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彼女にフラれた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう  作者: 遊。


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ふと、目があって、そして逸らされる

と、言う訳で。


帰りのホームルームでは早速体育祭実行委員の男女それぞれの選出と、各々個人種目を決める為の話し合いが行われる事となった。


朝のホームルーム同様、進行はクラス委員の八重音と、あともう1人なんか陽キャのイケメン……が進行してる。


「高梨さんですよ……。


一応クラスメイトなんですから名前くらい覚えましょうよ……。」


高梨と言うらしい。


「それじゃ、まずは実行委員を決めるよー!


多分居ないと思うけどやりたいひ「はい!」え?」


なんと、ここで意外にもいの一番に挙手したのは秋名たんだった。


それも八重音が全部言い切る前での速攻ぶり。


そこからどれだけやりたいと思っているのかが伝わってくるようである。


「え、秋名たんやるの?」


これには八重音も意外そうである。


「他の候補者が居ないようなら男子は近藤君で決まりかな?


女子は誰かやりたい人いる?」


高梨が聞く。


「さっき知ったばかりなのに早速呼び捨てじゃないですか……。」


リオが呆れ顔で言ってくるが気にしない。


陰キャの陽キャに対する扱いなんて大体こんなもんである。


「それにしても秋名さん立候補するんですね。」


やれやれと肩を竦めた後、リオが意外そうに言う。


「ま、体育祭自体やる気あるみたいだしな。


かっこいいとこ見せたいからまずは形から、みたいな感じなんじゃねぇの?」


「なるほど。


同じくらい悠太さんも負けずにやる気出せば良いじゃないですか……。」


「俺は別に誰かにアピールしたい訳じゃないから興味ない。」


「日奈美さんが応援団になるって言ってるし立候補したらどうですか?」


「ばっか、俺が応援するの日奈美だけだ。」


俺が自信満々に言うとリオはうわぁ……な表情……。


「なぁなぁ宏美ちゃん、良かったら一緒にやらない?」


と、その時。


立候補したばかりの秋名たんが、唐突に隣の宏美を誘ったのである。


「……え?私?」


「そうそう!せっかく隣同士になったんだしさ!」


「それはあんまり関係ないような……。」


「お願い!宏美ちゃんとやったら楽しくなりそうだし!」


微妙な反応な宏美に食い下がる秋名たん。


と、その時一瞬宏美がこちらを見る。


え……?なんで見て……。


戸惑う俺を見てか宏美は気まずそうにさっと目を逸らし……そして。


「分かった、やる。」


そう呟いた。


「お、女子の方も決まりだな。」


高梨が体育祭実行委員の女子の所に宏美の名前を書く。


宏美のやつ……。


しばし呆然と宏美を見ていたが、宏美は一度も目を合わそうとはしない。


「悠太さん!悠太さん!」


「ん、あぁ……。」


リオに名前を呼ばれて気付く。


どうやら見過ぎていたらしい。


「もうホームルーム終わっちゃいましたよ?」


「え、マジかよ。」


無心で見過ぎていたらしい。


「え、と言うか個人種目は!?


玉入れは!?」


「玉入れは人気でしたからすぐ枠が埋まっちゃいましたよ?


悠太さんが書きに行かないから枠が余ってた借り物競争になりましたよ?」


「マジかよ……。」


やれやれ……結局走る羽目に……。


って……それより……。


「宏美!」


立ち上がって宏美が座っている席に目を向けると……。


「宏美さんならもう実行委員会に行きましたよ?」


おぉう……。


いつの間にか見ている本人すら居ないと言う...。


どんだけ見てたんだよ……。


「気になるんですか?」


「アイツ、さっき一瞬俺を見たんだよ。」


「宏美さんが、ですか?」


「あぁ、まぁすぐに逸らしたけど……。」


「なるほど……。


それは気になりますね……。」


「だろ?でももう行った後か……。」


完全に話しかけるタイミングを逃した。


実行委員会はハルたん会長と瑞穂主体で話し合いが進み、俺、恵美、蘭ちゃん、片杉はお留守番である。


普通に生徒会の仕事をしながら向こうが終わるのを待つか……。


そう思いながら生徒会室に向かい、仕事を進める。


「やっぱりSNSの反響は上々ですね。」


スマホを操作しながら、片杉が言う。


「何がだ?」


生徒会広報になったその日に、片杉は生徒会公式SNSを開設した。


その中で片杉は公言していた目安箱、いじめ相談窓口、としてDMの受付や、生徒会の活動情報などを都度更新していくスタンスにしたらしい。


「あぁ、ゲスミ、居たのですか。」


相変わらずこいつは……!


