表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

創作詩11: 裏山の一夜

作者: 香月融

本投稿では、創作詩 ”裏山の一夜” を発表します。


 発達障害があると本人も辛いでしょうが、その家族もかなり疲弊します。学校の教師の中には、「家族の問題だから」と言わんばかりに他人事のように助言する人がいます。

 私の経験上、家族内であれやこれやと一生懸命にコミュニケーションを図ったところで解決に至ることは滅多にありません。

 たわいもない会話が自然と発生したとき、偶然に本人に気づきがあったとき、家族に不慮の出来事が起こったとき、初めて流れが変わるように思います。それでもなかなか変われないとき、動物が苦難を引き受けてくれることがあります。

九月半ばの熱帯夜、嫌な記憶が蘇り、なっかなか寝付けない! 


事あるごとに、

子の担任教師は私達に言い放った、

「家庭内でよく話し合ってください」と、 

話し合いで解決したことなど一度たりともないというのに。


夜明け前、

窓ガラスが割れる音、

裏山の彼方に降り注ぐ大量の流星群、

飼っていた黒ウサギが確信犯のごとく脱走した。


その瞬間、

偶然あるいは必然に、

舞い上がった黄色い涼風が、

我が家のロフトで汗かき眠る子の髪を揺らした。


夜が明けて、

むっくりと起きた子は、

黒ウサギを探しに再び登校し始めた、

学校は裏山を越した塩湖のほとりに佇んでいた。


往々にして、脈絡なく、突然に、山は動き出す!


終わり


【編集後記】

 本詩は、過去の投稿記事「掌編小説 ”校舎に宿る黒ウサギ”」からインスピレーションを得て、ロシアの作曲家 ”ムソルグスキー” の管弦楽曲「はげ山の一夜」をモチーフに私の体験を編み込んだ作品です。


以上


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