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彼女にフラれた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう  作者: 遊。


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ハルたん星人、特技はチョップ

片杉の相方が決まってから数日が経った。


遂に生徒会副会長選挙の日取りが今週の金曜日に決まった。


「遂に今週かー。」


感慨深げに呟く瑞穂。


脱いだ靴下をその辺にほっぽりだし、シャツのボタンを上から3つ目ぐらい開けて…何ともだらしない格好である。


「またあんたは…。


ここは家じゃないのよ…?」


そんな瑞穂の態度にハルたん会長は呆れ顔。


「へぇ?ハルたんも家ならやるんだ?」


「そ…そんな訳あるか!?」


「あだァ!?今一瞬間が空いたじゃん…。」


会長チョップを受けた頭を擦りながら瑞穂が言う。


「あ、あんたが変な事言うからでしょうが!」


ハルたん会長、実はそうなのかしらん…。


朝が弱かったり実はポンコツだったりするから…。


「ちょ、悠太君!?違うからね!?」


どうやら呆れ顔で見ていたのがバレたらしい。


「大丈夫ですよ、ハルたん会長。」


ニッコリと笑顔を作って答える。


「悠太君…?」


「どんなハルたん会長でも素敵だと思います。」


そう言ってサムズアップする。


「なんかフォローされた!?


違うから!本当に違うんだからね!?」


「まぁ実際夏休み明けてもまだまだ暑いしなー…。


ダラけたくなるんも分かるわー。」


私物らしい紺地に白猫模様の扇子をパタパタしながら蘭ちゃんが応える。


「だよね!私のとこの悠太も暑さでへばっちゃってて家から出るの嫌がっててさ、散歩も中々連れて行けなくて困ってるの。」


それに下敷きをパタパタしながら絵美が応える


「お、おん…。」


「あ、蘭ちゃん!悠太ってうちの家のワンちゃんの事だよ?」


「お、おん…。」


絵美に説明してもまだ戸惑いの表情の蘭ちゃん。


多分そう言われてもコイツならとか思ってるんだろうなぁ…。


でもそれ本当にワンチャン俺かもしれない…。


日奈美にたまには家から出ようって誘われても暑いからって渋ってた時あるし…あれ俺日奈美に飼われてたのかしら…。


何それ悪くないかもしれない…。


そんな事を考えていたら、瑞穂が露骨に顔を顰めながらこちらを見ていた。


「ハルたーん。


こっちにも選挙の事考えずにめちゃくちゃしょーもない事考えてる奴がいるよー。」


「そうね。」


瑞穂はともかくハルたん会長にまでバレてるんだが...。


「今度散歩に行こうね!悠太!」


「ワン!」


「いや相変わらずノリノリやん!?」


とまぁ、生徒会は今日も平常運行。


誰がなんと言おうとこれがいつも通りなのである。


それよりも、だ。


「なぁ、応援演説って何言えば良いんだ?」


俺の言葉に、その場に居た全員、ハルたん会長までもがずっこける。


いや...だから今令和だっての...。


「悠太...。


そんな事も分からないで引き受けたの...?」


ヨロヨロと起き上がりながら瑞穂が言う。


「お、終わりや...ウチらの戦いはもう終わってもうたんや、、」


「お、落ち着いて蘭ちゃん、まだ、まだチャンスはあるから!その...多分...。」


絵美のやつフォローになってないがな...。


「悠太君...この期に及んでそんな事を言うなんてあなた勝つ気があるの...?」


「いやいや、違うって、なんと言うか...。


大体どんな感じかって言うのは何となく分かってるんだけどさ、こう言うのって初めてだから参考までにって言うか...。」


「あ、あぁ...。


そうね...そう言う事なら...。」


「まぁ中々やる機会が無いもんやしなぁ...。」


「応援演説って言うくらいだからさ、皆が瑞穂ちゃんの事を認めてくれるような演説をすれば良いって事だよね?」


「いや、簡単に言うけどさ。


それがそんな単純な話しでもないんだって。」


「まぁそうね、瑞穂の印象は今も最悪だし。」


「事実だけどそんなあっさり断言する!?」


ハルたん会長の断言に瑞穂がくってかかるが、ハルたん会長は気にせず続ける。


「でもね、悠太君。


最初からどんなにいい言葉を用意しても響く人も居れば響かない人もいる。


これはどうしても仕方ない事だと思う。」


「まぁ確かに...。」


「だからそんなに難しく考えなくても良いと思う。


あなたがどう思うか、どう伝えたいかで良いと思うわ。」


「そうか...。


まぁ確かにそうだな。」


と、ここでノック。


「どうぞ。」


「失礼します。」


ハルたん会長が促すと、片杉が入ってくる。


「随分と余裕なのですね。」


「ふふん、こっちはあなたと違って相方は直ぐに決まってるからね。」


「別に、私なりに私にピッタリな相手をじっくり選んでいただけなので。」


「嘘つけ...普通に逃げられまくってただろうが...。」


「あぁ、ゲスミも居たのですか。」


コイツ絶対見えてて言ってんだろ...!


「とにかく。」


そんな俺の心の叫び等気にもとめないと言わんばかりに、片杉は瑞穂の方に目を向けて上から下まで見て顔を顰める。


「あなたのような不潔でだらしないゴミのような人間には絶対に負けませんから。」


軽蔑の眼差しを向ける片杉。


まぁ確かに片杉は暑いからって制服を着崩したりしなさそうだし脱いだらすぐにきっちりと畳んでタンスとかに綺麗にしまってそうだよな...。


「え、そんなに言う...?」


小声でハルたん会長が何か言った気がするが、彼女の名誉の為に聞かなかった事にする...。


「あたしだってあんたみたいな堅物星人に負けるつもりないから。」


バチバチと火花を散らし合う二人。


いや堅物星人て、どっちかって言うとハルたん星人の方がそれっぽいだろ。


いやハサミ持ってフォッフォッフォとか言ってるハルたん会長とか中々にシュールだけども...。


と言うかハサミ持って笑ってるなんて見た目云々以前に普通に不審者である。


そんな奴が複数いる星なんて一瞬で滅ぶわ、、


「ストーップ!


二人とも!喧嘩は駄目!


生徒会室は喧嘩する為の場所じゃないよ!」


絵美がそう言って止めに入る。


「そうですね、私は別に喧嘩をしにきた訳ではありませんから。」


「へぇ、じゃあ何しきたって?」


「あなたには関係ありません。」


そう瑞穂の問いかけを一蹴すると、片杉はハルたん会長に目を向ける。


「綾瀬会長。


相方は決まりましたが少し事情があるのでその許可を頂きたくて。」


あ、何となくこれ読めたぞ...。


なんと言ってもあの部長である。


それなりに人とコミュニケーションをとってきた筈の俺ですら大勢の前で喋るとか怖いのに...。


あの部長が引き受けたからとは言え大勢の前で喋れるとは思えないし...。


かと思えば他のメンバー、主に瑞穂を警戒してかわざわざ片杉は外に出てハルたん会長に何やら話していた。


本当、どうなるんだ...?これ。



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