絶対分かってて言ってんだろ……!


「会長と瑞穂が二人三脚をやるのはどうか、って言うのを二人に提案したのはそこに居る片杉さんなんやで!」


代わりに蘭ちゃんが答える。


「そうだったのか。」


「はい、今や二人は生徒会の顔ですからね。


元々学園の2大美女なんて言われてるくらいですから人気も話題性も充分ですし、そんな二人が二人三脚で息を合わせてる姿はきっと大反響を呼ぶだろうと思い、提案してみました。」


「うんうん、おかげでSNSの評判も良さそうだよ!」


今度は絵美がスマホを見せながら言ってくる。


言われて画面を見ると確かに生徒会公式アカウントにはイイネや共有投稿等の通知、フォローリクエストの通知等が多数届いていた。


一時はコイツを生徒会に入れて本当に大丈夫なのかと思ったりもしたが……案外ちゃんと仕事しているようである。


「何やら随分失礼な事を考えているような気がしますね。」


「何お前エスパータイプだったりするのか……?」


お前も実は俺の事好きだったりするのか?なんて聞くだけ無駄な質問はしない。


三澄、ちゃんと学べる子。


「悪は許さないですけど虫は確かに嫌いですねあと心霊現象は信じていません。」


マジかよ、通じたんだが……。


「なんですか。


私だってゲームくらいそれなりにします。」


「そ、そうなのか。」


まぁでも身内に勧められてちょっとやってみたとかかも……。


「はい、そのシリーズなら全部やってるしアプリも入れてます。」


と思ったら結構なガチ勢で草。


「ふぅ、終わった終わった!」


と、ここで瑞穂がそんな事を言いながら帰って来た。


「四人もお疲れ様。


あなた達も適当な所で切り上げて帰って良いわよ。」


続けてハルたん会長も入って来て留守番中の俺達に労いの言葉をかけてくれる。


「ハルたん会長もお疲れ。


あと瑞穂も。」


「あたしはついでかい……。」


俺の方からもそう言って労いの言葉をかけると、瑞穂から不満の声が上がる。


「ってか実行委員に瀬川さん居たんだけど。


なんか悠太といつも一緒に居る男子と組んでたじゃん。」


変わらず不満そうにした後、思い出したように瑞穂が言う。


「別にいつも一緒って訳じゃないけどな。」


「いや、そこは別にどうでも良くない……?


それよりなんで実行委員に瀬川さんがいるわけ?」


「そんなの俺に言われても……。」


「ふーん?」


また不満気な顔をする瑞穂。


「そもそもあの二人そんなに仲良かったっけ。」


「さぁな、隣の席だからだろ?」


これは嘘じゃない。


それに秋名たんの目的は別にある筈で……。


「ふーん。


なーんか仲良さそうだったけどなぁ。」


「え?」


宏美が?秋名たんと?


「いやいや、秋名たんの一方通行なら兎も角宏美の方もなんて……。」


「有り得ないって?なんでそんな事分かるの?」


「それは……。」


「あの男子たしか実行委員長になった子に猛烈に絡んでなかった?」


ここで口を挟んだのはハルたん会長だ。


「え?」


「水瀬咲夜って子だったわよね、確か。」


「あぁ……。」


完全に察したわ、、秋名たんのやつだから体育祭実行委員に立候補したんだわ……。


「あの男子の目的が実行委員長で安心した?」


また瑞穂が口を挟む。


「べ、別にそんな……。」


「でもその男子の目的はそうだとして瀬川さんの目的はどうなんだろうね?」


「それは……。」


ズキリと胸が痛む。


本来ならもう別れているのだから気にする必要はない。


でも二人が仲良くしていたと聞くとどこかモヤモヤした感情が渦巻く。


いや、気のせい、だよな……。


あの時アイツが俺の方を見るから、なんか気になってるだけ……。


そうに決まってる。




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