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彼女にフラれた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう  作者: 遊。


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俺の夏はまだ終わらない。

翌日、合宿の帰り道の船着場にて。


帰りはここでメンバーが分かれると言う事もあり、ハルたん会長が参加者一同に挨拶をしている所だった。


「じゃ、お疲れ様って事で解散ね。


皆あまり羽目を外し過ぎないように残りの夏休みを楽しんでちょうだい。」


「なーんで羽目を外し過ぎないでの時にあたしの顔を見るのかな...?」


露骨に凝視してくるハルたん会長に、瑞穂がツッコミを入れる。


「あんたが一番心配だからでしょうが。」


「え?ハルたんあたしの事心配してくれるの?やっさしい!」


「ばっ!?そう言う意味じゃない!」


「あだっ!?」


ハルたん会長のツンデレチョップ!


こうかはばつぐんだ!


「皆さぁん、お疲れ様でしたぁ。


お家に帰るまでが合宿ですから最後までお怪我のないようにお気を付けてお帰りくださいぃ。」


遠足の定番セリフで千鶴さんが締める。


さて、俺も千鶴さんの所に...。


と、思ってたところで。


「おっと……。」


急に美江が腕にしがみついてくる。


「なんだ?帰らないのか……?」


「悠君はこっち……。」


「えぇ……。」


まぁ確かに行きは元がコミュ障なのにほぼ知らない奴ばかりでだいぶ苦労したらしいからなぁ……。


「あ、ならウチ変わろっか?」


と、美紀。


「良いの?」


パッと見るからに嬉しそうな笑顔を浮かべる美江。


「うん、宮戸さんとも仲良くなれたし。


あと邪道だけど智×秋も気になるし。(小声)」


うん……最初の一言だけで終わらないのが美紀である……。


出来れば聞き取りたくなかった小声は聞かなかった事にして……。


「帰りは私が!「あ、お兄ちゃんは私と美江ちゃんの隣ね。」ぴえん……。」


元気よく宣言している所を速攻で切り捨てられ涙目になる志麻。


「悪い、まりちゃん。


また志麻を頼めるか?」


「本当はまりも悠にぃのお隣が良いけど他ならぬ悠にぃの頼みなら仕方ない!」


「ありがとう。」


まりちゃんには今度何かしらの形でお礼しなきゃな……。


「それじゃ、悠太またメールするね。」


「おう、瑞穂もお疲れさん。」


「悠太君、お疲れ様。」


瑞穂と挨拶を交わしていると、ハルたん会長が声をかけてくる。


「あぁ、お疲れさん。


色々ありがとう。」


「良いのよ。


私も楽しかったから。


そ、それより。」


「ん?」


「引いた……?」


顔色を伺うような感じで聞いてくる。


あぁ……それが気になって来たのか、、。


「あぁ、Part3。」


「だから違うから!?


私だって頑張れば野菜だって食べれるし、朝もちゃんと起きれるし料理だって出来るから!」


「頑張らないと出来ないって事じゃん。」


それに瑞穂がそう言ってケラケラと笑う。


「揚げ足を取らないで!


と、とにかく……私にも少し……いや、割と……苦手な事はあるから……。」


割となのか……。


「だからその……大目に見て欲しいと言うか…。「大丈夫ですよ。


ハルたん会長。」え?」


「あ、ところでギャップ萌えって知ってますか?」


「なんでこのタイミングでその質問!?


絶対当て付けよね!?」


「やだなぁ、ハルたん会長が可愛いって話だって。」


「それ褒めてるって言うより絶対バカにして言ってるよね!?」


うーん……ギャップ萌え良いんだけどなぁ...。


「まぁ……可愛いは嬉しいけど……。」


「そうそうハルたん会長は可愛い、凄く可愛い。」


「わ、分かったから!


そ、それじゃあまたね!また連絡するから!」


顔を真っ赤にしてさっさと車に乗りこんでしまうハルたん会長。


「日奈美の次くら……あ、行っちゃった。」


それを見ていた瑞穂も露骨にため息を吐く。


「悠太って本当悠太だよね……。」


「なんだよ?」


「別にー……そいじゃ。」


おぉん……。


ハルたん会長また連絡するって言ってたなぁ。


まぁでも普通に生徒会の事務連絡とかだよなぁ。


働きたくないなぁ……。


「悠太、今度一緒にドックランに行こうね!」


「おぉ、俺頑張って走り回っちゃうぞ!」


「悠!?」


そんな他愛もないやり取りを絵美と交わして蘭ちゃんにツッコまれつつ、、それで川崎に睨まれつつ……。


「悠ちゃん、今度バイキング行こうぜ。」


「お、智君も入れて三人で行くか。」


ここのところどういう訳か女子にばっかり囲まれてたから同性と遊びに行くとか無かったんだよなぁ。


普通に楽しみだ。


「おう、また連絡するわ。」


「ね、悠兄、それ私にも日付け教えてね?」


秋名たんを見送った後、美紀が声をかけてくる。


「なんだ、ハッチーも来たいのか?」


「ううん、行かないけど気になるから。」


そう言ってぐへへと笑う美紀。


「お、それなら私も聞きたいな。」


「お、流石宮戸さん!」


「えー、それなら私達も一緒に行かせてもらえば良いじゃん。」


美紀、宮戸組の会話に八重音が口を挟む。


「「それだと意味が無いの!」」


「ふぇぇ!?」


二人から同時に怒られて普通にビビってる八重音。


少し可哀想だが触らぬ腐女子に祟り無し、である……。


「ま、最悪だと思ってたが案外悪くなかったぞ。」


そう言ったのは直也だ。


意外だなとは思ったがコイツとのトランプは案外楽しかった。


「こっちのセリフだっつの。」


「またトランプやろうぜ。


今度は絵美も一緒にな。」


「それ絶対そっちの方が重要だろうが……。」


「当たり前だろ?


