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悲しき仮面  作者: 碧野 颯
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嵐の幕開け 5

 自分だけだと思ったら、会長以外の二人も腹をさすって険しい顔をしていた。

 我慢しようとしたがこれ以上は漏らしかねない。


「すみません、親父トイレに行ってきます」

 仲宗根が言った後に続いて 比嘉、喜屋武も同じことを言った。

「おいおい、大丈夫か?」

「すみません。失礼します」

 三人は、急ぎ足で会議室を出た。


「おい、お前もか」

 比嘉が仲宗根に話した。

「えぇ、急に腹が痛くなって…」

 会議室のドアが勢いよく開き、大城も出てきた。彼の顔には汗が流れている。

「あれ?頭もですか?」

「あ…あぁ…」

 大城は息を切らしている。

 相当な腹痛なのだろう。

 トイレに入り、個室が四つあったおかげで並ばずに済んだ。


 そして五分後、トイレの流れる音が聞え、大城と比嘉、喜屋武が出てきた。

 手洗い場で手を洗いながら話をする。


「あの酒ですかね?」

「そうじゃないか?」

「ですが、酒は腐らないのに不思議ですね」

 仲宗根はまだ腹痛が消えていない。

「おい、晃大丈夫か?先に戻ってるな」

「はい」

 なんとか絞りだした声で答える。 

 三人は出て行った。

 少しして腹痛はなくなり、手を洗いトイレから出た。


 すると会議室の方から、大城、比嘉、喜屋武の声が聞こえてくる。何を言っているのか聞き取れないが、とても焦っているのがわかる。

 何かあったのかと思い、廊下を走って会議室に急いだ。

 三人の声が段々と近づいてくる。


 会議室のドアを開けた瞬間、信じられない光景に目を疑った…

 そこには椅子に座っている、会長の頭と胸から血が流れていた…


「親父!親父!」

 三人が呼びかけても、まったく反応がない。


 台風の暴風音で銃撃音はかき消されてたのか、窓には銃痕が残っていた。

 銃撃されたのか…



 仲宗根は、体から血の気がひいていくのがわかった。


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