血塗られた誓い 5
仲宗根組若頭の村井は、ある人物のところに向かっていた。
組員が車を走らせている。
国道58号線を通過し、30分ほど走った後コザに着いた。
1945年、沖縄戦で日本が負け、GHQが沖縄に基地を建設する声明を出した。
1951年、サンフランシスコ平和条約第3条により、1945年から1972年までは、一時的に沖縄はアメリカの統治下になった。そのため、このコザはアメリカンな町並みで観光客も多い。
路地に入り、そのまま直進した。
「ここで止めてくれ」
村井が運転手に言った。
「すぐに戻るから」と言って、キャリーバッグを持ち、古い瓦屋のインターホンを押す。
沖縄伝統の瓦屋で、見た目はボロボロで今にも崩れそうだった。
ブーというブザーが鳴り、玄関が開いた。
中にはゴミが散乱していて足場がなく、生臭い臭いが鼻を襲う。
クローゼットからも服が散乱している。奥のほうに地下へ続く階段があり、降りていくと、様々な武器が壁にかけてあり、カウンターには外国人の男が立っていた。
「ムライサン、ヒサシブリデス」
彼は沖縄の裏社会の人物全員が愛用する武器商人だ。髪の毛は金髪で、体を鍛えているため、ゴツイ。
彼の武器はアメリカ軍基地から入手しているため、質が良く、値段もとても安い。
他の武器屋でハンドガンを買うと20万はいくが、ここでは半額以下の7万で売ってくれる。
「よぉ、元気だったか?」
「ベリー、ゲンキ」
と、腕の筋肉を見せた。
「じゃあ、ちょっといくつか貰っていくぜ」
村井は商品を見始めた。
武器商人はカウンターから出て、村井の隣に立った。
「ムライサン、オススメノアルヨ」と笑顔を見せた。
「おぉ、なんだ?」
「コレコレ、アメリカノ、ソルジャーカラモラッタ、マシンガン」
「これはすげえな」
M16A2、アメリカで製造されたマシンガンで、よく軍が使っている銃だ。
銃身長は508mm、口径5.56mm、装弾数は30発入る。
「ソシテ、コレ、ベレッタ、ソシテS&w M2944マグナム」
「なぁ、このマシンガンはこの一丁だけか?」
「イヤ、マダ20チョウアルヨ」
「全部くれ、ここの武器全部。」
「エッ!ゼッゼンブ?」
「チョットマッテ」
と言って、カウンターに戻った。
計算機を取り出し、計算を始めた。
「マシンガンガ、20チョウ500マンネ」
「やっぱ安いな」
「ピストルガ20丁デ140マンネ」
村井はバッグを開け、足りるかどうか確認をした。
「オッケー、ゼンブデ640マンネ」
「ほらよ」バッグを渡した。
「1000万入っている。持ってけ」
「オオ、アリガト。チョットマッテテ」
と言って、カウンターの奥の部屋に入っていった。
しばらくすると、巨大なバッグを持って戻ってきた。
「ハイ、ドウゾ」
バッグを渡した。
「オマケノシュリュウダン、イレテオイタヨ」
ニヤリと笑う村井。




