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彼女にフラれた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう  作者: 遊。


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生徒会長VS清楚系ビッチ!

やっほー皆!三澄悠太だよ!


実は僕、普段はド陰キャオブド陰キャだけどその正体は皆から大注目されるアイドルだったのだ!キランッ!


今だってこんなに……


「三澄君!昨日生徒会室で会長と何話してたの!?」


「期間限定で生徒会入るって本当!?」


「え、それマジ!?


羨ましい!」


「ねぇねぇ、生徒会長とどう言う関係なの!?」


「なんか配信アプリ繋がりなんだよね!?


どうやったら繋がれる?


私も逆立ちしたら良い!?」


逆立ち好き過ぎるだろ。


いや、あれはあれで良かったけども!


とまぁ、こんな具合に朝からクラスメイト、果ては他のクラスの生徒や、後輩、先輩まで沢山の生徒に俺は囲まれていた。


今がきっと人生一のモテ期!


いや、これ俺のじゃなくて生徒会長のだわ。


うん、知ってました、くすん。


さてそんな状況だといつもなら文句の一つでも言って来そうな宏美が、どう言う訳か今日はずっとそっぽを向いている。


まぁ……こんな人数相手に文句言うなんて普通に無理だしそもそも関わりたくないよな。


俺も関わりたくなかったですっ!


「なぁ、悠ちゃん……。」


「おう、なんだ秋名たん。」


少し残念そうな表情の秋名たん。


コンビニの期間限定お値段そのまま増量シリーズが買えなかったのかしら。


あれ得だしでもすぐ無くなるから買えたら運良かったって思うけど実際食べてみたら割と重かったりでやっぱ普通で良いやってなるんだよなぁ……。


「俺も逆立ちしたら生徒会長と仲良くなれるかな……。」


「お前はまずダイエットしろ……。」


なんなのその逆立ちへの絶対的信頼。


え、俺も逆立ちしたら人生変わる?


ま?


明日から練習しようかしらん……。


「それにしても悠さん、やっぱすごいね〜。


あの生徒会長とまで知り合いだなんて。」


八重音が感慨深げに呟く。


まぁでも実際問題、これだけ知り合いばかりが集まった空間に入れば人気者になるのも当然と言えば当然なのである。


これでぼっちになる心配無し!やったね!


言ってて悲しくなってきた……。


それにしても……。


適当に囲んでる奴からの質問攻めを交わしつつ、未だにそっぽを向いたまま何も言わない宏美に目を向ける。


なんだろう。


今まではそもそも元カノな訳だし俺から絡む事はしなかった。


コイツの方はなんかちょこちょこ絡んで来て、たまに皮肉を言って来たりもしてたが、今日はそんな事言ってくる気配すら感じない。


たまたまそう言う気分じゃないだけだろうか。


「陽キャになりやがって……滅べ……! 」


「まぁまぁ宮戸……。」


宮戸の相変わらずの毒舌を八重音が宥める。


「遂に悠太が脚光を……!これは写真に残さないと……フイルム足りるかな?」


それと志麻、ドサクサに紛れて盗撮するんじゃありません。


「おぉ、悠太有名人じゃん!」


と、そこで現れたのは津川瑞穂。


生徒会長とはまた違うその整い過ぎた容姿に、クラス中の視線が向けられる。


「え、まさか津川さんまで三澄と知り合い?」


クラスメイトの一人が瑞穂に声をかける。


「え?あぁ、うん。


一応元カレ。」


「「「えぇ!?」」」


ちょっと!?そんなあっさり爆弾発言しないで貰えますかね!?


「なんか人だかり出来てて面白そうだと思って見に来たんだけど、悠太が中心にいてビックリしたよ!」


「俺はお前のそのあっさりさにびっくりしてるんだが!?」


生徒会長もそうだが、瑞穂は瑞穂で違う意味での有名人だ。


まぁもっとも悪い意味でだが、それを補ってあまりある顔の良さとその親しみやすさからカーストの上位に君臨している。


「いや、本当三澄って何者なの……?」


「リア充が……35回くらい滅べ……。」


うん、節分かな?年の数だけとかじゃないからね?


いや多分宮戸は俺の実年齢知らないだろうから無意識だろうけども……。


「ずるいぞ三澄!なんでお前だけ!」


「そうだそうだ!」


なんだよこのラブコメ展開……。


「いやだから……俺は……。」


「お前前世でどんな徳を積んだんだよ……?」


うーんむしろ徳を積めなかったから転生したとこあるからなぁ……。


「悠にぃはいつも頑張ってる!


