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彼女にフラれた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう  作者: 遊。


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シスコンの苦悩

その日の夜。


「あ、お兄ちゃんお帰りー。」


家に帰ってリビングに入ると、先に帰った日奈美が制服にエプロン姿でキッチンに立っていた。


日奈美の制服エプロン!良い!


「今日お母さん遅くなるんだって。


もうすぐ出来るから二人で先に食べちゃお。」


「おう。」


手洗いうがいを済ませて部屋着に着替えてからリビングに戻ると、丁度完成した所だった。


「今日は豚肉が安かったから生姜焼きにしてみたんだー。


さ、食べよ。」


上機嫌な日奈美。


炊きたてのご飯を二人分よそって食卓に置く。


お湯を沸かしてインスタントの味噌汁を同じく二人分作れば、一汁一菜の揃った晩御飯の完成である。


「「いただきます。」」


二人向かい合って手を合わせる。


うぉ、生姜焼きの焼き加減と味の染み込み具合が最高過ぎる……!


これ幾らでもご飯が進む!


「どう?美味し?」


「勿論!世界一美味しい!」


「もぉ、相変わらずなんだから。」


少し呆れた顔だが満更でも無さそうなご様子。


「……なぁ。」


「ん?」


「応援団、どんな感じなんだ?」


「あぁ、楽しいよ。


仲良い子も一緒だし。」


「うぅっ!?」


「えぇ!?どんな反応!?」


もしかしなくてもそれってあいつの事じゃないのか……?


あの後。


いやいや……まさか前世の日奈美の旦那まで居るのかよ……。


聞いてないんだが……。


「まぁ……言ってないですからね。」


リオがそんな俺の苦悩に答える。


「いや、お前知ってたのかよ……?」


とりあえずリオと二人で少し離れた場所で話す。


「居るだろうなとは思ってましたよ。」


「分かってて黙ってたのか!?」


「だって悠太さん絶対めんどくさい感じになるじゃないですか。


シスコンだし。」


「ぐう……。」


「いや……また言っちゃってるし……。」


たまにラブコメとかで明らかに主人公に気があるヒロインが居て、でもそれをそんな本人の意思関係無しに自分の方が好きだからと邪魔したり主人公を嫌悪するキャラが居たりするが、基本そういうキャラは好きじゃない。


恋愛は当人同士が決めてする物であって、第三者が邪魔したり否定していい物じゃないと思うからだ。


でもこうして自分が同じ立場に立たされてみると分からなくもないと思えてきた、、、。


現世でも日奈美に彼氏が出来た時にはショックで枕を濡らしたし、入籍したと聞いた時はこの世の終わりを感じた程だ。


いや、我ながら相当シスコンだな……。


「今頃気付いたんですか……?」


「そ、そもそもなんで俺に言いに来たんだよ!」


「あ、えっと……それはその……日奈美さんから予々(かねがね)お兄さんの話は聞いてたし一度お会いしてみたかったので……。


ご挨拶と決意表明をさせてもらおうと。」


「決意表明……ね、あとお兄さんって呼ぶな……。」


「そんな!どうしたら認めてくれるですか!」


「いや……俺に認められたってしょうがないだろ……。


最終的に決めるのは日奈美だし。」


「それはそうですけど...でも俺お兄さんとも仲良くなりたいんです!」


「なん、だと?」


それはあれか……いずれ結婚するし家族と仲良くなっておいて外堀を埋めておく、的な……?


「あ、そうだ!お兄さん個人種目は何にしましたか?」


「急になんだよ……?


借り物競争だよ。


あとお兄さんって呼ぶな。」


「一緒です!


ならこうしませんか?


借り物競争の順位で俺と勝負してください。


そしてもし俺が勝ったら俺の事を認めて応援してくれませんか?」


「いや、なんでそんな勝負……。


と言うかお前が負けたらどうするんだよ?」


「その時は潔く諦めます。」


「いや……そんなあっさり……。」


「最初から負けるつもりはありませんから。」


コイツ……やる気満々じゃねぇか……。


「返事は今すぐじゃなくて良いっすから!


あ、連絡先聞いて良いっすか?」


めちゃくちゃ自然な流れで連絡先まで聞いてきただと!?


と、言う訳で現世での日奈美の旦那に喧嘩を吹っかけられた訳だが。


これ……どうするべきなんだろう……。


その辺の日奈美とは縁もゆかりも無いような奴が相手なら、ハッキリと断る事も出来た。


でもそうじゃない。


なんと言っても相手は現世で結婚までしているような相手である。


しょっちゅう喧嘩もすると聞いたし、愚痴を聞かされた事も多々あったがなんだかんだ仲直りしつつ上手くやっていたのを見るに相性だって悪くない筈だ。


血が繋がっていて結婚も出来ない俺が身勝手なエゴで日奈美を縛るより、そんな運命の相手と結ばれた方が幸せなんじゃないだろうか。


だからわざと負ける……?


アイツを認めて背中を押す……?


それで良いのか?


「お兄ちゃん……?」


ご飯を食べる手も止めてしばらく黙ったまま考え込んでいると、日奈美が不審そうな顔で声をかけてくる。


「なぁ、日奈美。」


「うん?」


「お前って好きな人ととか居るのか?」


「ブフッ!?」


「わ!悪い!」


「う、うぅん……。


急にどうしたの...?」


「いや、何となく……。


日奈美からそう言う話聞かないなって。」


「そりゃあんまり話して来なかったけど……。」


「実はさっき言ってた仲良い子ってのは男子だったりするのかなと思ったり……。」


「えぇ……?


どうしたの?お兄ちゃんってそんなに束縛するタイプだっけ?」


「うぅっ!?


や、やっぱちょっと重たいか……?」


「うーん、心配してくれてるって言うのは分かるかな。


確かに同じクラスでよく話す男の子も居るけど、仲良い子は女の子だよー?」


「なんだ……。」


「安心した?


本当、お兄ちゃん私の事好き過ぎなんだから。」


「おう、世界一、いや、宇宙一の妹だからな。」


「もぉ……調子いいんだから……。」


やれやれと肩を竦める日奈美。


とりあえず日奈美の方はまだ現世の旦那を異性として見てるって感じじゃなさそうだな……。


「でも、好きな人は確かに居るよ?」


「え!?」


と、思ってたらまさかのどんでん返しが!?


「誰だ!?どんな奴だ!?」


「もぉ、必死過ぎでしょ……。


うーん...今は秘密!」


「そんな!?」


日奈美に好きな人……!?


角森……?いや……流れ的に他の奴かも……!


そんな事を考えて冷や汗をダラダラと垂らす俺に、日奈美はまたやれやれと肩を竦める。


「はい、この話はおしまい!


今はご飯ご飯!」


そう言って日奈美は無理矢理話を打ち切る。


その時の日奈美の顔が少し赤くなっている事に気付かないぐらいには、俺はテンパっていた。


日奈美に好きな人……だと……!?


あまりの衝撃に生姜焼きの味が分からなかったのはしょうがないだろう。


いや生姜焼きだから生姜はあるけども……。


ご無沙汰しております。


最近暑さ的にも腰痛的にも階段の昇り降りがしんどくなって自分が歳をとった事を思い知らされる毎日であります、、皆様はいかがお過ごしでしょうか。


さて今回は表紙絵の作画を担当してくれたるんちゃんが挿絵と設定画を描いてくれたのでご報告です!


新しくキャラデザが追加されたリオの設定画と挿絵です!


こちらの画像はエピソード2話の終盤、設定資料集にて公開です!お楽しみに!


ではでは!遊。でした!

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