お前と二人でなんて二度とごめんだ。」


そう言って上機嫌に笑ってさっさと乗り込んで行く直也。


「だから……こっちのセリフだっつの……。」


「案外仲良くなれたんだ?」


「そう見えるか……?」


次に声をかけてきたのは宏美だ。


「最初と比べたら?」


「まぁ、それはそうだけど……。」


「ま、色々あったけど私も案外楽しめたよ。」


「そりゃ良かった。」


「でも出来れば私もちゃんと誘われたかったなー。」


そう言ってジト目で睨んでくる宏美


「うっ……。」


コイツ、まだ根に持ってやがったのか……。


「ま、昨日はちゃんと誘ってくれたしいっか。」


「良いのかよ……。」


「えー?じゃあ許さない?」


「はぁ……?」


「だからさ。」


言いながら背を向けて歩き出した彼女は、一度こちらに振り返る。


「また誘ってね?」


そう言って笑う。


そのまま用事は済んだとばかりにさっさと行ってしまう宏美。


「あ、そっちのひっつき虫ちゃんもまたね!」


「言うだけ言ってさっさと行きやがった……。」


「ひっつき虫って言われたし...。」


そう言えば完全に放置してたけど隣に美江が居たんだった、、


「私の事完全に忘れとらんかった……?」


「ははは、ソンナワケナイダロー?」


「絶対に忘れとるじゃん! 」


「いや悪かったって!


他の人とお別れの挨拶するのに夢中になってたと言うかなんと言うか……。」


「むぅ……。」


あ、拗ねた。


リアルに頬を膨らませる姿がちょっと可愛いなんて言ったら怒るかな、怒るよなぁ……。


「悠さぁん、花岡さん、早く乗ってくださいぃ!」


「あ、はい。


ほら、行くぞ。」


「私も許さん……。」


「えぇ……。」


何、俺を許さないってくだり流行ってんのかしらん……。


「だから私も誘うけぇ……。」


「ん、あぁ日奈美とか?」


言うと美江は強く腕を引いてくる。


「うぉっ!?」


「ふ、二人でじゃし……。」


「お、おん。」


お、おう……遂に美江とも友達に……?


なんて感慨深く次の言葉を待っていると、


「友達には絶対ならない……。」


「えぇ……。」


まさかの前進かと思ったらゲームオーバーだった件……。


「お兄ちゃんはここね!」


「悠太!私の隣でも良いよ!」


「はいはい、あなたはこっち。」


茉里愛に無理やり引っ張られ、その隣に座らされる志麻。


「あぁん!ご無体な!!ぴえん……!」


やれやれ……これは帰りの車も騒がしくなりそうだな……と思っていたのだが。


各々この二日間の疲れが溜まっていたのだろう。


走り出して少しした頃には運転する千鶴さんと俺以外は寝てしまっていた。


あ、ひーちゃんの寝顔世界一可愛いし頭で肩ポン最高……。


ずっとこうしてたい、、


左に日奈美、右に美江、それぞれが両肩に頭を乗せて小さく寝息をたてている。


「悠さんもお疲れでしょう?


寝てて良いですよぉ?」


「そしたら千鶴さんが1人になっちゃうでしょ?」


「まぁ、相変わらずお優しいですねぇ。 」


「千鶴さんが優しいからですよ。」


「あらぁ、ふふふ……。


悠さん。」


「はい?」


「楽しかったですか?」


「はい、とても。」


「それは良かったですぅ。」


「あの頃だったら絶対体験出来なかったって心から思う。


本当、良くも悪くも忘れられない思い出になりました。」


「そうですかぁ。


まぁちょぉっと看過しきれない場面もありましたがぁ。」


「うっ……。」


「でも私もとても楽しかったのですぅ。」


「それなら良かったです。」


「ふふ、今度は私とも一緒に遊んでくださいねぇ。」


「1週間ですか!?


1ヶ月ですか!?」


「ふふ、それだと夏休みが終わっちゃいますよぉ?」


それは……!いや、でも千鶴さんとなら悔いはない……!


緩やかなスピードで進む車。


少しづつ見慣れた風景が広がり始める車窓を眺めながら、まだ始まったばかりの夏休みに思いを馳せる。


それは多分あの時には絶対無いもので、そして他ならぬ今しか無いもので。


これからもこんな思い出を作っていけたらと小さく願い、俺はそっと目を閉じるのだった。


第4部完結です!

次回、90話は番外編!

91話から新シリーズの予定です!お楽しみに!

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