だから人気になった。」


自分の事のように誇らしげな茉里愛。


「じゃ、じゃあ俺達も逆立ちを頑張ったら……」


「いや、逆立ちネタもうやめない?」


それ言われたら俺逆立ちしか取り柄ないみたいじゃないの……。


いや、俺逆立ち出来ないけども。


え?なら取り柄なくない?ぴえん。


一方、瑞穂同様様子を見に来たらしい美江は元来の人見知りを発揮して遠くでアワアワしてる。


まぁ男子も居るし近付けないか……。


頑張ったご褒美に後でジュースでも奢ってやろっと。


思わず餌付けしたくなる小動物感。


「悠太!放課後生徒会室一緒に行かない?」


今度は絵美だ。


あっ!やせいのもとおさななじみがあらわれた!ゆうたはにげだした!にげられない!


ガッツリ腕を掴まれてしまいました。


「なんか知らんけど楽しそうやん。


ウチも混ぜてや。」


蘭も楽しそうに入ってくる。


「悠さん!私もお邪魔します!


良いですかぁ?」


アナウマに跨って千鶴さんまで!


と言うか新しく誰か増える度に皆さんからの視線が険しくなるんですが!?


「え、三澄……本当誰が本命なの?」


「いや……だから……。」


「悠兄、勿論智兄だよね?」


うん、美紀、違うよ?あとヨダレ拭きなさい。


「悠太の本命は私だよ!


だってこないだだって1日で999件メッセージしたし。」


自慢げに胸を張る志麻。


「それ君の一人相撲だからね?」


一瞬信じられない様な顔をされたが、俺がそう返すと普段の志麻を見ているからか皆さん納得した様子。


「ぴえん……。」


「お、お兄ちゃんは誰にも渡さないもん!」


と、ここでもう片方の腕に日奈美がしがみついてくる。


「ひ、日奈美まで……。」


「え、妹!?


三澄こんな可愛い妹いたの!?」


「羨ましい!」


「あーもう……余計にややこしく!」


「あら?三澄悠太君に早速仕事をお願いしようと思って来たら随分な人だかりね。」


「生徒会長!?」


「あら...?あなたは……。」


生徒会長、綾瀬波瑠の登場に全員の視線がそちらに向くが、彼女の視線は一人の女生徒、津川瑞穂に向けられていた。


「あぁ、綾瀬さん。


ご無沙汰してまーす。」


一方の瑞穂は生徒会長の登場に一切動揺を見せずに気楽な態度だ。


瑞穂の方のノリは普通に友達にするようなノリだが、生徒会長は露骨に顔を顰める。


「何がご無沙汰してますよ。


停学食らって久しぶりに来たと思ったらちっとも反省してないじゃない。」


停学食らってたのか……。


だから最初会わなかったのか……。


「いやぁ、あたしってこう言うキャラだし?」


「なら私が矯正してあげましょうか?」


「え、それって強制?怖ーい。」


強制に矯正……なんか上手いこと言ったつもりかしらん……。


それにしても随分と仲が悪そうである……。


まぁそれもその筈だ。


後に八重音から聞いた情報によると、それぞれその整った容姿と話題性から、学園の二大美少女と呼ばれている二人。


系統は真逆で、方や正統派美人、方や清楚系ビッチ。


そりゃ普通に仲良くなれない訳である、、


「悠太を生徒会に入れようなんて考えてるみたいだけどさ、残念。


悠太はあたしのオモチャなんだよね。」


え、初めて聞いたんですけど!?


ってか瑞穂のファンらしき人から一斉に睨まれたんだけど!?


「へぇ?元カレをオモチャだなんて随分ね?


私なら出来ないし理解不能だわ。」


「まぁ、生徒会長様には分かんないよねー。


優等生の真面目ちゃんだし?」


「えぇ……!私は、あなたと違って優等生の真面目ちゃんだからあなたみたいな人から彼のような優秀な人材を守る義務があるのよ。」


ひぃっ!顔は笑ってるけど引きつった笑顔から火花が見える!


つうかやっぱ凄いな生徒会長……。


宏美はあっさり論破されてたのに瑞穂を相手に一歩も引かない……。


「ねぇ悠太、こんなのほっといてあたしとサボらない?」


瑞穂がそう言い寄ってくる。


「三澄悠太君、学生の本分は勉強よ?サボるなんて論外だから。」


ふぇぇ、さっきまで二人の論争を見守ってた観衆が一斉に俺を見てきた。


せっかく隙を見て逃げようと思ってたのにっ!


「だ、だから俺は……その」


チラリとリオに助けろと視線を送るも、苦笑いで逸らされた。


あのチョロリ目刺し!!


「悠太?」


「三澄悠太君?」


「俺はもう恋愛はしたくないんだぁぁぁ!」


思わず叫ぶ。


それに、これまでずっとそっぽを向いていた宏美がビクリと肩を震わせる。


そして、


「え?」


宏美は涙を流した。


「え……あっ...。」


一瞬自分でも気付いてなかったのか、自分が泣いている事に気付いた彼女はその涙を腕で拭い、そして立ち上がり……走り出した。


「ちょっ、おい!」


「悠太!?」


「あ、三澄悠太君!?」


追い掛けなくちゃ。


本能的に俺は悟った。


しがみついていた絵美と日奈美の手を振り払い、人混みを掻き分けて進む。

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