仮面  作者: 碧野 颯
19/46

血塗られた誓い 5

仲宗根組若頭の村井は、ある人物のところに向かっていた。

組員が車を走らせている。

国道58号線を通過し、30分ほど走った後コザに着いた。


1945年、沖縄戦で日本が負け、GHQが沖縄に基地を建設する声明を出した。

1951年、サンフランシスコ平和条約第3条により、1945年から1972年までは、一時的に沖縄はアメリカの統治下になった。そのため、このコザはアメリカンな町並みで観光客も多い。


路地に入り、そのまま直進した。

「ここで止めてくれ」

村井が運転手に言った。

「すぐに戻るから」と言って、キャリーバッグを持ち、古い瓦屋のインターホンを押す。


沖縄伝統の瓦屋で、見た目はボロボロで今にも崩れそうだった。

ブーというブザーが鳴り、玄関が開いた。


中にはゴミが散乱していて足場がなく、生臭い臭いが鼻を襲う。

クローゼットからも服が散乱している。奥のほうに地下へ続く階段があり、降りていくと、様々な武器が壁にかけてあり、カウンターには外国人の男が立っていた。


「ムライサン、ヒサシブリデス」

彼は沖縄の裏社会の人物全員が愛用する武器商人だ。髪の毛は金髪で、体を鍛えているため、ゴツイ。

彼の武器はアメリカ軍基地から入手しているため、質が良く、値段もとても安い。

他の武器屋でハンドガンを買うと20万はいくが、ここでは半額以下の7万で売ってくれる。


「よぉ、元気だったか?」

「ベリー、ゲンキ」

と、腕の筋肉を見せた。


「じゃあ、ちょっといくつか貰っていくぜ」

村井は商品を見始めた。

武器商人はカウンターから出て、村井の隣に立った。


「ムライサン、オススメノアルヨ」と笑顔を見せた。

「おぉ、なんだ?」

「コレコレ、アメリカノ、ソルジャーカラモラッタ、マシンガン」

「これはすげえな」


M16A2、アメリカで製造されたマシンガンで、よく軍が使っている銃だ。

銃身長は508mm、口径5.56mm、装弾数は30発入る。


「ソシテ、コレ、ベレッタ、ソシテS&w M2944マグナム」

「なぁ、このマシンガンはこの一丁だけか?」

「イヤ、マダ20チョウアルヨ」

「全部くれ、ここの武器全部。」

「エッ!ゼッゼンブ?」

「チョットマッテ」

と言って、カウンターに戻った。


計算機を取り出し、計算を始めた。


「マシンガンガ、20チョウ500マンネ」

「やっぱ安いな」

「ピストルガ20丁デ140マンネ」

村井はバッグを開け、足りるかどうか確認をした。


「オッケー、ゼンブデ640マンネ」

「ほらよ」バッグを渡した。


「1000万入っている。持ってけ」

「オオ、アリガト。チョットマッテテ」

と言って、カウンターの奥の部屋に入っていった。


しばらくすると、巨大なバッグを持って戻ってきた。

「ハイ、ドウゾ」

バッグを渡した。


「オマケノシュリュウダン、イレテオイタヨ」


ニヤリと笑う村井。


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